あらすじ
直木賞候補&第五回高校生直木賞受賞の傑作短篇集
別れた男の片腕と暮らす女。運命で結ばれた恋人に会うと体に咲くという花。幻想的な世界がリアルに浮かび上がる繊細で鮮烈な短篇集。
解説・千早茜
※この電子書籍は2017年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
7年の短編集
どの短編も独特の世界観で引き込まれてしまう。
一つの話を読み終わるたびに、ため息が出る。
あり得ない世界なのに、どこか、この世界に指一本でぶら下がって繋がっているような感じ。
誰かの腕の温かさだけを求めていたような。
愛しい人から何か自分だけが見えていたような。
遠くの美しいものに触れずにいるような。
狂おしくて、愛しい人を食べてしまうような。
愛情の行き先と表現を忘れてしまったような。
愛情の距離感がつかめなくなったような。
世界で生きる意味を探すような。
不思議で、どこか不器用だけれど、どれも心の端にグッと指の跡をつけるような愛でした。