あらすじ
目の前で失われてゆく命を救いたい。臓器移植を学ぶために渡米した男女三人の医師を待ち受けていたのは、過酷きわまりない現場だった。時間との闘い、そして拒絶反応。幾つもの笑顔と出会い、数え切れぬ苦さを噛みしめ、彼らは帰国。北海道で専門外科を立ち上げる。だが、日本に移植医療を根付かせるのは想像以上に困難だった。徹底取材の上に築かれた、圧巻の人間ドラマ。(解説・海堂尊)
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Posted by ブクログ
移植医療に関して、日本に移植の道を切り拓いた医師たちの話。
ピッツバーグの移植の権威セイゲルの元に移植を学びに行く日本人医師。一年で学び日本に帰る予定だったが、十年以上もアメリカで過ごし、北海道で移植医療を立ち上げることになる。
アメリカでは、脳死した人から臓器移植を行い、次の人に命をつないでいく。いかに移植やその後の拒絶反応も前向きなチャレンジとして、描かれている。激務ではありながら、一つ一つ課題を乗り越えていくポジティブさがある。異種間の移植を試みることになった患者は、人類の発展のために貢献したくなったと言う。
後半日本に帰って日本に移植医療を根付かせようとしていくが、倫理的な面や新しい変化を拒む古くからの体勢、責任を取りたくない病院諸々があり、命を救うことに向き合うことができないでいる。その中でも少しづつ体勢や理解ある人を増やしていく。
移植は単なるお金の問題だけではない多くの困難と支える多くの人々がいるということを理解させる。
話は面白かったし、知らない世界にも触れることができてよかった。長い話ではあるが、どんどん読み進める。壮大すぎて、一つ一つばらばらかなあという気もする。もう少し個々のエピソードとか深く知りたかったと思う。