あらすじ
昭和20年。疎開先で妹・真那子が神隠しに。11歳の少年・遠野心造は、妹を探し巨大な屋敷に足を踏み入れる。謎の犬「しっぺい太郎」に助けられ、怪異と戦う心造の胸には、いつしか紅蓮の野望が芽生え――
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怪談の始まり(きっかけ)は悲しい不幸な話なんですよね…なのでホラーは最終的に切なさが強く残ります。本作も例外なくですが更に深みがあるかもです。特殊なアイテムがいくつも出てきて○○病擽られたりもします笑。今後映画化
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民俗学をベースにしたホラー。雰囲気は和製ホラーというより、エンタメ感があるかな。
私の予想としては零 濡鴉の巫女プレイしているのでは。
まさか香苗が主人公になるとは。ラストは予想の範囲だったけど、灯りをめざして妖を呼び寄せ、灯りを消して脱出するというのは面白い仕掛け。
演出だろうが香苗には最後までイライラしてしまった。こういう人が生き残るんね…って。
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東京空襲によって疎開を余儀なくされた少年・心造は、山中にて行方不明になった妹・真那子を探しに行くが、怪異に満たされた屋敷から出られなくなってしまう。
霊験を得た狼、しっぺい太郎の力を借り、怪異に立ち向かおうとするのだが……。
話の主軸は妄執であり、それに囚われた人間を解き放つには、真摯な願いということか。
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めちゃくちゃ面白かった。結構なボリューム感の割に、すらっと読ませてしまうストーリーに引き込まれた。
しっぺい太郎がとっても可愛くて感情移入してしまって…うん。
単なる山の化物屋敷のお話かと思いきや、意外な展開に後半は振り回されて楽しかったー。
ラストは予想とだいぶ違ったけど感動しました、とても素敵。
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先の戦争時の疎開の様子からチラチラと読み始めて行ったが、山中の屋敷の辺りから一気にのめり込んでしまった。
恐ろしくも美しい第1章の終わりから2章目に入ってはっと我に返った気がする。
久々に長い物語を読んだので時間は掛かったが、心に残るものを読んだ充実感大。
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妖怪と神器と民間伝承が組み合わさった珍しい部類のホラー作品だった。文体は硬めで、日常ではあまり使わない表現や漢字が多用されているため、民間伝承を題材とした今作に合っているように思えた。
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あまり読んだことのないタイプのホラー。一章は少しだるかったけど、二章に入ってからのスピード感がすごかった。戦争の描写はいつも胸をえぐられる。
二章に入ってから急に鬼滅感が出たというか、鼓鬼の屋敷に迷い込んだ時と似てるな…と思った。最後の鬼のくだりはちょっと唐突すぎて分からなかったかも。
心造がただただ痛々しい。
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読むのに時間がかかった。 ストーリーは面白いが、民俗学の本、伝承説を読んでいるようでもあったので、そっち方面が好きな人にはお勧めかも。 哀しいが、ラストにホッとした。
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第24回日本ホラー小説大賞受賞作。
もともと遠野物語に登場する迷い家の伝承に興味があり、今市子の「百鬼夜行抄」やその他フィクションで引用されるうちに好奇心が湧いたので購入。
