あらすじ
文学界注目の高校生作家、待望の新刊!
デビュー作として異例の大ヒット『さよなら、田中さん』の田中母娘が帰ってきました。単なる「続編」とはせず、ひとつの新しい文芸作品として意欲的に取り組んだ一作。前作で強い印象を残した登場人物達がさらに謎とドラマ、嵐を呼ぶ!!
『太陽はひとりぼっち』花実は中学生となった。ある日、家の前に見知らぬビジネスマンがやって来る。彼は一体何者?さらに別の日にはやせた老婆が家の前に座り込んでいて……。次々登場する謎めいた人物が引き起こす大騒動。一つ一つの事件に込められた人々の思い、苦しみ、葛藤。生きることへの希望を説く「るりか節」が力強く心に響きます。
『神様ヘルプ』デビュー作『さよなら、田中さん』最終章で鮮烈な印象を残した三上信也。中学受験に全落ちし、毒親である母親から山梨県にある全寮制のカトリックスクールに送られた、彼の現在は?
『オー マイ ブラザー』花実に大きな影響を与え、数々の名言を誕生させた木戸先生の物語。オカルトに傾倒し、不思議な話ばかりしている木戸先生の人生における唯一の固執、謎が見事に解明されるラスト。全編を通してテーマとなっている太陽の光が物語に陰影を与える。
以上 全3編。(2019年10月発表作品)
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Posted by ブクログ
鈴木るりかさんの作家デビュー作『さよなら、田中さん』第2弾。
新年早々、花実と豪快な花実の母の物語の続きが読めてとても嬉しい。
老いも若きも男も女も、みな居場所を探してる。
誰にも縛られることなく、自分が自分らしく居られる場所を。
誰もが羨む素敵な家に家族と共に暮らしているのに家の中で居場所がない、と嘆く花実の友人・佐知子。
狭い借家でもお金がなくても大好きな母と賑やかに暮らす花実を見ていると、居場所とは単なる”場所”なんかではないんだな、と思う。
自分を心から想ってくれる人が側にいて、全力でぶつかってきてくれる。
他人が何と言おうと自分さえ居心地が良ければそれが一番の居場所。
新年の始まりに大切な事を教えてもらった。
いつも豪快な母も壮絶な過去とわだかまりを抱えていたこと。
第1弾で行く末が心配だった三上くんにもちゃんと居場所が出来ていたこと。
小学校時代の担任だった木戸先生の悲しい過去。
読めば読むほど、このシリーズの奥深さに唸る。
木戸先生兄弟の秘密のサインには泣けた。
つくづく自分の居場所とは、時間をかけてでも自分で見つけて納得していくものだと思った。
そして第3弾も必ず読もうと決意して本を閉じた。
Posted by ブクログ
さよなら田中さんの続編
有名だったり話題の漫画家さんの表紙じゃなくても
十分読んでもらえる作家さんになってほしいから
今回の装丁はグッドです!
作られた話なのは当たり前でリアリティはないんだけど
もの悲しさに浸ってしまう
おかしいんだけど哀愁って感じ
がんばれーって応援したくなる
お母さんはもう少し幸せにしてあげてー!
最後の短編の?→!を誰かと共有したいなぁ
Posted by ブクログ
読書記録です。まだの人は読まないでね。
「太陽はひとりぼっち」田中さん母娘の続編。中学生になった花ちゃん、ちょっと思春期入ってるけど、たくましいお母さんの愛で曲がらず育っています。お母さんの幼い頃のエピソードが切ない。毒母だった祖母と孫、昔のことは水に流して仲直りして~となったらできすぎでいやだなぁと思ったけど、さすがは花ちゃん、しっかりお母さんの味方でありつつ毒祖母の毒気も抜いてましたね。過去との対峙で結構オトナの対応を見せたかと思えば、世間知らずでエロオヤジに絡まれて警察沙汰を起こしてたり。はらはらしまいした。
「神様ヘルプ」ここにもいたんだよね、中受で全落ちした息子(花ちゃんと同級生)を全寮制の男子校に追いやった毒母が…せっかく息子自身がそこで自分の将来の夢を見出したのに、夏休み帰省中にデートに誘い出してしまった花ちゃん。彼女自身は招待券消化のためで「デート」だなんて思っちゃいませんが。「オーマイブラザー」花ちゃんの小学校時代の担任の先生、オカルト好きな木戸先生のエピソード。本当に良くできているお話です。フミオとミツオの名前を指文字で確信を持たせるなんて、絵になるよね。