【感想・ネタバレ】記号論への招待のレビュー

あらすじ

いま広範な学問・芸術領域から熱い視線を浴びている「記号論」。それは言語や文化の理解にどのような変革を迫っているのか――。ことわざや広告、ナンセンス詩など身近な日本語の表現を引きながらコミュニケーションのしくみに新しい光をあて、記号論の基本的な考え方を述べる。分かりやすくしかも知的興奮に満ちた、万人のための入門書。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

この本も論文を書き始めた頃に読んで参考にした本です。詩の言葉をどのように考えたらよいか、その基本原則を教えてくれます。

内容(「BOOK」データベースより)
いま広範な学問・芸術領域から熱い視線を浴びている「記号論」。それは言語や文化の理解にどのような変革を迫っているのか―。ことわざや広告、ナンセンス詩など身近な日本語の表現を引きながらコミュニケーションのしくみに新しい光をあて、記号論の基本的な考え方を述べる。分かりやすくしかも知的興奮に満ちた、万人のための入門書。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
池上 嘉彦
1934年京都市に生まれる。1961年東京大学大学院博士課程修了。専攻は言語学、英語学。現在、東京大学名誉教授、昭和女子大学教授

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2011年09月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

日本語のリーズナブルな価格の本で記号論を学びたい場合にはこれ一択。やや古いこともあり、また記号論自体の難解さもあり、多少とっつきにくいかもしれないが、ゆっくり頭の中を整理しながら読めば理解できる。

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2016年11月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

記号は意味作用を持つ.この働きは一つには文節という働きによって特徴づけられる.これは事物間の共通点,相違点を区別する働きであり,記号の持つ本質的な働きである.実はその意味は固定されたものではなくむしろ創造的なものですらありえる.創造的な働きは読み手の,蓋然性に基づいた推論に基づくという主張がされている.言語は意味作用を持つという意味で記号の一例であるが.やはり創造的な活動が見られる.それは例えば詩や文学の形として現れるものだ.本の大半は言語,特に慣習的な意味作用と創造的な意味作用ということの対立・緊張関係にに関する話題で占められている.
おそらく筆者の興味なんだろうなと思いながら読んだ.後半部では記号の持つ美的作用ということに主題が移る.読み進んでいくとこれもまた言語におけるコードを超えた意味作用の創出であるということがはっきりしていく.

まあ,いろいろ考えながら読んでみた.

自分からすると興味深い点がいくつかあった.本文中では書かれていないが,上で「蓋然性に基づいた推論」と書いたもの,これはサイエンスの世界でアブダクションと呼ばれる推論とおそらく同一のものだと強く感じる.興味深い.また最後の方にあった詩歌と「祭り」の類似性に対する指摘も興味深いと思った.体系だってないので読みづらいけど結構面白い.

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2012年01月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

記号論の入門書として紹介されていたので手に取った。
この分野は未体験なので眉間にしわを寄せながら読んだが、発見の多い本だった。

コミュニケーションというのは暗号解読をいつも自然にやっているようなものだし、詩というのは日常を越えた新世界への冒険だ。
占いの論理や比喩、コンテクストと主体の介入、祭りについての話も興味深い。

中盤~後半は統辞論も加わって記号のシステムについての話だが、言語ってよくできたシステムだなーと本当に感心してしまう。

ソシュールやエーコの記号についての本も読みたいところだが、用語や考え方が身につくまでこちらを反復して読んだほうがいいのかもしれないなあ。もっと難しいのだろうし…。
本の中で紹介されていた『シャーロック・ホームズの記号論』も読んでみたい。

記号性を持つのは言語に限ったことじゃないという例がいくつかあったので、日常生活で記号発見遊びをやってみると面白そうだ。

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2015年01月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

[ 内容 ]
いま広範な学問・芸術領域から熱い視線を浴びている「記号論」。
それは言語や文化の理解にどのような変革を迫っているのか―。
ことわざや広告、ナンセンス詩など身近な日本語の表現を引きながらコミュニケーションのしくみに新しい光をあて、記号論の基本的な考え方を述べる。
分かりやすくしかも知的興奮に満ちた、万人のための入門書。

[ 目次 ]
1 ことば再発見―言語から記号へ(記号とは、符号とは? 「言語創造」 ほか)
2 伝えるコミュニケーションと読みとるコミュニケーション―伝達をめぐって(コミュニケーション 伝達の仕組み ほか)
3 創る意味と創られる意味―意味作用をめぐって(記号と意味作用 分節と意味作用 ほか)
4 記号論の拡がり―文化の解読のために(記号の「美的機能」から芸術記号論・詩学へ 文化記号論へ向けて)

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2011年04月26日

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