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1990年に執筆された本をもっと多くの人々が読むべきであった。原発は以前から壊れて修理を何回もされており、大震災が起こったので壊れたのではない、ということがよくわかる本である。大きく壊れて被害が大きくなるまで電力会社も政府の何も言わないということである。
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3/12のUstreamの会見でとても理知的に状況を説明していたのが印象的で手に取った。出版されたのは1990年であるが、いま現実に起こっている原発災害に対して書かれたのでは錯覚するほど今日的でかつ示唆深い。
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原発について、全然知らんなと思って手に取った。原発の製造やその安全性の大部分が、一製造メーカーに委ねられているとわかって驚いた。もっと国や専門家が管理、チェックしているものかと。著者である田中さんも述べているけれども、わたしたちが最終的に頼るしかないのは、国。というか、国の決定には従わざるを得ない(自分たちで選んだ政権だしね…)。その「国」には、製造メーカーにたちうちできる、原発について精通している人(現場を知っていたり、その安全性を確かに審査できる人)が少ないんですと。あかんやん。
かといって、わたし自身は、エネルギーに依存した今の生活を見直すことができるのか。のほほんと生活している現状に、問題提起してくれた本だった。
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国会事故調査委員でもある田中光彦さんの1990年の著作。技術論から原発の危険性を問うているが、印象に残ったのは最終章で「最大の問題は、環境との関係を積極的に断ったこうした閉鎖的な人口空間をわれわれが快適と感じていることだろう。」と述べている部分だ。脱原発とは我々文明に依存した現代人の生き方の転換を迫るものだという気持ちを強く持った。
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原発系かため読み第一弾!
原発を工学的見地から分析し、国の政策、法整備、技術的水準のあり方を批判。
原発は構造的にとても脆く、様々な問題を抱えている。
ライフスタイルの転換によりエネルギー社会を脱すべき。
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[ 内容 ]
チェルノブイリの事故が世界に大きな衝撃を与えたにもかかわらず、日本の原発政策には何の変化も見られない。
日本の原発ははたして安全なのだろうか。
原発の心臓部である圧力容器の設計に携わった著者が、自ら体験した製造中の重大事故を紹介し、現在運転中の原発の問題点をえぐり出すとともに、脱原発のための条件を探る。
[ 目次 ]
第1部 ゆがみ矯正事件(どうゆがみ、どう矯正されたか;「6.28シンポジウム」の周辺)
第2部 “運転中の原発”の安全性(理論的構築物の予盾;原発の老朽化1―圧力容器の中性子照射脆化;原発の老朽化2―理論主義の危険)
第3部 原発に象徴されるもの
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
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☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
既に作ってしまった原子力プラントを、現代の安全基準にバックフィットさせることが如何に不可能なものか、よくわかる。(部分的なつけ焼き刃な対処しか出来ない)
前世紀中頃の設計の原発が、圧力容器が中性子照射で脆くなって行くがままに日本の海岸に大量に設置されている現状の恐ろしさよ!
緊急炉心冷却装置の作動が、場合によっては熱いガラスに冷水をかけるがごとく圧力容器を割ってしまう可能性があるという破局的皮肉。
この本の執筆後ではあるが、ゼネラルエレクトリックの最高経営責任者が原子力は経済的に成り立たないと明言する訳である。
使用済み核燃料の問題を別にしても、原子力をやるメリットが全くわからない。
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著者は日立の元原発技術者。
実際に格納容器の制作現場にいた人物である。
福岡第1原発の1号機は、実は曰く付きの原子炉であった。
著者がかつて在籍した呉の工場で、仕上がりに規定値を超える
歪みが見つかったため、メーカーの独断により歪み矯正を行った。
その作業は材料の脆弱性を高めて原子炉の寿命を短くする
可能性があり、非常に危険な行為であった。
しかし企業として、莫大な費用がかかる「作り直し」は
選択肢にない。納期の遅れや、それによる電力会社の損失も
大きな問題となる。
この例は特別なことではなく、
怪しげなごまかしは枚挙にいとまがない。
まったく恐ろしいモノに我々は命を賭けさせられている。
しかも自分たちの判断ではなく。
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今まで「ゆがみ矯正事件」の存在も概要も知らなかったので、私は驚きを禁じ得なかった。
老朽化している原発たち、また、原発の管理体制は大丈夫なのか、甚だ不安である。
知らない怖さ、知る怖さ
知らないから怖いよりも、知ることによる本当の怖さを得ることができる。今の日本では原発と関わらずに生きていくことは難しく、自分の身の安全を確保するために最低限の知識は持っておくべき。この本に限らず、本は著者の私見が強くなりがちなので他の本も併せて読むと良いと思う。
Posted by ブクログ
日立の系列で原子炉の設計を行っていた元技術者が書いたもの。日本における原発の問題性をきわめて適切に抉り出しているよう感じられる。
冒頭のゆがんだ原子炉とその修正の話から、原発行政、設計・運営する企業がそれぞれ大きな問題を抱え込んでいることが鮮明に浮かび上がってくる。そして、この本で非常によいと思うのが、技術者の目線によって危険性の指摘という態度を通しており、論拠が不明確な「反原発」とは一線を画しているところだ。とはいっても、この本で指摘されている危険性が的確なものだとしても、原発路線からすぐに切り替えるのは難しい。大事なのは、どこが危険なのかという「まともな指摘」に対して、原発運営に関わる全ての人がしっかりと耳を傾けることであろう、というのがこの本を読んだ率直な感想だ。