あらすじ
愛も無力となるほどに苛酷な、蝦夷の大地。厳しい寒さと水腫病が、警備の藩士たちの生命を次々に奪った。和人たちの横暴を憎みながらも、心を開き始めるアイヌの若き女。人妻への思慕を断ち切れぬ、青年武士。苦悩の愛を抱えながら男たちは、寡黙に、生命を賭けて北の守りを固める。自然と歴史に立ち向う愛の群像。許されぬ愛の苦悩を背負い、歴史に立ち向かう、侍たちの姿!<上下巻>
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Posted by ブクログ
幕末の北海道(蝦夷地)に赴いた秋田藩の武士の物語。とても興味深く面白かった。この時代の北海道がどんな感じだったのかを初めて知った。もともとは蝦夷人(アイヌ)の住む世界だったわけで、そこへ和人がきて最終的にはアイヌの生活も文化も奪ってしまったのだなぁと思った。
蝦夷人に対してひどい仕打ちをする者もいる中、主人公の香織や運平のような好意的な人物もいて。蝦夷人の子テケバセと良太郎、ショルラ、センケ、印象的な登場人物が多い。個人的には運平が一番男気があって魅力的だった。
シセクがあのようになってしまったのは和人が蝦夷人の世界を壊してしまったからなのだろうな。