あらすじ
ようこそ旧人類(うすのろ)ども。これは結城ぴあの――人類の恩人、科学の歌姫、最後のアイドル――の物語だ。男の娘の貴尾根すばるは、電子部品を買い漁っていた不思議な少女と知り合う。彼女の名は結城ぴあの、突然変異的な超天才だった! 閉塞したリアルを打ち破る、山本弘・ハードSFの最高到達点!
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
凄い読後感。とてつもない青春(恋愛)小説である作品でもあると感じた。
太陽フレアの影響で、計画が頓挫しそうになるも、その天才的発想でその困難を突破する科学者「結城ぴあの」。
この少女が最後まで科学に、宇宙に一途なのが魅力だと思う。
お互いに一途であるが故に、先天的に必然的に結ばれることのない一方通行の恋。
最後はあまりにも切なかった・・・・・・・。
Posted by ブクログ
面白く、知的好奇心をくすぐられ物理学好きとしては終始ワクワクさせられたことは確かだが、個人的には好きになれない話だった。若い女性が大学にも行かず、宇宙を目指すためにひたすら自力で研究し、その資金を集めるためアイドル活動をするという夢に満ちた物語で、その過程はすごくワクワクしたが、主人公のキャラクターが好きになれなかった。天才故のコミュ障であっても、いろんな人との関わりで、人間への見方が変わっていくなど、物語を通して心の成長があって欲しかった。もちろん、自分の宇宙への夢は芯として持っていて変わらない部分もあって良いが、主人公は終始利己的で人間を常に見下し、利用して自分の目的を叶えてしまったことが残念。こういうマッドな女性の話としてある意味キャラクターのぶれがないとも言えるが、利己的な部分が目立ってしまったのが残念。人を好きになるように宇宙を好きになっていいし、そういうサイコっぽいキャラでもいいのだが、だったら嘘をついたり人に助言を求めたり、協力してもらったり他人を巻き込まず、自分の力だけで達成してほしい(もちろん宇宙に行くのは不可能に近いかもしれないが…)ずっと支えてくれていたすばるを裏切ったり、自分への資金提供者を裏切ったあげく協力するよう脅し、人間は頭悪くてイライラするなど、いじめがあったから非人間的になったのではというすばるの途中の推理と裏腹に最後まで人間らしい姿を見せてくれなかったのが残念だし、後味が悪かった。