あらすじ
〈津波監視システム〉は実現できるのか?
はぐれ研究者たちの情熱溢れる理系エンタメ!
「津波監視システムの実現に手を貸して欲しい」。
東日本大震災後、地震研究所を辞めた準平は、学会で異端視されている武智に誘われる。
海洋工学や観測機器などのエキスパートだが個性が強すぎて組織に馴染めない“はみ出し者”たちと、準平は前人未到のプロジェクトに挑むか……。
研究者の情熱ほとばしる科学エンタメ!
解説・巽好幸(神戸大学海洋底探査センター教授・センター長)
※この電子書籍は2016年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています
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Posted by ブクログ
東日本大震災を予測できなかった過去に忸怩たる想いを持つ科学者連中が集まって津波予報システムの構築を目論む科学エンタメ小説。
はぐれ者たちが集まって完了を含む大きな組織に邪魔されながら目的を遂行するという骨子は、水滸伝的というか判官びいきな日本人好みと言える。ただ池井戸潤なんかが擦りまくっているパターンなので少し食傷気味かなぁ。ドラマ化するには良いと思うが、公的機関と官僚をヒールにしてる分民放好みかな、やとしたらオモロないかも。
科学的知見と人間ドラマの配合度合いが絶妙なのは、さすが伊予原新。安易に恋愛イベントを突っ込まないのも好感が持てる。
贅沢を言えば、ストーリーがどこかで何回か読んだような定番さ。安心して読めるとはいえ、もう一工夫あれば満点つけたんだけどなぁ。