あらすじ
「日本はもはや後進国である」
最底辺に生きる女性たちの現状とは
25歳。茨城県某市。母親から依存され、金銭的要求がとまらずに
42歳。埼玉県北部。「私、子どもを虐待しているかもしれません」
29歳、看護師。栃木県。中学2年生のときに、父親と
17歳。群馬県太田市。親権を切られ知人の中年男性と暮らす
20歳。島根県から上京。1日18時間労働させられて精神疾患に
32歳。沖縄。末期がんになっても、風俗を続ける理由は、家族に迷惑をかけたくないから
働く単身女性の3人に1人が貧困状態といわれる。そこから家族、地域、制度の三つの縁をなくした女性たちが最貧困女子に落ちていく。都心に比べ地方の女性たちはその三つの縁が保たれていることから、そんな境遇に陥ることは比較的少ないといわれているが、それは果たして本当か。地方消滅が叫ばれ、都会以上に貧困化が進む地方において、彼女たちが孤立に陥ったときどんな現実が待っているのか。
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Posted by ブクログ
働く単身女性の3人に1人が貧困状態と言われる日本。
親の貧困による子の貧困スパイラル
地域的な男尊女卑
学が無いので正規雇用にありつけない
モラハラ・DV男との交際による搾取
様々な原因で本当に簡単に
「貧困」から「最貧困」へ落ちてしまう現状
学があっても知識がなければ
知識があっても運がなければ
それは自分にも決して関係の無い話ではなく
あのとき勉強を諦めてしまっていたら
あのときあの男と別れていなかったら
あのときこの仕事を選んでいなかったら
あのとき違和感を飲み込んで結婚してしまっていたら…
たぶん自分もこの貧困の中にいたのではないか
女性ならば誰もがこの貧困と隣合わせで生きているのではないか
確かにきっかけは自己責任と言われる
自身の選択によるものかもしれないけど
自己責任によるささやかな躓きによって
一度貧困に落ちたらもう二度と這い上がれない
そういう社会になってしまっているのが今の日本
興味深かったのは
体を売る女性の割合が多いかどうかが
その国、地域が貧困社会にあるかどうかの
バロメーターになるということ
コロナ初期のナイナイ岡村の問題発言もあったけど
このコロナによって本当にそういう流れが増えてしまったら
(この本曰く既にパパ活市場は飽和状態らしいけど)
それは他に稼ぐ術の無い人生選択をしてきた
個人の自己責任問題だけではなく
そこから抜け出す事のできない構造になってしまっている
日本という国の貧困として
そのうち他人事ではなくなるかもしれないと思って
世間を見ていないといけないのかもね