あらすじ
福島原発の心臓部である圧力容器の設計に携わった著者が、自ら体験した製造中の重大事故を紹介し、現在運転中の原発の問題点をえぐり出すとともに、脱原発のための条件を探る。チェルノブイリの事故が世界に大きな衝撃を与えたにもかかわらず、日本の原発政策には何の変化も見られない。日本の原発ははたして安全なのだろうか。
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Posted by ブクログ
著者は日立の元原発技術者。
実際に格納容器の制作現場にいた人物である。
福岡第1原発の1号機は、実は曰く付きの原子炉であった。
著者がかつて在籍した呉の工場で、仕上がりに規定値を超える
歪みが見つかったため、メーカーの独断により歪み矯正を行った。
その作業は材料の脆弱性を高めて原子炉の寿命を短くする
可能性があり、非常に危険な行為であった。
しかし企業として、莫大な費用がかかる「作り直し」は
選択肢にない。納期の遅れや、それによる電力会社の損失も
大きな問題となる。
この例は特別なことではなく、
怪しげなごまかしは枚挙にいとまがない。
まったく恐ろしいモノに我々は命を賭けさせられている。
しかも自分たちの判断ではなく。