あらすじ
美しい異国の蝶が天井を埋めた部屋で殺害されていた男。何のために蝶の標本が天井に移されたのか。鮮烈なイメージの表題作ほか、小指ほどの小さな鍵の本当の用途が秘書殺しの謎を説く「鍵」など、おなじみ有栖川・火村コンビの名推理が冴えわたる傑作ミステリ全6篇。読者待望の〈国名シリーズ〉第3弾!
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
有栖川有栖のイイとこ取り
どの作品もトリックが意表をついてて面白い。
そして人物もまた個性豊かで楽しめる。
蘭ちゃんなんてどこで会えるのか知りたいくらい。
最後の『蝶々がはばたく』が特にすごく好き。
まず、人が死なない。
初老の男性から投げかけられたひとつの謎に推理小説家脳を遺憾なく発揮するアリス。
冒頭出てくるバタフライ効果と解決がうまく絡み合っている。
阪神淡路大震災直後に書かれたことに作者の愛情を感じる。
Posted by ブクログ
1999年。再読。
確かにエラリークイーンの国名シリーズに南米はなかった。蝶といえばバタフライ効果。風が吹けば桶屋が儲かる。
「ブラジル蝶の謎」蝶々を収集する男が殺された。火村初期の話なので、フィールドワークの理由が語られる。
「妄想日記」何故死体は焼かれなければならなかったのか。ほー
「彼女か彼か」ジェンダー系は今にするとあたらしくはないけれど。浅はかな殺人だなぁ。
「鍵」なんの鍵なのか?
「人喰いの滝」おどろかすつもりが転落。長靴~
「蝶々がはばたく」20代のころ行方不明になった男女を、新感線の中から見た。孫といっしょで幸せそうだった。チリ地震があったから駆け落ち成功した男女。絶望の果てにも希望が見える話。これで星4つをつけてしまった。
Posted by ブクログ
国名シリーズ第3弾。表題作を含む6篇からなる短編集。
今回も楽しく読ませてもらいました。
表題作の「ブラジル蝶の謎」が最も印象的でした。殺人事件の現場の天井に、色とりどりと羽を広げた美しい蝶々の標本が何十匹もいた。びっくりして誰でも天井を見上げてしまうでしょう。それが犯人の意図するところだったとは。
「彼女か彼か」の本筋も良かったですが、バー(?)の蘭ちゃんが個性的で面白いキャラクターでした。
最後の「蝶々がはばたく」は殺人が起きるわけでもなく、日常の謎に近いストーリー。ただ、ラストに阪神・淡路大震災が出てきて衝撃的でした。そういう時代に書かれた作品なんですね。
以下、収載作品。
ブラジル蝶の謎
妄想日記
彼女か彼か
鍵
人喰いの滝
蝶々がはばたく
Posted by ブクログ
私の好みは「妄想日記」と「蝶々がはばたく」かな。
失語症の話は読みやすかったし、最後の燃やされた理由はドキッとした。
蝶々は少々間の悪いアリスがかわいかったし、東日本大震災があった上で読むと、少し心がギュッとなった。
Posted by ブクログ
第3弾
「ブラジル蝶の謎」天井いっぱいの蝶。想像しただけで怖い。色々時代を感じる部分。
「妄想日記」 「彼か彼女か」複雑… 「鍵」缶詰アリスと火村のお話 「人喰いの滝」 「蝶々がはばたく」 ふたりの掛け合いがたくさん感じられる。 国名の中では印象が薄いのか、やっぱり長編が好き何だな。
Posted by ブクログ
火村シリーズ4作目かな?短編集。
短編集でも普通に一作一作がおもしろいんだけど、トリックの粗が気になったかも…
『妄想日記』、あんなにしっかり創作文字が資料として出たから意味があるのかと思ったのに意味ないんかーい…
でも焼死体になったことに関してはちゃんと理由があって、さすが有栖川有栖!てなった
『彼か彼女か』、火村が嘘と見破った場面、ニューハーフのひとなら永久脱毛してるだろうから髭は生えないだろ…って思ったけど時代的にまだそんな脱毛はメジャーじゃなかったのかなあ?
Posted by ブクログ
(短編)国名シリーズ3火村&有栖シリーズ6
ブラジル蝶の謎
妄想日記
彼女か彼か
鍵
人食いの滝
蝶々がはばたく
あとがき
文庫版あとがき
著作リスト
解説 椎谷健吾