あらすじ
街路に残る古跡や廟、人びとに愛される名物料理、信仰と祭り――。「美麗島」とも称される台湾に、今も息づく独自の文化。その伝統は一六二四年のオランダ統治以来、鄭氏、清朝、日本、国民党に至るまで、各時代の外来政権との関係によって形作られてきた。本書では、激動の台湾を生きた人びとの視点から、四百年におよぶ歴史をたどる。台湾をより深く知るための案内を豊富にまじえて、多様な文化の魅力を活写する。
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Posted by ブクログ
多民族で政治も外から来た人たちが仕切ってたけどやっと台湾に住んでる人たちが自分たちのための政治ができるかもというところまで
いままた危うくなってきてるけどがんばってほしい
Posted by ブクログ
台湾旅行の前に、ただの観光地として旅をするのではなく、少しでも台湾という国を知りたかった。
台湾の歴史と文化という直球かつ真面目なタイトルに惹かれ、ためしに読んでみようと選んだが大正解。
教科書的なタイトルから想像もできないほど、400年の歴史と複雑な民族や文化がとてもわかりやすく、そして興味深く読めた。
ただ歴史が書いてあるのではなく、日本統治期を生きた台湾の知識人たちの人生を通して台湾の近代を描いており、特に日本統治期の最後期から中国共産党統治への変換期は、あまりに激動で過酷で、泣きそうになってしまった。
日本人や台湾人の様々な著作も紹介されており、次に読みたい本も見つかったし、行ってみたいところもできた。
ただ日本人が一方的に親日、という言葉を信じるには無知というもので、そんな簡単じゃない、申し訳ない、という気持ちにもなり、そういう意味で視野も広げることはできたように思う。
最後に、筆者の方の、ただ造詣が深いというだけでなく、淡々とした文章の合間から台湾への深い思慕が感じ取れました。素晴らしかったです。
Posted by ブクログ
歴史、文化、宗教、地理が非常にわかりやすく書かれていて多くの学びある。
『ときに人がすれ違うに困難なほど狭い路地がある。「九曲巷」や「模乳巷」(胸が触れ合うほどの狭さの路地)といった名称も楽しい。』などちょっと笑える知識も手に入る。
巻末に次に読むべき本が綺麗に分類されて紹介されているのもありがたい。
Posted by ブクログ
台湾の歴史が知りたくて読んだ。歴史は17世紀かららしい。まず先住民が16~20グループもあったことに驚かされた。その共通語日本語だったらしい。日本では江戸時代は寺子屋が私塾があったが、台湾では富裕者は家庭教師、他は塾(書房と言われた)だったらしい。それが公学校が作られたので、共通語が日本語になったらしい。日本語が堪能なものは普通に、小学校、旧制中学、旧制高校、大学と進んだ。先住民の言葉は南太平洋全般に通じたらしく残留日本兵の中村さんは先住民族出身である。このこと(言語の類似)は、「鉄・病原菌・鉄」でジャレット・ダイヤモンドも述べている。大正デモクラシーの結果、郷土史、民俗学がよく研究され、それが現在の「私は、台湾人である」という意識を作ったらしい。
Posted by ブクログ
台湾の歴史をなぞりながら、先住民に始まり、移民国家としての宗教、民族などの軌跡を、日本人・台湾人作家などの視点なども含めて描き出した台湾の魅力を伝えた新書。
Posted by ブクログ
日本統治時代の台南を舞台とした一冊。学術書というよりはエッセイに近いです。
日本統治時代の日本人知識人や日本人と繋がりのある台湾人たちの視点から見た台湾像が描かれています。統治時代の台南周辺に興味のある方におすすめ。網羅的に歴史を述べたものではありません。
Posted by ブクログ
戦前の台湾の歴史を民俗、風土、伝統宗教、
少数民族などに着目してまとめてある。
台湾に一度行ってみたいなと思って
手に取ったものだったが、もう、全然知らないこと
ばかりで申し訳なることばかりだった。
恥ずかしながら、屋台の料理がおいしくて、
あとかき氷やタピオカとか、あと親日らしい、
ぐらいしか知らなかったので、日本統治時代や
太平洋戦争の時の徴兵など、え~!?と思うこと
ばかりだった。よくこんなんで親日してくれてますね
台湾さん。後藤新平が割と近代化頑張った感じですか?
昔の民俗学者や文豪の小説などから引用されていたり、
少数民族にフォーカス当てられていたり、
ちょっと他の台湾の歴史書とは毛色が違うみたい。
正直台湾の歴史の入門書って感じでは無いと思う。
しかし新書で読みやすく、興味は大いに湧いたので
これを機に他の台湾史も読んでみたいと思わせる
内容だった。また読み返したい。
Posted by ブクログ
本書は、ある特定の人物たちにスポットをあて、日本占領時代とその後の歴史と生活、少数民族との関わりについて描いている。
まえがきにもあったように、ある程度台湾の歴史を知ったうえで読むほうが楽しめるだろう。
私自身、台湾の歴史に対する理解は浅いので、知識を深めたうえでこの本をまた読みたいと思った。
Posted by ブクログ
果たして中国ほど詳しく台湾を、日本人はあまり知らないのではなかろうかと思い手に取った一冊。勿論この一冊だけで理解はできるほど容易くはない。オランダ、鄭成功、清、日本、国民党と色々な政権の影響を受け、また単純に先住民と一括りには出来ないほどの多種多様性を持っていることを考えさせられ、現在は日本寄りではあるものの、日本統治時代が「綺麗」に治めていたものではないことも知り得た。
多くの血が流れ、それでも逞しく台湾人として生きている今において、そのような経験を得たことが確実に東アジアにおける鍵となる国となるであろう。