あらすじ
オブジェクト指向ユーザーインターフェース(OOUI)とは、オブジェクト(もの、名詞)を起点としてUIを設計すること。タスク(やること、動詞)を起点としたUIに比べて、画面数が減って作業効率が高まり、また開発効率や拡張性も向上する、いわば「銀の弾丸」的な効果を持つ。ブログや雑誌記事などで大きな反響を得たこの設計手法について、前半部では理論やプロセスを詳説。そして後半部の「ワークアウト(実践演習)」では18の課題に読者がチャレンジ。実際に考え、手を動かし、試行錯誤をすることにより、OOUIの設計手法を体得できる。
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Posted by ブクログ
読んだ理由
業務系のUIを作成する上で、使いやすいUIについて学びたかった
感想
これからUIを作成していく上で、この本を読んでるか読んでないかで大きく差が出そうな内容だった
エンジニアはどうしても要件ベースで考えてしまうため、タスク指向になりがち
ユーザーとして触っているはずの、スマートフォンやPCのような、オブジェクト指向のUIの素晴らしさを再認識させられた
具体例も多く、これからも見返したくなる本
Posted by ブクログ
オブジェクト指向のお勉強。
■オブジェクト指向UIの原則
・オブジェクトを知覚でき直接的に働きかけられる
・オブジェクトは自身の性質と状態を体現する
・オブジェクト選択→アクション選択の操作順序
・すべてのオブジェクトが互いに協調しながらUIを構成する
■オブジェクト指向UIとタスク指向UIの対比
オブジェクト指向UI
・名詞→動詞
・まずオブジェクト選び、次にそのオブジェクトに対するアクションを選ぶ
・ナビゲーションはオブジェクト(名詞形)を手掛かりにする
・あらゆる情報システム、特に作業者による探索や創意工夫が期待されるものについて有効
タスク指向UI
・動詞→名詞
・まずタスクを選び、次に引数としてオブジェクトやパラメーターを指定する
・ナビゲーションはタスク(動詞形)を手掛かりにする
・オブジェクトを選択する必要がない場合や、定型の入力手続きだけを提供する場合にのみ有効
つまりデザインという行為を正当に行おうとすれば、そこには、ある種の直観によって、論理的な推察を経ずに直接最終の形に到達する術が必要です。この創作の道筋は、抽象から具象へと論理を展開しながら可能性を絞っていくことと同じぐらい重要な、そして本質的な創造の技術です。そのような「形から入る」デザインがコンテクストとの適合をもたらすためには、根本的に、「ユーザーの要求に合わせて形を作る」という前提から翻り、「形に合わせてユーザーが要求を捉え直せる」
ようにするべきなのです。
優れた実践者が共通して言うのは、制作の非プロセス性です。それは線形でも円形でもなく、帰納的でも演繹的でもありません。少なくとも意識の上では一気に「形」に到達するのです。原因から結果を段階的に導くのではなく、結果から原因への逆推論を高速に走らせるのです。私はこの道筋を「アブダクションライン」と呼んでいます。
…一覧画面に追加と削除の機能を持たせたり、新規追加用の画面と更新用の画面を共通化することは、データベースへのCRUD機能を提供する情報システムの定石です。
…オブジェクト指向というときの「オブジェクト」を日本語に訳す場合、「物」や「対象」という言葉がよく使われます。しかしオブジェクト指向のコンセプトに照らせば、「客体」が適当だと思います。オブジェクト指向とは、システムをデザインにする際に主体(知覚する者)ではなく客体(知覚される物)をモデル化することに本質があるからです。
Posted by ブクログ
アプリケーションの画面設計に関わってる人は必読。これまで、ダメなUIをどうダメなのかうまく言語化できなかったけど、この本を読めばもう大丈夫。ダメな理由を説明できて、改善案も提案できそうだ。「銀の弾丸」はまんざらウソじゃない。
Posted by ブクログ
OOUIの考え方の基本がわかりやすくまとまっており、基本的なことは理解できたかなと思えた。初心者でも読みやすいと思う。中盤は実践演習という位置づけで具体的な設計の進め方のイメージが持てるようになっている。最後の方はGUIの歴史が書かれており、読む・読まないは別れそう。
Posted by ブクログ
哲学がしっかりしてるテーマを学べると、深いところで理解できることで「使える知恵になる感」が高い。この本はそんな感じ。
と思ったけど、事例にあるような、タスク指向デザインは、実際にはもうほとんど見ない気がする。それこそ銀行の画面やファミレスの画面などで生き残ってるだけの印象だが。それも、デザイン的な側面の不足もあるんだろうけど、ガバナンス的またはシステム側の制約によるものもあるんじゃないかなーとかは、思った。
Posted by ブクログ
オブジェクト指向UIとはユーザーが目当てとするモノを起点に設計されたUIがオブジェクト指向UIのこと。
プログラミングやデータベース設計を比較例として挙げているところがあったのが少し難解だったが、これは誰のためのUIなのかを考えるきっかけになった本です。開発の方の話もわかるとより理解度が増しそうと感じた。