あらすじ
運命の人はかつての許婚?平安後宮ロマン!
大納言だった父と母を続けて亡くし、他人に騙されて家の財産も失ってしまった沙羅。親が決めていた縁談もあっさりとなかったことにされ路頭に迷いかけた沙羅だったが、入内した従姉妹の女房として内裏に入り、今は幸せだった頃をときおり思い出しながら、梅壺で静かな日々を過ごしている。
そんなある日の夜。主が飼う猫の散歩につきあい、月明かりの中で一人ぼんやりと庭をながめていた沙羅の前に、宿直装束姿の男が現れる。親しげな様子で話しかけてくるその男は、右近少将藤原朝蔭と名乗った。その名を聞いて衝撃を受ける沙羅。それは忘れたくても忘れられなかった、かつての許婚(いいなずけ)の名前だった――。
運命に翻弄され、裏切られ、過去の悲しみの中ですべてを諦めるかのように生きてきた沙羅だったが、強引なほど沙羅との距離を詰めようとする朝蔭の態度に、いまさらと思いながらも、ゆっくりと心を開きはじめる。だが、右大臣家の姫君と朝蔭の縁談が調ったという噂を、沙羅は耳にしてしまい……。
運命の恋を描く、平安後宮ロマン!
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Posted by ブクログ
垣間見した姫が忘れられず、10年越しに会ってまた恋に落ちた系ヒーローと結婚が破談になってから転がり落ちるように零落して女房として働いてるヒロインの恋愛話。
ヒロインが取りこぼしてきたであろう物事をヒーローが拾い集めてめでたしめでたしでした。主張が少ないヒロインが平安時代ぽくて良かったです。
Posted by ブクログ
装丁が素敵だなーと思って読み始めたら、読みやすくてグングン読んでしまいました。
舞台は平安なんですが、お話の内容はトレンディ。
身分の差とか横暴な父とか王道ロマンスのテイストもありつつ、三日夜餅とか古典の授業で習った単語も出てきて懐かしかったり。
恋愛小説の王道ストーリーに平安設定が程よくブレンドされてて面白かったです。
Posted by ブクログ
甘ーい( ´ u ` )
沙羅がそつ無くするのに
朝陰の真っ直ぐグイグイくるところに
最初はちょっと引いたけど、
本当にひたすら一途なのでそこが長所なのかな。
最後まで読んだ今ではよくやった!ってなった。
最初は猫がいるから、猫がいる間だけという話だったのに、だんだん言い訳を考え出したり、猫がいなくても会いたくなるという心の変化が綺麗に描写されているのも素敵でした
かつての許嫁からの一方的な求愛にきゅんきゅんしてしまう好みの話だなと思う一方で、かつて幼い時に一度垣間見たことがあるだけの親が決めた許嫁に、そこまで思い入れてしまうものかな、とか、現代の感覚で現実的なことを思ってしまったりしましたが、そうか、昔は顔を見るのもなかなか叶わず、歌でやり取りするだけとかが多かったでしょうから、どんな女性か思いが膨らんでいったのかなと。
主人公が幸せになれて良かったです
平安の暴君親父とダメ息子
暴君親父の野望から始まった縁談。
山吹の父は陰謀で亡くなったのかもと思ったけど、普通に病死だったのね。
偶然が重なって大団円。
まず、ヒロインが美人だったw
三の姫に恋人が居て、その恋人も諦めなかった事。
朝陰、お前、手を出す前に父ちゃんを説得する算段くらい付けろよ。
25にもなって、怖くて逆らえないと言って結婚を受け入れたフリをして、結婚初日に恋人の元に行く気満々?
たまたま政略結婚の相手に恋人が居たからいいけど、あの状況でもし、三の姫が結婚を楽しみにしてたらどうするつもりだったのさ。
うっかり最低男になるところだったわよ。
左衛門佐が諦めてたら協力して貰えなかったし。
ほんと、偶然が重なって良かったね。
この辺の段取りや親の説得に関しては「桜嵐」の雅遠の方が全然しっかりしてたわね。
仕事もガッツリやって認められる男になってたし。
比べてる事ではないとしても、今回の朝陰はちょっとヘタレに思えたなぁ。
乾の衛士はむちゃくちゃ可愛かった。
結局、暴君朝任や左右大臣のその後はどうなったのかな?
渋々仲良くなる左右大臣と、家族に見捨てられて野望も中途半端に終わった暴君親父が一人寂しい老後を迎える展開かな?
Posted by ブクログ
10年越しの恋を諦めず引きずった朝蔭。
やはり諦めが悪いのは男性の方か。
沙羅、朝蔭両者の視点から話が進むので、読者側には朝蔭の事情や思いは割と早期からだだ漏れな訳で。
なので、彼の想いが沙羅になかなか届かなくて、非常にもどかしい思いをする羽目に。
一方、沙羅視点だと、彼女の事情もよく分かるから、今更元許婚に出てこられても戸惑うのは当然だと感情移入。
一体どっちの味方をすればいいのかと悩みに悩む。
ただ諦めの悪い男は開き直るとそれなりに手が早かった。
思っていたより早めに結ばれはしたが、その後が大変。
縁談の話もそうだが、一番厄介だったのは朝蔭の父親。
結局彼には特に罰は落ちなかったようだが(腹立たしくも)いやまあ妻も息子もああなったのでは、落ちたようなものか。
父が腐っていた代わりに朝蔭の母は朝蔭の味方だったし、沙羅のいる梅壺の人たにもいい人たちばかりで、その点は救いだった。
最後は諦めていたものを取り戻し、まさかの場所で仲睦まじい二人を見られてよかった。