あらすじ
感染症専門医の第一人者が
語る感染不安への処方箋
ダイヤモンド・プリンセスに
なぜ私は乗船し、追い出されたのか
動画公開に至るまでの顛末
本書は、新型コロナウイルスの正体と感染対策を
これ以上なく分かりやすく解説した決定版です。
感染症パンデミックとなったいま、世界中の人々が
過剰にパニックを引き起こすメカニズムまでをも理解できます。
そんなとき、組織はどうあるべきか、個人はどう判断し行動すべきか。
「危機の時代を生きる」ための指針に満ちています。
【目次】
第一章 「コロナウイルス」って何ですか
第二章 あなたができる感染症対策のイロハ
第三章 ダイヤモンド・プリンセスで起こっていたこと
第四章 新型コロナウイルスで日本社会は変わるか
第五章 どんな感染症にも向き合える心構えとは
【自分と家族を守る感染症対策の鉄則】
◎新型コロナウイルスは空気感染するの
◎このウイルスがタチが悪いとはどういうこと
◎手洗いやうがいで本当に感染は防げるの
◎感染対策にマスクは効果ないって本当
◎若者がウイルスを拡げているの
◎満員電車には乗らないほうがいいの
◎PCR検査で正しい結果がでるのは6割!?
◎なぜ世界中でパニックになってしまったの
◎なぜ医療崩壊してしまう国が出てきたの
◎感染症パンデミックは本当に収束するの
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このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
簡潔でわかりやすい内容。
分量も多くないのでスラスラ読めます。
コロナに関して、医学的に最低限知っておいた方が良いことが網羅されてると思います。大事なのは「マスク」ではなくて、「手洗い」と「距離」。
あと、厚労省の体質もしっかり描かれている。
ダイアモンド・プリンセス号のYoutube動画は観ましたが、こんな背景があるとは知りませんでした。まさか、筆者が2時間で現場から追い出されてたとは・・。
ダイアモンド・プリンセス号の中が筆者の書いた通りだとしたら「大失敗」としか言えない。それを成功と呼べる神経は、まさに「幻想」を「現実」と思い込むことを繰り返し続けた末に構築されたものなんでしょう。そんな人たちが、現在なお進行中のこの危機に対して、適切な対策を行えるとは思えない。20年以上前の薬害エイズのときから何も学んでない。
マックス・ウェーバーが言うように、官僚システムでは公共の利益ではなく所属省庁の利益にまい進することになる。しかし、「過ちを認めない」のは、日本の官僚独自の特徴だと思う。先の大戦のときから本当に何も変わっていない。「反省」をしていないので。
メディアに関しても少しだけ書いてあったが、「事実」ではなく「願望」を報道する、というのはその通り。大戦時の大本営発表と同じ体制を、メディア自身が現政権と協力して作り上げたわけだし。
コロナ対策として個々人で何をすべきかは、この本を読めばほぼわかると思いますが、日本社会全体を改善する道は、筆者が最後に書いている通り、これからも「考え続けていくしかない」と思います。
Posted by ブクログ
新型コロナウィルスについて、とても分かりやすく説明されています。
岩田先生は感染症の専門家なので、その分かりやすさに誠実さを感じました。
1章、2章で新型コロナウィルスとは何か、そして罹患しないためのイロハが書かれています。この2章だけでも十二分に価値ある内容だと思いました。
正しく診断ではなく、正しく判断というのは、とても合理的だと思いました。インフルエンザも同様ですが、検査キットは100%正しい結果を出せるものでは無いというのは知りませんでした。故に「正しい判断」をすると言う事にすごく納得させられました。
故に、インフルエンザで診断書を出して出社可能とする事も、あまり意味がないことがよく分かりました。
3章、4章はすごく荒いまとめ方をするなら、問題と向き合う際の合理的な作法を提示してくれていると思いました。違う言い方をするなら、反知性主義に陥らない知性的な振る舞いについてです。感染症には科学的な知見に基づいて対応しないといけないのに、いかに私たちが情緒的な振舞いに終始しているかを考えさせられました。
あとがきで、今回はライターさんに文字起こししてもらった事を述べられており、正直な先生だなぁと思いました。一方で一日も早く上梓される事に注力された事も伝わってきました。一市民として緊急出版して頂き感謝しています。
Posted by ブクログ
政治的概念はさて置き、「感染症」としてどうすべきか、どう対応するのが適切か、という感染症の基礎知識から、ダイヤモンド・プリンセス事件の真実、そしてこれから…もうまさに「今」どうすべきかという内容が綴られていました。突貫工事の如く仕上がった本ですが、医療従事者ではない一般の方にも是非読んで欲しい1冊です。勿論医療従事者の(特に)感染に携わってない人も是非。
YouTubeの動画、その後の岩田健太郎氏のツイート、フェイスブック、清潔ゾーン不潔ゾーンが素人が見てもぐっちゃぐちゃだったあの誰かさんのツイートの写真を思い出しながら読むと、より一層深まりますので、この本を読む前に見ておくとよいかと思います。
現在は医療従事者が大変だと言えばいいと思ってるのか、みんな口を揃えて言ってますが(勿論大変なのは私自身も経験してますので誰よりも理解しているつもりです)、個人的には医療従事者を目指す人々がコロナ騒動で怖気づいてしまわないかが心配です。
政府の対応の仕方によっては未来の医療従事者を失いかねません。今回の新型コロナウイルス感染症に対して政府が向き合ってきたことが、どこが正しくてどこが間違ってるのかもわかります。テレビやマスコミらに振り回されて疲れてると思います。そんな人にもこれをすすめたい。