あらすじ
その日、歴戦の冒険者パーティーに所属していたニックは、父のように慕っていたリーダーから追放を言い渡された。だらしない仲間たちのため、金勘定や知識面などで彼らを支えていたにもかかわらず、横領の濡れ衣を着せられて。
恋人にもフラれ、すっかり落ちぶれてしまったニックだったが、偶然にも酒場で相席になった元貴族令嬢、破門神官、女竜戦士と意気投合する。
三人もまた誰かに裏切られて、人を信じられなくなった冒険者たちだったのだ!
誰も信じられない者同士だからこそ、共にやっていけると考えたニックたちは、生き残っていくために冒険者パーティーを結成する。
「それじゃあ、オレたちはこれから【サバイバーズ】ってことでどうだ?」
人間不信の冒険者たちが、最強のパーティーとして歩む冒険譚、ここに開幕!
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Posted by ブクログ
冒頭一行で「ああいつもの追放系か」と思ったがちょっと毛色が違う。
この巻で元のパーティが没落するわけでもざまあするわけでもなく、実はパーティ最強の存在だったわけでもない。
それぞれが人間不信に陥る経緯を描写した上で彼らがパーティを組むまでが序盤に描かれる。
吟遊詩人狂、ギャンブル狂、色街通い、美食家。それぞれが放蕩癖をもった完璧とは言えないキャラクターたちが読み終える頃には愛おしくなっていることだろう。
キャラクター成長もの
パーティーを理不尽な理由で追放された主人公が、ひどい裏切りを受けた3人(のちに1人追加)と組んで、失ったものを取り戻し、自分たちの未熟さと対峙して成長していく物語。異世界を舞台にしたジュブナイル小説といった感じです。
なろう版に比べて登場人物の心理描写がかなり盛られています。また、中盤以降は展開やキャラクターの役柄などがかなり違っています。
6巻全部読んだ感想としては、
・ゼムの描写がかなり大盛りに
・ラストバトル前、ニックとカランは受動的に、ゼムとティアーナは能動的に過去と対峙。特にゼムの経緯が気になる人は読んでほしい。
・後半はSF風味ファンタジー
・序盤から伏線はあるものの、5〜6巻は世界観設定説明多め
戦闘描写に関しては、序盤は変身合体風味でラストは佐々木淳子の「那由他」(…をキャラクターが否定する選択)
ラストバトルが設定説明気味でしたが、キャラクターの成長物語として面白かったです。