あらすじ
時代に逆行した乗り物――人力車。
だけど乗る人を笑顔にできる素敵な乗り物でもあるのです!
家庭の事情で高校を中退した吉瀬走は、生きるために夢中になった陸上も辞めざるを得なかった。
そんな中、陸上部OBの前平が現れ、人力車のひき手をやらないかと誘われる。
車夫の条件は、走るのが好きなのとイケメンであること!?
浅草の「力車屋」で車夫となった少年と同僚や客らとの交流が瑞々しく描かれた感動の物語。
期待の新鋭作家、初の文庫化作品!
「人力車が運ぶ一期一会の幸せを感じました」(女優・奈緒)
解説・あさのあつこ
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
17歳の吉瀬走を中心に、色々な人生を描いています。両親に捨てられてしまった吉瀬走が部活のOBである前平に車夫の仕事を勧めてもらって、一緒に働き出す話もとても心に残りましたが、お客の増岡大樹、勤め先のおかみさんである神谷琳子のお話も心に残りました。続きもあるので、又、読んでみたいと思います。
Posted by ブクログ
家庭の事情で高校を中退した吉瀬走。
打ち込んでいた陸上も断念。
先輩から誘われ、人力車の引き手=車夫の仕事に就くことに。
走自身の話だったり、職場の先輩の話だったり、お客さんの話だったり。
どれも幸せなエピソードではないのに、読後感は悪くない。続きが読みたくなる。
Posted by ブクログ
素朴で、かつ躍動感のある文章が印象的。
物語としては、両親に見放された主人公、ヤクザに追いかけられる男、離婚経験のある女将など決して幸せに溢れた人たちではないが、いずれも読後感のある心温まる物語。
最初の「尾行にはむきません」がお気に入り。素性も背景も分からない主人公・走の、それでも良い奴感の漂う雰囲気と、親思いでヤキモチ焼きの少女のやり取り、結末が心地よい。
Posted by ブクログ
家庭の事情で高校を中退し、夢中になった陸上さえも諦める事になった走は、あるきっかけから人力車の仕事をする事に。
人力車、浅草とかで見たことがあるようなないような。そんな記憶のもの。
もちろん、乗った事もない。
でも、凄く印象的な乗り物だと思う。
物語は、力車屋という人力車のお話。
想定するに、いろんなお客さんとの物語かと思ったら、それもあるけれど、力車屋内の人間関係の話が多かった。
シリーズもののようなので、色んな話が生まれそう。
心地良い読み心地だったので、またシリーズ読んでいきたい作品でした。