あらすじ
あらゆる悩み相談に乗る不思議な雑貨店。そこに集う、人生最大の岐路に立った人たち。過去と現在を超えて温かな手紙交換がはじまる……張り巡らされた伏線が奇跡のように繋がり合う、心ふるわす物語。
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Posted by ブクログ
久しぶりの東野圭吾を読んでみたり。
『マスカレードホテル』まではしっかり読んでたから、意外と10年以上空いていたのか…。時を経ても変わらない面白さ。さすがだねー。
悩み事があれば、どんな問いでも真面目に向き合う「ナミヤ雑貨店」。
時系列やタイムトラベルに似たトリック(?)があるものの、この物語の本質は「人助け/救い」なんだろうなぁ。
「ひとは一人で勝手に助かるだけ」とは『化物語』のセリフで、これはまぁそれなりに本質を言い当てている。
救いとは自分から見た世界が良い方向に変わることを指すのであって、物質的に満たされたりすることとイコールではないからだ。お金があっても救われない人間もいれば、物事が何一つ好転していなくても救われる人間だっている。
「ナミヤ雑貨店」に届く悩みも正しくそうで、最後の晴美への手紙以外は状況を変えたわけじゃない。相談と言いながら、進むべき道はすでに決まって後押しが欲しかったのもそうだろう。
だけど一方で、自分の悩みに真摯に向き合ってくれる人間がいるということ。
「誰かが、誰かを助けるなんてことはできない」けれど、その荷物の重さで倒れそうな体は支えることができる……かもしれない。
些細な善性が世界を巡る、そんな奇蹟のお話でした。
いや、むしろ奇蹟とは、そんな小さな働きの一つ一つが重なって生まれるものなのかもしれないね。
Posted by ブクログ
短編集なんだーと思って読み進めていたら、前に出てた人が出てきたり出会ったりがあって面白かった。
相談への回答を、あの子達が書いてることを思うとホッコリした。
自分も手紙で相談してみたいなぁ。