【感想・ネタバレ】メインテーマは殺人のレビュー

あらすじ

自らの葬儀の手配をしたまさにその日、資産家の老婦人は絞殺された。彼女は自分が殺されると知っていたのか? 作家のわたし、アンソニー・ホロヴィッツは、ドラマ『インジャスティス』の脚本執筆で知りあったホーソーンという元刑事から連絡を受ける。この奇妙な事件を捜査する自分を本にしないかというのだ。かくしてわたしは、きわめて有能だが偏屈な男と行動をともにすることに……。ワトスン役は著者自身、謎解きの魅力全開の犯人当てミステリ! 7冠制覇『カササギ殺人事件』に並ぶ圧倒的な傑作登場。/解説=杉江松恋

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分の葬儀を依頼にきた老婦人が6時間後に絞殺死体で発見される。元刑事と作者がホームズ、ワトソンとなって事件を捜査するのだけど、初めて取り組んだ事件なので相手のことも手探りで理解しながらなので、なかなか噛み合わないところも面白い。大胆なトリックではなくて、人間関係を深堀りしていくことで核心に迫っていく経過を楽しむ小説。ページを繰る手が止まらない傑作

0
2026年03月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『カササギ殺人事件』のアンソニー・ホロヴィッツは、ホロヴィッツ本人が出てくるシリーズもあるということで読んでみました。


資産家の老婦人ダイアナ・クーパーは葬儀社を訪ねて「わたし自身の葬儀の手配をお願いしたいの」と依頼した。葬儀社にとってこのような依頼は決して珍しくはない。契約は滞り無く行われた。だがその6時間後、ダイアナ・クーパーは殺された。
自分の葬儀手配の当日に?彼女は自分の身の上の危険を察していたのだろうか?

…という話を脚本家で作家のアンソニー・ホロヴィッツに知らせたのは、彼が担当する警察ドラマのアドバイザーのダニエル・ホーソーンだ。彼は元刑事で、なんかやらかして辞職したらしいけれども今ではロンドン警視庁の顧問として事件捜査に協力しているらしい。
そして経済的な理由でホロヴィッツに「俺の捜査に着いてきて推理小説を書いて、利益は折半にしないか」と持ちかけてきたのだ。

物語を作る作家ホロヴィッツと、現実重視のホーソーンは根本的に創作の考えが違う。ホーソーンは「被害者は何時に起きて、何番線の電車に乗って、どこに行って」を正確に書くべきだ、という。だって「朝起きた時間と、出かけた時間に乖離があったら、その間になにかがあったかも知れないじゃないか」とわかるのだから、そこに「ゆっくり朝ご飯を作って」なんて創作してはいけない。
ホロヴィッツは、事実ばかり並べても読者は興味を持たない、読者が興味を持つのは探偵がどんな人物なのか、被害者が訪れた先のノックの音がどんなふうに響いたか、などの描写も必要になる、と言う。

こんな感じで探偵小説のお約束でもある「鋭い観察眼だけど説明しない名探偵と、推理はズブの素人の記録係り」コンビができるわけですが、この本の作者自身が「自分は名探偵より賢くないワトソン役のままでいたくない!」とジタバタする様子が面白いですね。
売れっ子作家で脚本家であるホロヴィッツ自身が「本当のこと」として書いているので、彼が書いたドラマや小説の話、実在の芸能関係者も出てきます。わかりやすいのは、ある登場人物の紹介として「パイレーツ・オブ・カリビアンの最終オーディションに残ったが、その役は結局オーランド・ブルームが演じることになった」と書いているので、その登場人物の容貌とか雰囲気とかがわかりますよね。
他にも「刑事フォイル」「スピルバーグが作成した映画タンタン」「王立演劇学校(RADA)」なども出てくるので、実際に観劇したりドラマを見ていたらもっと面白いと思います。

