あらすじ
購入したばかりの新居に妻と幼い息子を残し、
埼玉から神奈川の藤沢へ単身赴任中の四十代の大手スーパーマーケット副店長の藤沢太郎。
ある日突然、彼の元に押しかけてきた自称「魔法少女アリス」と、
げっ歯類を思わせる小動物の姿をしながら喋る「まるるん」。
叩き出すわけにもいかず、アリスの魔法の修行に付き合い、渋々同居する羽目になる。
そんなある日、家で大人しくしているはずのアリスが職場(スーパー)に現れる。
おまけに、店にくるちょっと事情のありそうな少年と仲良くなっていたり……。
栄転間近だったはずの藤沢の運命は?
日本ファンタジーノベル大賞出身作家が紡ぐ、ファンタジーでもライトノベルでも無い、ねじくれ家族小説。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
またしても越谷オサムにやられた!
中規模スーパーマーケットの副店長の家に現れた見習い魔女と相方の小動物が起こすドタバタ劇。なんだか「魔女の宅急便」の劣化コピーを読まされているような前半中盤。
どうした、越谷オサム?こんな小説書いてていいのか?こんなのをあと半分も読むのはツラいぞ。と思っていた矢先、270ページあたりから急激にギアをあげていく。退屈版「魔女の宅急便」のようにみせかてていた伏線を怒涛の勢いで回収していく中後半からクライマックスの見事さ。そう、俺はこういうの読みたかったんだ、これを読むための我慢ならあの前半中盤は許せるよ。
この前に読んでいた本が本(感応グラン=ギニョル)だっただけに、ドストレートに苦しみや痛みやそういうものに抗い、弱者を守る善人たちの話を読めて、余計にすっとした!
Posted by ブクログ
藤沢太郎
大手スーパーマーケットチェーン「ホリデー」藤沢店の副店長。満四十一歳。小学一年生の息子を持つ。単身赴任。
奥村
藤沢の古い友人。藤沢署の生活安全課の刑事。
藤沢久美子
太郎の妻。太郎の五つ年下。
藤沢拓弥
太郎の息子。
アリス
空を飛んで太郎のアパートに突っ込んできた。見習い魔法使い。太郎の部屋に居候する。
まるるん
アリスを補佐する相棒。お目付け役。
水嶋冨美子
太郎が住むアパートの一階の住人。
伊東
「ホリデー」の新入社員。
増岡
「ホリデー」の婦人服担当の女子社員。三歳の娘がいる。三十二歳。
飯島
「ホリデー」の店長。
岡島
「ホリデー」のサービスカウンター担当。
柳田
「ホリデー」勤続二十五年のベテランパート従業員。
れいぶ
立花麗舞。「ホリデー」に一人でいる子供。
徳永
「ホリデー」の警備員。
山下
太郎が面接して採用したアルバイトの学生。
立花典子
れいぶの母親。
藤本
「ホリデー」の趣味と暮らしのフロア担当。
川上亜璃澄
十二年前奥村が交番勤務だった頃に虐待されていた二歳の女の子。
Posted by ブクログ
満月の夜に、14歳の見習い魔法使いアリスが、単身赴任してるスーパーの副店長のところに飛び込んでくる。次の満月までにいくつかの魔法を習得しないと、魔法使いになれない、それはあの世に行くということ。魔法使いたちがなぜ魔法使いになるのかは悲しい過去がある。アリスも親に愛されなかった過去があるけど、素直で明るくみんなに愛される。親に愛されなかった分、副店長をおとうさんと思って。
次の満月が来て、ギリギリ魔法の習得が間に合って、月に向かって飛んでいった。それからは皆の前には現れないけれど、姿を消して人を助けているのだろう。おまけで水島のおばあちゃんのところにも魔法使いになった娘さんがたずねてくれた。
Posted by ブクログ
最初から中盤くらいまでは理不尽な目に遭う副店長と魔法使いを生温かく見守っていましたが、中盤を過ぎたあたりで色々判明してからは一気に読んでしまいました。まるるんってなんだとか思っててごめんなさい。