あらすじ
女の子特有の仲良しごっこの世界を抜け出したくて、高校を突発的に中退した美和。祖父が営む小さな銭湯を手伝いながら、取りまく人々との交流を経て、進路を見いだしていく。ほわほわとあたたかな物語。
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Posted by ブクログ
私がこよなく愛する「戦友の恋」のスピンオフ作品
大和湯の美和ちゃん目線の物語
美和ちゃんは玖美子を知らないので、玖美子が死につづけている世界に生きつづけている佐紀のことは分かっていない
美和ちゃんの目から見る佐紀は、当初豪快なおばちゃんとして描かれる
でも、達貴を追いかけていた時に佐紀から声をかけられて(ここは戦友の恋でも出てきたシーン、でもここだけ、そして佐紀は美和ちゃんが達貴に恋してることに実は気づいてる)、その後を描いてる
佐紀の部屋で一緒に飲んで、親しくなってる
そして君津とのこと
色々あったんだね
大和湯で人生を見つけた美和ちゃんのこれから
周辺のおじさんおばさんを馬鹿にすることなく、親しんでいられる美和ちゃんはきっとこれからしっかり生きられる
高校中退して、プラプラしてたのも無駄じゃなかったんだね、と親戚目線で思ったりした
それと
「フィルムの外」という短編が付されていたが
これが鳥肌立つほど良かった
自分で自分を演じているような気になることって、若い頃はあったかなと思う
特に恋愛してると、演じ分けすらしていたような笑(恥ずかしい)
今はもうそれが普通
母を演じ、妻を演じ、娘を演じ
そして社会人でもある
どれが本当の私?
全部なんだなって思っている
そしてラスト
その夏に撮っていた映画を30年経ってから観る“ぼく”(この語り手の男の子は固有名詞を表してた?)
映画に出てくるその夏を過ごした家を取り巻く景色
観た瞬間に、その夏を色濃く再体感する
匂いとか、音楽とかってそういう感覚あるけれど、それの景色バージョンなんだなと思った
こういう記憶の蓋の開きかたって急激で、色鮮やか
激流になって記憶がなだれ込む
それが一夏だけの、恋人でも友だちでもない、年の違う異性との特別な思い出であれば、涙が出てしまいそう
由奈も観たかな
由奈も“ぼく”を思い出したかな
由奈も幸せならいいな