【感想・ネタバレ】五・一五事件 海軍青年将校たちの「昭和維新」のレビュー

あらすじ

昭和恐慌下、民衆が困窮を極める中、政党政治の腐敗を憂える海軍青年将校らが起こした五・一五事件。首相を暗殺し、内大臣邸・警視庁を襲撃、変電所爆破による「帝都暗黒化」も目論んだ。本書は、大川周明、北一輝、橘孝三郎、井上日召ら国家主義者と結合した青年将校たちが、天皇親政の「昭和維新」を唱え、兇行に走った軌跡を描く。事件後、政党内閣は崩壊し軍部が台頭。実行犯の減刑嘆願に国民は熱狂する。昭和戦前、最大の分岐点。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

五一五事件前後の政治過程、青年将校たちのメンタリティや思想がきめ細やかに描かれた名著。天皇の下の平等を目指した思想は、陸軍統制派による軍部独裁政権とも反目した。それにしても、五一五事件があれ程場当たり的だとは知らなかった。クーデターというよりは、明治維新の先駆けとなった桜田門外の変を模したイメージか

0
2020年05月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

当時は不況で、農村では娘を売ったり、戦争に行った息子には年金がほしいからお前は生きて帰るななどと実の親が手紙で伝えていたりと、いう世相があった。不況にあえぐ国民がいる一方で、財閥など裕福なものもあり、それは財閥をより富ませる政治がゆえという認識が一部にはあった。

藤井斉という人物に影響を受けた三上卓という人物を中心に据えている。
五・一五事件は事件後一年間、報道を禁じられたという。その間は調査に当てられており、世間的には犯人擁護の論調はなかった。一年後に解禁され、報道が青年将校の哀訴を報じ、国民感情が減刑嘆願に傾く。犯行を暴挙として報道した少数の新聞は批難され、書き手が退職に追い込まれたりもした。

そこまでのことは人物を中心に、非常に詳細に語られている。小説風であり、言ってないことも補完されていると感じられる筆の冴えが見受けられる。

五・一五事件が日本の進路を決定的に変えたというが、政党政治の中断には昭和天皇の意向があった。西園寺公望はそれを受けた、という。これらには隔たり、または飛躍が感じられる。藤井だ三上だと語りながら、天王のご意向により、などと言われては、いずれの影響が大であるか。

他の本を読んだときにも、こんな雑な計画が良くも奏功したものだと思ったものだ。消化不良感がずっとあり、解消を求めたが、まだすっきりしない。

0
2026年04月05日

「学術・語学」ランキング