あらすじ
NHKドラマ化もされた大人気「まんまこと」シリーズ第4弾!
女房のお寿ずを亡くした麻之助だが、町名主・高橋家の跡取りとして裁定に追われる毎日。
「人が人を、大事だって思う気持ちにつけ込んで、下司なことをするんじゃねぇよ」
――幼馴染で親友の八木清十郎と相馬吉五郎の助けもあり、魂の抜けたような麻之助も徐々に回復してゆく。
解説・吉田紀子
※この電子書籍は2013年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感情タグBEST3
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あぁ、シリーズの続きが早く単行本になりますように。
4作目、一番まとまりがあって、するするするっと読み終えてしまった。
ときぐすり、ともすぎ…など江戸用語って素敵な言葉イロイロなるのだなぁと。
そして、丸三がとてもかわいかった。友という存在ってお金で買えないものね。大事にしたいものね。
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『まんまこと』シリーズ第4作。前作『こいしり』で、悲劇に見舞われた主人公の麻之助は、町名主・高橋家の跡取りとして、多忙な日々を過ごしていた。悲しみを引きずっているような描写は少なく、敢えて通常のフォーマットに徹しているように感じられる。
「朝を覚えず」。庶民はそうそう医者にもかかれないご時世に、格安の薬が流通しているという。簡単に訴えることはできない相手に、麻之助は…。似たような話は現代にも転がっていそうでこわいが、何より麻之助が危うい…。
「たからづくし」。見合いを命じられた、麻之助の盟友・清十郎が姿を消した。同心見習いの吉五郎は、盗人を追っていてそれどころではない…。2つの謎が絡み合い、最後に解ける展開は見事。さて、清十郎が身を固める日は来るのだろうか。
「きんこんかん」。両国橋界隈で商売を始めた3人娘。いずれも繁盛しており、対抗心が強い。そんな3人が、なぜか吉五郎に自慢の味を勧めてくる。吉五郎には災難だが、これまた現代にもありそうな話。しかし、最も存在感を示した娘は…。
「すこたん」。元々は仲がよかった商家が、近所同士になったおかげで、何かと張り合うようになる。父に厄介事を押しつけられた麻之助。一度は裁定したのだが…。少々、荒療治が過ぎる気もするが、結果的には一件落着か。
「ともすぎ」。またまた吉五郎にスキャンダルか?と思って調べていたら、賄賂の噂が飛び込んでくる。そして、顔見知りの高利貸しが姿を消した…。ある意味、事件解決後の方に意外性があると言える。人間、年齢を重ねると…ですかね。
最後の表題作「ときぐすり」。このタイトルは、本作全編を通じたテーマでもある。江戸に流れ着いた少年と、自らを重ね合せる麻之助。これ以上は書くまい。多忙な中で、麻之助は改めて友のありがたさを知った。全6編とも、時代ミステリーとしても人情物としても完成度が高く、個人的にはシリーズ最高傑作だ。
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シリーズ第四作。内容が安定かつ充実していると思う。これまでの物語は本作を書くための序章に過ぎなかったのだと云ってもよいくらいのできだと思う。特に。表題作「ときぐすり」は秀逸。江戸人情もののお手本のような作品だと思う。ちょっとくさいけどね。
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2022.11.20.audible
本でも読んだ気がするけど、
肩の力を抜くために、聴きました。
お寿ずをなくした後の麻之助さんのお話でしたね。
幼馴染であり、悪友の清十郎と吉五郎そして高利貸しのまるさんたちのおかげで、立ち直っていく麻之助。
どのお話も心温まり、好きだわ。
朗読で聴くまんまことシリーズいいかも!
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内容(「BOOK」データベースより)
女房のお寿ずを亡くした麻之助だが、町名主・高橋家の跡取りとして裁定に追われる毎日。「人が人を、大事だって思う気持ちにつけ込んで、下司なことをするんじゃねえよ」―幼馴染で親友の八木清十郎と相馬吉五郎の助けもあり、魂の抜けたような麻之助も徐々に回復してゆく。大人気「まんまこと」シリーズ第四弾。
令和4年4月13日~18日
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タイトルにもなっている「ときぐすり」という言葉と、それを活かしたストーリーが秀逸でした。
悲しみを乗り越えつつある麻之助が少しずつ大人になってきたことと、丸三さんの友情も良かったです。
Posted by ブクログ
まんまことシリーズ第4弾の本作は短編6編という内容でした。今回も妻を亡くした主人公の麻之助を中心に、親友の清十郎と吉五郎とともに町で起こる騒動を解決するという、おなじみの展開が続いていきますが、個人的には、最後の話のときぐすりという話が好きでした!
