あらすじ
親友との喧嘩や不良グループとの確執。中学二年のさくらの毎日は憂鬱。ある日人類を救う宇宙船を開発中の不思議な男性、智さんと出会い事件に巻き込まれる。揺れる少女の想いを描く、直球青春ストーリー!
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Posted by ブクログ
森絵都さんの作品が好きで手に取りました。
凄く好きでした。。
私は永遠の出口という作品が断トツで好きなのですが、同じくらい好きな作品となりました。
この物語の主人公は中学生の女の子さくらであり、
新学期の進路調査アンケートに「不明」と書いてしまうほど、将来に期待感などなく、ノストラダムスの予言の通り、本当に二〇〇〇年が来ないのではないかと不安を抱いています。
さくらは、不良グループとの付き合いで万引きをしたり、親友の梨利と不和を起こしたりと、人間関係に疲れていますが、宇宙船を設計しているという不思議な男性、智さんと出会い、智さんの家で飲むミルクコーヒーが安らぎのひとときです。
ただ、穏やかな日々は続かず、様々な悪い事件が起こり、さくら・智さん・梨利・勝田くん(同級生)は死に近い状況に立たされますが、未来がどんなに不安でも4人は生きました。
誰にでも凄く不安になることはあるけれど、
不安でひとりぼっちなのは自分だけではない、
自分を想ってくれる人は近くにいて困った時に助けてくれる、というメッセージを伝えてくれる作品でした。
心が弱ってしまって、自分を失ってしまいそうな時でも、自分を想ってくれる人がいるだけで、きっとなんとかなるのかなって、この作品を読んで思います。
作品後半では、売春斡旋、放火といった、強烈な事件が起きる中、ふんわり不思議な智さんも自傷行為をしてしまったり、あげくに失踪したりと、一気に不安要素が募るのですが、つきのふねへと繋がる展開は見事で、情景が目に浮かぶようでした。
甘酸っぱい青春ストーリーではない、
ずっしりとした青春ストーリーでした。
ぜひ読んでみてください!
Posted by ブクログ
一歩間違えてしまうと、心が壊れてしまいそうな大変な世の中だけど、たとえ小さくても尊いものたちに支えられて日々自分を保つことができているんだなと思えた。周りにある一つ一つを丁寧に大切にしたい。
Posted by ブクログ
YAにはいるのでしょうか。
精神を患う人を救いたいと思う中学生たち。
真っ向勝負とはいかないけれど、彼らなりの手段で打開策を考える。
芸術は繊細と葛藤に裏打ちされた証なのかもしれない。
大変な時代。誰だってくるうことはある。
森絵都さんらしい小説でした。
Posted by ブクログ
この物語の舞台は今からは少し昔の20世紀末ですが、未来を信じられない中学生の不安定で心細い気持ちは今の時代の子にも重なるものがあるのではないかと思います。けれどそんな不安な気持ちを抱えていても、自分のことを大事に思ってくれている友達は必ずいるという温かいメッセージが伝わってきました。「人より壊れやすい心に生まれついた人間は、それでも生きていくだけの強さも同時に生まれもっている。」この文章に励まされました。
Posted by ブクログ
「人間、良くなるよりも悪くなる方が楽だもんなあ」p131
「誰だって自分の中になんか怖いもんがあって、それでもなんとかやってるんじゃないのかよ」p144
「ぼくわとうといものですか?」p216
今まで、自分の救いだった大人の智さんが、薄々気づいてはいたが心の病だった。
中学生なりに試行錯誤して救おうとする。
みんなが〝疲れ〟はじめる中盤。
どんな言葉が智さんに響くのか。
露木さんを救った手紙のように拙くとも真っ直ぐに飾らない言葉で気持ちを伝える事は、当時小学生だった智さんにしか出来ない救いであったのだと思う。