帯で錚々たる顔ぶれが絶賛しているが、特に宮部みゆきと漫画家の漆原友紀(「蟲師」の作者)が褒めているのは納得。そりゃこの二人なら気に入る。綾辻氏と貴志氏もわかる。
学童疎開で田舎にやってきた軍国少年の心造が、行方不明になった妹をさがして迷い家に至る和風ホラー。
田舎の悪ガキと疎開児童の対立があったり、心造や香苗が東京大空襲のトラウマを背負ってたり、当時の世相と迷い家の不気味な存在感を絡めた展開が見事。
文章も達者で饒舌、心理描写も上手くグイグイ読ませる。良い意味の玄人っぽさ。
中でも心造が屋敷で出会う霊宝の目録にはわくわくさせられる。
迷家に保管された妖ゆかりの道具の由来が数行しるされているのだが、この怪異憚が本当に面白く、ここだけ摘まみ読みしても高揚をおさえきれない。
次はどんな奇想天外な無双アイテムが出てくるのか……心造の相棒となる犬もとい狼の妖、しっぺい太郎も非常にいい味をだしてる。
高慢で狡猾で低俗で誇り高い、「ぐふふ」と笑い自分の知名度の低さに本気で落ち込む彼のキュートさと邪悪さにはときめくこと必至。
第二章は時代が飛んで視点人物も変わるが、迷い家に滞在している間に心造に起きた変化、彼が侵された憎悪と絶望に起因する狂気にぞくりとする。
霊宝を組み合わせて威力を倍にする、または欠点を補うという発想も秀逸で、機転を利かせ窮地を切り抜けてく姿は痛快。それがのちに大参事に繋がるとは……永久に時が止まった隠世と終戦を迎えた現世の隔絶の残酷さが感慨深い。
クライマックスのスペクタクルは、荒俣宏の「帝都物語」を彷彿とさせた。
ラストは少しわかりにくいがあまり書き込みすぎても興ざめなので、余韻が残る終わり方ととれるだろうか。
全く話は替わるが、学帽学ラン短パンの規律正しい軍国少年スタイルで日本刀や短刀を振り回す心造のビジュアルはマニアックな向きにはたまらない。
シリーズ化するかこれのみで完結かはわからないが、もし続編があるなら迷い家にやってきた様々な境遇や価値観の迷い人たちと、彼が交流する話になるのだろうか。
その趣向も楽しそうなので実現したら読んでみたい。
Posted by ブクログ
RPG風。児童向けのホラー入門という感じ。第一章、第二章それぞれの主人公には感情移入できず…。
遠野物語を読んでいれば、各所に出てくるアイテムについての説明書きを楽しめるんだと思う。小学生〜中学生で読めていたら面白かったのかな。
遠野物語をもう一度読み返そうと思う。
Posted by ブクログ
なんかRPG作品を読んでいるような気分でした。
ゲームで言うなら"鬼武者"てきな(笑)??
(鬼武者はもっと時代は古いけど。)
時代は大日本帝国で、戦争中だった頃に
大空襲にあった心造は古森塚に疎開。
そこから、不思議な屋敷に迷い込んで、出れなくなる話。
屋敷内にある霊宝・妖怪とか登場します。
"霊宝"はRPGでいうとアイテム的な感じになりますね。
"妖怪"も”河童”とか"雪女"とか絵本で見かけるキャラ
ばかりで、とても分かりやすくて面白かったですが
難しい言葉や漢字とアイテムの説明書きが
多くて(汗)、少し読むのが大変でした(笑)
屋敷への脱出方法はシンプルで分かりやすかったので
アイテムとかは別に多くなくてもよかったかな~と
思ってます!
(使わないものもあったし(笑))
ですが、久しぶりにダークファンタジー系の
小説が読めて面白かったです!!
変わったホラー小説も悪くない!
Posted by ブクログ
いなくなった妹を探しに迷い家に踏み込み、妖の存在と迷い家の役割、霊宝の意味を知っていく生粋の軍国少年・心造。
当初の目的を遂げた後も、その軍国主義が魑魅魍魎巣食う迷い家で必死に生き延びた彼の最大の支えというのは何より切ない。
新しい時代に導く香苗の叫びよりも、子どもが否応なく大人と同じ覚悟を持たされた時代の悲しみが心造の魂の叫びとして弾けて胸を突く。
霊宝という名の道具としての各地の民話や伝承の中のワードに高ぶる気持ち。それらの解説文がもっと読みやすければ、更にこの異彩を放つ世界に没頭できた気がする。
しっぺい太郎って早太郎のことだったのか~。子供の頃に読んだ民話の記憶が蘇る。一気に話の中の存在が近くなる。