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前作のラストがラストだったので、今回どうなるかとひやひやしていましたが……読み終えてみれば、ちゃんと、麻之助が少しずつ回復していくように書いてくださっていて安心しました。「ときぐすり」の数吉・むめ婆・滝助の三人の関係性が微笑ましくて素敵。
Posted by ブクログ
2015/9/14
ちくしょう!お寿ずさん殺しやがって(作者が)!
なんだい!お由有とくっつけるんじゃないだろうね!?
もう読むもんか!フン!!
って思ってた前作。
でもドラマもやってるしー、続きがあるなら気になるしー、で読んじゃった。
読んでよかったけどさ。
絶望の物語は大嫌いだけど絶望から立ち直っていく人の様子は感動的だものね。
それを見せるためには絶望がいるしね。
でも嫌いなんだもん、暗い話や悲しい話。
楽しいばっかりじゃそれもまた物足りないけどさ。
麻之助が悲しいのを見てるのもつらいけど、簡単にお寿ずさんを忘れて立ち直られても腹が立つ。
流石というか、そこら辺がいい塩梅で傷心の麻之助がせつなかったり周囲の人の優しさにほっこりしたり笑う麻之助にうれしくなったり、心地よい感情の起伏を感じました。
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お寿ずさん亡くなった時はどうなることかと思いましたが…
麻之助がだんだんと日常に戻っていく本。
まさにタイトル通り、「時が解決してくれる」
なんだか切ないですが、残された人はそうやって日々を生きて行くしかない、生きて行くのが良いのだろうな、と、江戸の市井の人たちのあれやこれやの、生きているからこその事件の中で、読者も麻之助も気づいていったのではないかと思います。
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お寿ずさん‥‥思い出しては沈み込む時に少しずつ馴染みながら困りごとを解き明かしていく麻之助。気遣ってくれる友人や周りの人に支えられて立ち直ってきたのが嬉しい。
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女房のお寿ずを亡くし、魂をなくした麻之助が、友達、家族、町内のみんなに心懸けられ、助けられて、心癒やされていく。
麻之助の回復を待つ「周囲の目」と「とき」がくすりとなり、事件を解決することを通じて、麻之助は、徐々に回復していく。
くすりとなる「とき」は現代ではどこに流れているだろうか?きっとどこかでは流れているはず。
Posted by ブクログ
今回は悪友三人が三者三様に話の中心となっていて楽しかったです。「何故金沢丹後にゆくかな」とぼやく清十郎も可笑しく。辛いこともときが解決してくれることがあるという話を麻之助がするのにもじーんときました。
でも、買ってからしばらく「ときすぐり」だと思っていて・・・しゃばけシリーズでも「ちんぷんかん」を「ちんぷんかんぷん」だと勘違い。畠中さんややこしいです!
Posted by ブクログ
女房を亡くして憔悴していた麻之助が親友の清十郎と吉五郎や周りの人達の絶妙な助けで少しずつ回復してゆく姿に安心する。悲しいことがあっても、時が痛みを和らげてくれることもある。表題の「ときぐすり」のお話が特に良かった
Posted by ブクログ
このシリーズは叔母さんが送ってくれるので何気に読んでいます
時代物はなかなか自分では選べないんだけど
このシリーズは面白いし読みやすいの。
でもね~多分間を抜かしてしまったなこりゃ・・・。
いつの間にか麻之助の妻のお寿ずが亡くなっていた
多分肝心な所の巻、抜けてる
でも読み続けちゃったよ全然大丈夫!
お馴染みになってくるキャラが次々に色々な問題を解決して行くんだけど、今回は最後の丸三がなんか良かったよね~♪
ときぐすり・・・時薬・・・ネタバレになってしまうので書きませんが、子供が言った違う方の解釈のときぐすり。こっちの方がいいな・・。
Posted by ブクログ
明るい雰囲気の事件があるにも関わらず、全体的に、しんとした印象の一冊。
そんなに壊れちゃうくらい大事だったんだなぁと思うと、悲しくなりますね。
作者は意地悪だなぁとちょっと思ったけれど、表題作がとても良かったので、読後の印象は良かったです。
Posted by ブクログ
続き物だったけど、久しぶりに読んだ。
それで、あれ?こんなに読みにくかったっけとビックリ。話があちこち飛んでいたり・・・
入り込むのにちょっと苦労した。
最後の話、ときぐすりはすんなり読めて良かった。