【感想・ネタバレ】風神雷神 Juppiter,Aeolus(下)のレビュー

あらすじ

「謎多き琳派の祖、俵屋宗達×バロックの巨匠、カラバッジョ」――雷神(ユピテル)と風神(アイオロス)が結んだ縁が、ここに完結!! 織田信長の命を受け、狩野永徳による傑作『洛中洛外図屏風』をローマ法王に届けるため、天正遣欧少年使節ともにヴァチカンへの旅に出た俵屋宗達。嵐や日照りなど、幾たびも降りかかる試練をかいくぐりながら、一行はついにヨーロッパの地にたどり着く。そこで、宗達を待ち受けていたものは、輝かしい西洋美術の数々、スペイン国王をはじめとする高貴なる人々、そしてもう一人の天才絵師との出会いだった――。その絆が、その想いが、傑作を生み出す! アート小説の旗手・原田マハが描く、一気読み必至の感動巨編。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

最後の晩餐の絵の前で会った少年の名前を聞いた場面、ワクワクドキドキどんな名前かな?ミケランジェロ。うん?と思ったら、その後にカラヴァッジョ!!私の心の中はこんな史実を元に絶対になかったとは言い切れない物語を作れるのやっぱり原田マハさんすごーいと舞い上がった。あー面白かった。

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2025年08月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

上〜下巻を丸一日で一気読み、見事に涙腺のツボをやられ10回くらい泣いた。。

■この本について
1950年代に史実として残る天正遣欧使節団に、
“実は当時10代半ばの俵屋宗達が絵師として同乗しており、ローマ教皇に謁見、美術作品の献上を果たす、その背景に重要なトリガーとして織田信長や、狩野永徳まで登場”、という壮大なフィクション。
(今回はアートミステリーというよりは、冒険記に近い。)

・前提として、かの有名な「俵屋宗達」という人物について、その生没年すらも曖昧なくらい実体不明であり、そこに対しての脚色という着眼点がまず面白い。
・当時、日本〜ローマを帆船で航海するということは、今でいう宇宙旅行くらいの感覚だと思う。自分は以前船乗りとして外航船に乗っていたことも相あり当時の記憶が蘇り、僅か10代の使節団のメンバーが感じていたであろう覚悟感や、各国に寄港した際の、見るもの全てに対する新鮮な感動を想像すると、余計に浪漫を感じた。

・日本史を想像するときに、「その時に世界で何が起きていたか」ということを知ることで見えてくるものがある、ということを改めて感じる。
この本でいうと、
織田信長が天下統一を目指す戦国時代、そのときに狩野永徳や俵屋宗達は同じ時代を生きていたし、一方海の向こうのヨーロッパでは、レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロはそのちょっと前に死んでいた。
当時の日本にはまだ読み書きすら社会に広くは浸透していなかったが、西欧にはすでに活字印刷があった。
こういった海の向こうとの「ヨコの繋がり」がどんな化学反応を起こしたのか、といったこと、もっというと例え教科書には絶対に書かれていないような小さな事実や人物が、実はその後の世界に大きな影響を与えた「かもしれない」のだと妄想力を働かせることがとても楽しかった。
そしてそんなイマジネーションの最大級こそ原田マハなのだと熟思う。

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2023年09月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ローマへの道のラスト、教皇猊下との出会いのシーンはとても素晴らしかった。何度も挫けそうになり、命の危険さえもあり、それでも諦めずに目指した場所は、あまりにも美しい絵画で彩られている。絵師の宗達じゃなくても感動モノだと思った。ただそこから先のカラヴァッジョとの出会いからがちょーっと雑と言うか、旅の消化試合みたいになってしまったのが残念。タイトルの風神雷神も、かなり重要なポジションではあったものの、宗達が描いた風神雷神図そのものには関わらなかったのも残念ポイントだった。どうやって宗達は帰国し、どんな気持ちで絵師の仕事を続けたのか。贅沢を言うならそこまで読みたかった。

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2024年09月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

エピローグの彩の気持ちがまんま原田マハさんの気持ちなんだろうな。
こうだったらいいな、を大胆に小説にした感じですね。
実際はどうだったんだろうって気になるタイプなので、もっと答え合わせ解説がほしい〜。
原田マハ公式HPの、マハの展示室『風神雷神』インタビューとか、トークイベント「いまひとたびの『風神雷神』」を読んですこしスッキリ。

ほんとうに織田信長が「ローマの洛中洛外図」を命じたなら、なんていうロマンだろうと思うし、宗達とか永徳が描いたそれを見てみたいって思う。

こんど皇居の三の丸尚蔵館に永徳の『唐獅子図屏風』を、京都の養源院に宗達の『白象図』『唐獅子図』をみにいこう。

天正遣欧少年使節が教皇に献上した永徳の屏風は現在は行方不明なのか。これもいつかみつかるといいなぁ。信長の安土城や、京の南蛮寺がほんとうに描かれているんだろうか、、ロマンだー。

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2024年03月30日

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