【感想・ネタバレ】漢字再入門 楽しく学ぶためにのレビュー

あらすじ

漢字の宿題が苦痛だった人も多いでしょう。小中学校では約二千字の漢字一つひとつについて、筆順、とめ・はねなどの字形、音読みや訓読み、部首などを習います。しかし、漢字を学び、楽しむために本当に大事なものとはなんでしょう。漢字学の第一人者が、漢字の意外な成り立ちや読み方の歴史、部首のふしぎなど、学生時代に知っておけばよかった知識を伝授し、真に必要な知識を解説、さらに望ましい漢字教育を提言します。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

漢字再入門
楽しく学ぶために

著者:阿辻哲次
2013年4月25日発行
中公新書

漢字の数
日本で出版されている最大辞書「大漢和辞典」は5万305字。中国では「漢語大字典」全8冊に6万370字。「中華字海」には8万5568字。

中国は元素周期表も漢字

日本人が作った和製漢字は「国字」という。鯛、鰤、鰯、鮪、畑、榊、峠など

論語に使われている漢字は1355種類。詩人では李白が3560種、杜甫は4350種。日本の携帯電話で使えるのは6355種。

とめ、はね、は区別すべき?
例えば、「干」と「于」などは区別すべき。これは別字。しかし、木へんははねてもよく、手へんははねなくてもいい。これで×をつける先生は、漢字に自信がなく、印刷文字だけを頼りにしているからだろう。

木版を使った印刷文字の「明朝体」を作るときのデザイン上の問題で木へんはなねない、手へんははねるとなっただけであり、正しい形から逸脱しているものがある。印刷より正式とされた手書きの「楷書」を見れば、中国の有名書家の文字でも木へんをはねているものが多くある。

唐代の楷書の名手「顔真卿(がんしんけい)」が書いた「格」も木へんははねている。テストで×をつけられたら先生に「顔真卿(がんしんけい)」の文字を知らないのか、と言えばいい。

小学校の教科書は教科書体、中高は明朝体で印刷されている
フォントのデザイン上の違いにより、「令」「比」「衣」「氏」など、混乱が起きている。教科書体だと「令」の下の部分はカタカナの「マ」となる。「比」の左側は教科書体だとカタカナの「ヒ」に近く、全体で4画だが、明朝だと5画に見える。衣、氏も、明朝だと一画多く見えるが、教科書体で書かれた画数が正解。

呉音、漢音、唐音
日本に読みかたが入ってきた時期による違い。5~6世紀ごろ呉音が入ったが、その後、中国の体制が変わって唐となり漢音が入ってきた。8世紀、桓武天皇は混乱を避けるために漢音に統一することを推奨した。しかし、日本においては呉音の一部が残った。
その後、平安中期に唐音が入る。唐代ではなく、宋、元、明、清代

「和尚」をなんと読むか?
鎌倉時代以後に伝わった曹洞宗、臨済宗、黄檗宗は「おしょう」、鎌倉以後に成立した浄土宗や浄土真宗も「おしょう」という唐音で読む。
平安時代に成立した律宗や法相宗、真言宗では「わじょう」と呉音。
天台宗や華厳宗は「かしょう」という漢音

書き順
時代や道具(筆、篆刻など)によって違う。日本と中国とも違う。
日本では「右」は「ノ」から、「左」は「一」から書けと習うが、中国ではどちらも「一」が普通。また、歴史上の有名書家は、右はどちらもあり。
学校では1958年に出た「筆順指導の手引き」を基準にしている。しかし、「本書のねらい」部分には、「ここに取りあげなかった筆順についても、これを誤りとするものでもなく、また否定しようとするものでもない」と書かれているにもかかわらずそれを無視して学校で教えている。

「魚」「燕」「点」の下の点々は、レッカ、レンガと考えるのは間違いだと思われる。全体が象形文字。

常用漢字表の文字は、日本人が日常生活で実際に使っているものばかりでなく、官庁の都合で入れたものがある。例えば、「朕」「御名御璽(ぎょめいぎょじ)」、「謄本」「禁錮」など。これらは高校までに教えなければいけないことになるけど、これを入試に出してもいいということになり、それはおかしい。

徳川光圀の「圀」は日本では使われているが、生まれた中国では使われていない。この漢字は、元々、則天武后が皇帝になって、「國」という字の中が惑につながるから不吉だとし、中を武后の「武」にした。すると。口の中に武が閉じこめられるのでダメとなり、世界全体を表す「八方」を入れた。

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2021年03月21日

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