【感想・ネタバレ】おとなになっても(6)のレビュー

あらすじ

朱里への思いを断ち切れず、夫・渉と別居して実家に戻った綾乃。覚悟を決めた綾乃は、
両親に「好きな人がいて、その人は女性である」ことを告白する。そして、これまで離婚
に反対していた渉が、話し合いの場の勢いで離婚を切り出し、まもなく離婚は成立。綾乃
と朱里の恋にとって障壁はなくなったはずだが気持ちはそんなに簡単に割り切れず、二人
は連絡を絶ったまま季節は次の春を迎えて……。恋の火は消えないまま、二人の未来はど
ちらへ向かうのか。離婚して傷ついた渉や、不倫の恋に悩む渉の妹・恵利など、周囲もそ
れぞれに迷路の真っただ中。もどかしく愛しい、不器用な大人たちの恋模様!

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抑えきれない感情の爆発

とうとう離婚した綾乃。朱里とも連絡を絶って離婚後は別の世界が淡々と続くかと思われました。いくつかのさざなみが立ち、やがて思わぬハプニングで朱里の店に客として行くことに。その時の朱里の抑えきれない感情の爆発。綾乃の一言一言に動揺したり、嬉しさを隠しきれなかったり、もう表情に出まくりで、読んでいるこちらもあまりに嬉しくて涙腺までゆるくなりました。読後感がすごく良くて、次巻への期待も大きいです。

#胸キュン #ほのぼの #切ない

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2022年05月11日

Posted by ブクログ

なんで志村貴子が描く人間模様ってこんなにもリアルなんだろう!
簡潔にいうと不倫の話なのに、そこから派生していく人間模様がなんともリアル。
志村貴子作品って人間のどうしようもなく情けない部分を描くのが上手すぎて、毎回唸っちゃう。
「おとなになっても」は一周目は普通に読んで、二周目は毎話のタイトルになっている曲を聴きながら読むのが好き。タイトルセンスも冴え渡ってる。

綾乃を通して、綾乃本人の恋愛関係や生徒のいざこざを見てると、恋愛も友情もあんまり変わらないよな〜全部儚いよな〜と思う。人間ってぜ〜んぶ薄情!

6巻では、面白い夢を見たけど忘れててもどかしいと語った新キャラの茜ちゃんがすごく良かった。夢って漠然とあることだけ覚えてて、後はもやもやっとした感情が残るだけだよね...。

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2022年02月10日

Posted by ブクログ

この巻の終盤にある162-163頁の見開き、複数の橋が架かる都市の川の鳥瞰図が印象的でした。
恋愛ものなので、相手と自分を隔てる川(障害)があって、それを渡るか渡らないかという葛藤が出てくるのは、当然といえば当然です。
しかし、そうした葛藤は、主人公の綾乃と朱里だけなく、小学生から義母まで、登場人物の多くが日常的なものとして抱えており、群像劇的に描かれます。

ストーリーが日常的なので、悪く言えばダラダラした感じがするところもあります。
しかし、それは例えば131頁で急をつけるための緩として機能しています。

登場人物が多く、小学生など人によって姓で呼んだり名で呼んだりするので、分かりづらいです。
しかし、それが日常性を支えるためのリアリティラインの保持一役買っています。


もう一つ印象的だったのが、驚きの顔の描写が多いことです。
例えば87頁では綾乃が朱里に驚かされ、120頁ではその逆。

綾乃も朱里も、急にポンコツになって、相手を驚かせたり。
意志で障害をわたって、相手を驚かせたり。

絵には、そうした描写のためのコミカルさ、柔らかさ、綺麗さが共存しています。


志村貴子先生の作品はとても好きなのですが、いつも感想をまとめるのが難しいと感じます。
それは、こうしたいろいろな要素がギュッと詰まって解きほぐしにくいところに惹かれているからかもしれません。

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2022年02月20日

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