【感想・ネタバレ】小説 シライサンのレビュー

あらすじ

親友の変死を目撃した女子大生・瑞紀の前に現れたのは、同じように弟を亡くした青年・春男だった。何かに怯え、眼球を破裂させて死んだ二人。彼らに共通していたのはある温泉旅館で怪談を聞いたことだった。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

原因不明の死の原因を調査している内に自分たちも呪われ、呪いの回避法と根源を探していくというよくある設定ではあるけど、瑞紀たちの話と交互に過去の溝呂木の話が差し込まれ、シライサンがどのように生まれたのかが少しずつ明らかになっていくワクワク感が凄くよかった

間宮幸太は深追いしなければ助かった可能性あるよね

ネットに流れたシライサン怪談によってはシライサン大忙しなのちょっと笑ってしまった

老女・石森ミブと蔵の女は同一人物なのか、溝呂木に語った話はミブによる創作なのかが曖昧なまま話が終わるのもとてもよかった

蔵の女(石森ミブ?)が村人の命と引き換えに我が子を取り戻した、その血を引き同じく我が子を失った間宮冬美の元に親戚の子供が預けられる...
旦那は死ぬ直前に黄泉の世界からこちらに戻ってくる船に小さな女の子が乗っているのをみた

蔵の女がしたように、今度は冬美の子を怪談を聞いた人の命と引き換えに連れ戻したのだろうか

冬美が瑞紀の視線から親戚の子供を隠したのも、実は朝起きたら目の前に我が子がいたとかで隠したかったんじゃないのかなとか思ったりした
そうなら冬美の元に子供が戻ったら呪い終了なのではないかな??

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2025年06月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かったー
夜に一人で読むと怖いし良い感じ〜

貞子を彷彿させられる内容で、さらに目が破裂とかグロいしそこが尚よし!

瑞紀と春男が死ななくて良かった。

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2023年02月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

解決の気配もなく呪いは伝播し続け、諸悪の根源である祈祷師の血筋も残っている。
石森ミブを名乗る祈祷師の娘が村から逃げて死産した赤ちゃんを無事に出産しなおしたのだとしたら、最後に間宮幸太が見た対岸の船に乗っていた子供は誰だったのか。
孫娘である間宮冬美の事故死したという娘を生き返らせるためにまたシライサンが動きだしたのでしょうか。
預かっているという親戚の子供がおそらく生き返った娘で、それを瑞樹と春男にバレないよう隠していたんじゃないかな、と。
ということは冬美は故意にシライサンの怪談を知り合いに話して娘を取り戻すための生贄を確保したのかな。
怪談を世間の目から逸らさせるために冬美に似たような作品を創作してもらうことにしたとありますが、娘を生き返らせた今、本当に似たような作品を創作してくれているのか、それとも今度は夫を生き返らせるために…
と考えてしまいます。


聞いた人がまた呪われるという月並みなホラー作品ですが、失った子供を取り戻すためには他人どころか夫をも犠牲にするという異常な母性が伺えました。
297ページ中283ページまではよくあるホラー小説だなぁという感じでしたが、エピローグ的なラストの15ページで辻褄が合うというか伏線が回収されていてすごく面白かったです。

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2022年01月07日

ネタバレ

評判の振り幅が大きい作品。
謎を語り切らず、考察の余地を大幅に残している点が、低評価の一因。逆に私は明かされなかった部分を想像して楽しんだので、◯。

謎①蔵の女が閉じ込められた真相は?
謎②甦り対価の犠牲者は何処からか?
謎③呪いはこの後も延々と続くのか。

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓私の考察。ネタバレ。

石森ミブとして溝呂木と話をしている老女は蔵の女。村を逃げ出すためにミブと入れ替わった。
入れ替わったのは「冷たくなっている蔵の女を発見した」←ミブを殺して(恐らく顔をボコボコに痛めつけ判らなくした)蔵の女が死んだとして通報。
怪異(山ノ神の使い)の顔には殴られ続けたような痛々しい痣がある。←殴り殺されたミブの姿。
鈴の音に怯えるのは殺した罪悪感と怨念に対する恐怖?

「チョウブク」とは、誰かを生き返らせるために大量の生贄を捧げる儀式を逆手に取った大量殺人呪詛。呪詛をせず、兵士との間に身籠った事が醜聞として隠蔽・監禁・流産されられた?

