あらすじ
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人気シリーズ「乙女の本棚」第15弾は中島敦×イラストレーター・ねこ助のコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。
「その声は、我が友、李徴子ではないか?」
袁傪は旅の途中、旧友の李徴と再会した。だが美少年だった李徴は、変わり果てた姿になっていた。
中島敦の『山月記』が、書籍の装画、ゲーム、CDジャケットなどで美麗な人や獣を描き本シリーズでは新美南吉『赤とんぼ』を担当する大人気イラストレーター・ねこ助によって、鮮やかに描かれる。
名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
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Posted by ブクログ
いい(´∀`)♪
唐代の中国を舞台に、詩人になる夢を果たせずに虎になってしまった李徴という男が、かつての友人である袁傪に自分の運命を語るという物語です。
李徴は若くして科挙に合格しましたが、自尊心の高さから役人の職を辞めて詩人として名声を得ようとしました。しかし、詩作に没頭するあまり家族も顧みず、文名も得られず、貧困に苦しみました。再び役人として働くことになりましたが、出世した知り合いや後輩の命令に耐えられず、発狂して山へ消えてしまいました。そして、いつの間にか虎の姿に変わってしまいました。
袁傪は監察御史となって旅をしているとき、李徴が虎になったことを知ります。李徴は茂みから出てこないまま、自分が虎になった理由や苦悩を告白します。李徴は自分の「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」、「怠惰な詩業」が原因だと気づきます。李徴は袁傪に自分の詩と妻子への計らいを託し、姿を消します。
以上が山月記のあらすじです。この作品からは、人間として生きることの難しさや美しさを学ぶことができます。
偶因狂疾成殊類 災患相仍不可逃
今日爪牙誰敢敵 当時声跡共相高
我為異物蓬茅下 君已乗軺気勢豪
此夕溪山対明月 不成長嘯但成噑
偶然にも狂気で異なる生き物になってしまった 災難が次々とやって来て逃れられなかった 今日、私の爪と牙に敵う者は誰だろうか? あの頃は名声と尊敬を得ていたのに 私は今や雑草の下の異物 あなたはすでに高い地位に上り詰めて力を持った 今夜、私は山と川の明るい月を見つめる 長い詩を歌うこともできず、ただ吠えるだけ
(ChatGPTにて)
人生、友情、苦悩...
時代設定が唐代の為、「乙女の本棚」シリーズとはいえ、少し読みにくい文体でしたが、それを補って余りあるねこ助さんのイラスト。
この世界観、いい♪
人気シリーズ「乙女の本棚」第15弾は中島敦×イラストレーター・ねこ助のコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。
「その声は、我が友、李徴子ではないか」?
袁傪は旅の途中、旧友の李徴と再会した。だが美少年だった李徴は、変わり果てた姿になっていた。
中島敦の『山月記』が、書籍の装画、ゲーム、CDジャケットなどで美麗な人や獣を描き本シリーズでは新美南吉『赤とんぼ』を担当する大人気イラストレーター・ねこ助によって、鮮やかに描かれる。
名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
内容(「BOOK」データベースより)
中島敦の『山月記』が、書籍の装画、ゲーム、CDジャケットなどで美麗な人や獣を描き本シリーズでは新美南吉『赤とんぼ』を担当する大人気イラストレーターねこ助によって、鮮やかに現代リミックス。人気シリーズ「乙女の本棚」の第15弾が登場。小説としても画集としても楽しめる魅惑の1冊。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
中島/敦
明治42年(1909年)東京生まれ。東京帝国大学卒業後、教員生活を経てパラオ南洋庁への勤務をしながら執筆活動を行う。喘息のため33歳で病没
ねこ助
鳥取県出身のイラストレーター。書籍の装画、ゲーム、CDジャケットなどのイラストを手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズから、中島敦さんとねこ助さんのコラボ作品「山月記」です。ねこ助さんの奇麗な虎と女性のイラストが表紙!ねこ助さんってスゴイなぁ…前の「赤とんぼ」もだけれど、本当に奇麗で繊細なイラストですよねぇ…。でもね、読むぞと思って…ページを開くと異次元(^-^;)。参った…やってしまったも…、難しくって読みきれないかも、と不安を抱えながらも読んでみました。
物語の舞台は中国…李徴は詩人としての成功を夢見ていたがうまくいかず、妻子にも苦労をさせるほどその生活は逼迫したものに…李徴は夢をあきらめ一官吏として地方に赴任したが、やがて発狂し姿を消してしまう…。そんな李徴の存在に旧友の袁傪が気付き、「その声は、わが友、李徴子ではないか?」と声をかけ、虎の姿に変わり果てた李徴の心の内を聞くことになる…。未発表の詩を書き留めてもらい、また残してきた妻子のことを袁傪に頼む李徴…。李徴曰く、常に人との接点を持たず閉じこもってきた結果でであって、「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」の成れの果てが、この虎の姿だと話す…。ラストが切ないなぁ…李徴の気持ちを思うとね…。
人間だった時の記憶が徐々になくなり、獣に自分がなっていく恐怖心は推し量れそうもありません…。でも、自分の力を過分に評価せず、人とのつながりを大事にしていくことが必要なんだと思えました。
Posted by ブクログ
高校の時、現代文か何かで読んで衝撃的だった話。今読んでも秀逸なのがわかる。文語体の一言一句が、心に共鳴する。
虎になったのは、自分の所為だと語る李徴の物悲しさよ…そして虎になっても、詩作に耽る李徴の傲慢さよ…人生を捧げるほどのことがそこにはあったのだろう。自分はどうだ?全てを打ち捨ててでも、やり遂げたいことがあるか?ああ、あるとも!やってやろうではないか!
人生、何も成し遂げないには長すぎるが、何かを成し遂げるには短すぎる。結局はやれることをやるしかない。そして、横で比べて卑下しないことだな。いや、それができれば苦労はないけど。
華麗な挿絵に関しては、特にコメントはない。まぁ今時の子どもに手に取らせるためには必要なのかもしれない。絵としてはとても美しいが、文学にとっては蛇足でもある。
Posted by ブクログ
教科書にも載ってたな、中島敦の『山月記』。割と好きな作品で、国語の授業でも楽しみだったけど、、、改めて読んでみると、また違った印象で面白かった。
李徴さん、確かに人としてはなかなかダメな感じの人。そのダメさが転じて虎になっちゃう、という発想になるところが、中島敦のすごいところ。
イラストも素敵だったけど、文章の内容とは多少ズレてて残念。ま、イラストはイラストで楽しめは良いのかも。小説からインスピレーションをもらって、ってことであれば素晴らしいです。