名探偵役であるホーソーンはかなりイヤーなやつで、白人で差別思想などもあり「普通ではこんな人物を主人公にはしない」というところを敢えて突いています・笑
しかし物語の中盤で事件関係者たちのもっとイヤーーーな面が現れるので、嫌なやつだけど悪人を捕まえるホーソーンがマシに見えてきました(-_-;)

推理小説としてはホロヴィッツが「現実を書きます」と言っているんだけど、やっぱりお約束の推理小説を取り入れてエンターテイメントにしています!という遊びココロたっぷりです。
ちょっと気になったのが「現実です☆」といいつつ、一番最後の場面がドラマや映画そのものすぎちゃって(^_^;)

事件の方は…

※※※以下完全ネタバレしています※※※









まあ「お約束」に則っているので、犯人が葬儀屋のコーンウォリスっていうのはわかります。棺にレコーダー仕掛けられるのって彼しかいないじゃん!葬儀に出席していなかったのもわざとらしいし。コーンウォリスの家に行ったときに、作者ホロヴィッツが「彼は過去に空白期間がありますよ」って分かりやすく書いていたし、芝居に関して妙にこだわっていた。そう思えば最初の被害者が葬儀屋に行ったってことを知ってるのもコーンウォリス。
しかし動機は勘違い。てっきり「交通事故の犯人はダミアン。コーンウォールは演劇学校でダミアンを知っていたので恐喝していた。ついに断られたかなにかで殺した。だからダミアンに会いたくなくて葬儀に欠席した」かと思いました。(コーンウォリスがダンだとは分からなかった。日本人感覚だと、偽名で学校入学って概念がないからなあ)

しかし子供を跳ね飛ばして立ち去った運転手とか、事故を目撃して立ち去った謎の男があまりにも胸糞悪い。男の言い訳と悔恨を聞いたホロヴィッツは少し同情していたけれど、でも彼って「不倫がバレたこと」を後悔しているのであって「不倫したこと」と「自分の名前を呼ぶ息子を無視して逃げた」ことは後悔しないよね。この男は「自分に何ができたんだ!」っていうけれど、朦朧として自分の名前を呼ぶ幼い息子の手を握ることができたじゃない。それを「自分を目撃した息子が悪いんだ」とか、不快!不快!不快!!

私は年齢を重ねて、子供が酷い目に合うものはかなり堪えるようになっています(-_-;)

0
2025年10月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分の葬儀を手配したその日に、資産家の老婦人が自宅で絞殺されるという衝撃の事件から始まるミステリーです。

元刑事のホーソーンと、作者本人であるアンソニー・ホロヴィッツが凸凹コンビを組んで真相を探ります。
この小説の最大の魅力は、作者自身が語り手として登場するメタ構造。取材から執筆までの過程が物語に織り込まれていて、「これ本当にあった話?」と錯覚するくらいリアリティがあります。

ホーソーンは頭が切れて観察力抜群だけど、とにかく冷たくて偏屈。
情報をほとんど明かさない彼に振り回されるホロヴィッツの姿がコミカルで、まるで現代版ホームズとワトソンのような掛け合いが軽快に物語を盛り上げてくれます。

誰が犯人かを推理する王道の展開で、伏線が丁寧に張られ、推理しながら読めるのが楽しいです。
ただ、英語圏の文化が絡む謎は少しハードルが高くて、私には完全に解けませんでした。。。
それでも解決の鮮やかさと意外性は十分に面白かった。

本格ミステリ好きにおすすめの一冊。

0
2026年04月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

久しぶりに海外作家の作品。著者については知識ゼロで、たまたま古本屋でおすすめされていたから〜という理由から買ったもの。買って良かったと思う。

作者自身をワトソンポジに置き、ホームズ役にはホーソーンという元刑事。
作者本人を登場人物にしていることから、よく見るミステリものより、ユーモアがプラスされた感じ。
わちゃわちゃ感があって個人的には好きだった。人物同士のやり取りも、やはり海外という感じのラフな場面が多かった。
何よりホーソーンという人物。気難しくてひねくれてて、あたかも1匹狼な感じを漂わせていたのに。なんだ可愛いじゃないかあなた!!と中盤で一気に印象が覆る。意外と少年チック?な人。キャラクターとしてとても好き。
聞くところによると、彼が出てくる作品は他にもあるらしく……。ぜひ読みたいと思う。