実は石森ミブとして溝呂木に怪談を話して手記を渡した後、溝呂木から森川までは偶発的な犠牲者?それともわざと手記を手渡し、この時点から甦りの儀式は始まっていた。←ひ孫が娘を亡くす事を予見して種を蒔いていた、もしくはもう一人甦えらせる予定だった?(が、渡辺少年がすっかり忘れたせいで20年放置になった)

もし偶発で無駄な犠牲者が出たのではなく、甦りの儀式中の犠牲者だった場合は、真央復活で一旦生贄の呪いは終了するのでは。

#怖い #ダーク

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2022年09月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

巫女(=石森ミブ)と冬美の対比に気づいた瞬間全ての辻褄が合い鳥肌が立った。
巫女が自分の我が子を取り戻すために噂を広げさせ村人を贄にしたのと同じように、現代の巫女となった冬実も真央を取り戻すために怪談を広く伝播させた…

答えを全て作中では語らず、考察する余地を残してくれているところが良い。

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2021年06月12日

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ネタバレ

乙一にしては普通すぎて。

シライサンの名前の由来や正体というか、発生源やその後についてはちゃんとうかがえるのはきちんとしていて良かった。読んでる途中、乙一がシリーズ構成を担当したドラマの「恐怖新聞」がちらついた。

シライサンという呪いへの対象法もほかで見たな感だし、「リング」と同じだし。「リング」はとりあえずリスク回避で、「シライサン」はまだ知らない人間に対してのリスク回避だけど。

眼球破裂や、怪奇的なところは乙一らしさを感じるし、淡白な人物描写も乙一らしい。ただ、コミカルさ軽妙さ、驚くような伏線回収、人間ドラマの妙といったものは感じられなかった。これは年々感じとれなくなったものなので、シライサンを読んで、またかという気持ち。

思い出の美化や、こちらの感性の変化のせいかもしれないけど、感触としては昔のほうが良かったなという感覚。

乙一という要素を抜いた小説シライサンとして見るとまあまあ面白かったなという感想。呪いについては科学的にアプローチしようと試みたり、突き止めようとするところはワクワクした。『残穢』を思い出す。また「リング」とも似た構造。というか、なんで女の人が呪いの発生源になるうるのかという、そういう掘り下げが欲しかったかもしれない。そこらへんの薄さが気になった。

映画のノベライズということで、映画サイズにコンパクトにまとめようとしたのかもしれないが、逆に映画じゃ入れられなかったけど、といった背景事情についてはもっと盛り込んで良かったかもしれない。

見落としていたことだけど、最後の子供って、蔵の女と同じように夫とその他を生け贄にして子供を復活させたということ??????
すごいな。わかりにくかった。
冬美自体動機はあるけれど、夫を死なせてまでというのはわからなかった。
でも、そうすると酒屋の渡辺が話し始めたトリガーはなんだったんだ?日記を読んで思い出してのはずだけど。冬美自体に力を受け継いでいて、なおかつ、シライサンの話を聞いて親の話を思い出してとか?

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2021年03月24日

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ネタバレ

 肝心の「シライサン怪談」が全然怖くない上に、いつ呪殺されるか分からない切羽詰まった状況のはずなのにやけにのんびりしている登場人物たち、怖がらせる気があるのか無いのか分からない展開、謎を解く気が無いようにしか見えない探索シーン(村の手前まで来ておいて引き返すのはどうなんだ。結局後で行くのに)など、大した長さでも無いのに全く牽引力の無いストーリーのせいで何度も読むのをやめようと思った。
 しかし第四章の後半あたりから、書き手が交代したとしか思えない怒涛の展開が始まり、謎が完全には解明されなくとも(むしろ解明されないからこそ)余韻のあるラストまで、前~中盤の不甲斐なさが嘘のように楽しめた。
 もしかしたら終盤の展開を際立たせるためにわざといまひとつはっきりしない展開をしていたのかもしれないが、これだけ書けるなら最初からホラーとして存分に楽しめるものに出来たのではないかと思ってしまう。
 作者の他の作品は読んだことがないが、またこのような作品が書かれる(あるいは過去に書かれている)のであれば読んでみたいと思えた。

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2025年03月14日

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ネタバレ

知ったら呪われる系のホラー。
話が伝播する過程、F県から東京への電話のシーンで思わず声出た。
こういう不用意な登場人物がいるとやきもきして際立つね。

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2024年01月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2021/10/4
わ、ホラーだ。
そして「たたら製鉄」が2作連続で出てきたのもちょっとしたホラー。
1人生き返らせる分死んだら治まるのかな。
おおむね王道ホラーなんだけど、呪いの薄め型が今風だった。
ネットに関連したデマをばらまくってね。

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2021年10月08日

ネタバレ 購入済み

容赦ない

大人も子供も、容赦ない呪い言葉だなと、少しイラッとしつつも先を見ずにはいられませんでした。
この先3日にいっぺん目のない人が現れる人生なんて、考えるだけで恐ろしい…

でも、逆にみんなこの話を知ったらどうなるんだろ。
とか、色々想像させてもらえて楽しかったです。

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2021年08月21日

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