作者自身が出ているため、ミステリには付き物な「血なまぐさい危機的状況!」はないとタカをくくっていたが、まさかの終盤で作者が刺されて衝撃。
まぁ作者視点で書いているのだから、死ぬことは無いだろう……という予測もついたが。

0
2025年10月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

実在の人物が主役的な話が苦手だしホーソーンのキャラも受け付けなかったので一度は投げ出したけど、再挑戦してちょっと我慢して読んでいたらめっちゃ面白かった。容疑者たちのキャラクターも良いしホーソーンについても色々気になってしまうし結局一気に読んでしまった。

0
2025年10月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「実際の殺人事件」であるため著者自身も事件がどう進んでいくのか予想できない、という設定をどう使っていくんだろうと思いながら読んでいた。これが日本のミステリだった場合、より技巧的でメタ的な手法を用いたと思う。それこそ「事実から大幅に改変している」とか。法月綸太郎の「死刑囚パズル」みたいな感じでね(これは作品冒頭に書いてあるからネタバレじゃないよ)。本作では結局「推理小説として最初から構成を練ってるわけじゃないから話の大半は事件の本筋とはまったく無関係だよ」というネタ。思わせぶりに書かれていた「損傷の子」や多くの事件関係者に聞いてまわった10年前の交通事故の因縁とはまったく無関係で、探偵役も「さて」と言って推理を始めることもなく、ワトソン役の著者がちょっとした思いつきであっさり解いてしまう。公然の赤にしん。大胆なことをするなあ、と思う一方で、日本の新本格が好きな手前、メタ的な立場からの読者への嘲笑を含まない本作はどこか物足りない。様々な思わせぶりな要素が全部関係なかった!という脱力的なネタをやるためにもここまでの尺が必要だったということはわかるのだけれど、やはり苦労して読んだ長さに見合うほどの驚きだったとは思えない。
もうひとつの大きなトリックとしては、「夫人はそもそも希死念慮を抱えていた」というものだが、思わず読み流してしまういくつかの描写がしっかりとそれを示唆しているという手並みは鮮やか。ただ、「損傷の子」が綴り間違えだった、など日本の読者からだと知識的に気づくのが難しそうで、うーん……けどこれは小説のせいじゃないし。
ホーソーンが同性愛者を嫌悪している話などもなにかミステリ的な意味を持つのかと期待しながら読んでいたが 、あえて言うなら「これは"フィクション"じゃないからウェルメイドじゃないこともあるよ」的な布石というくらいで、「ポリコレ」への当てこすり以上のなにかではなかったのも残念。

0
2026年01月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

はじめてのオーディブル
なかなか話に入り込めなくて
読み終わるまで3ヶ月ぐらいかかった

結果的に関係ない話が多いように感じた
ミスリードのために無理やり入れ込んだような?

0
2026年01月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

予備知識を入れずに読んだら、有名な映画監督や俳優さんが実名でざかざか出てきてびっくり。
今やコンプライアンス的に言っちゃだめなこと言う探偵が、絶妙に感じ悪い。
(謎の提示や展開が面白いので、読むのがいやになるほど不快ではない。今時こんなん書いて大丈夫なの?とは思う)
訪問するおうちのインテリア描写がこれでもかと出てくる。おうちに住んでいる人の現状が反映されているんですね。
そこに手がかりが隠されてるんだろうなーと思ったけど、気づけなかった~
最後の方は、結末が知りたくて一気に読んだ。
ミステリとしては面白くて展開にも納得。
価値観が合わない昔の本を読むようなキツさがあるかなあ。

0
2025年08月10日

「小説」ランキング