あらすじ
2018年、M-1審査員として名を轟かせた芸人が漫才を徹底解剖。M-1チャンピオンになれなかった塙だからこそ分かる歴代王者のストロングポイント、M-1必勝法とは? 「ツッコミ全盛時代」「関東芸人の強み」「フリートーク」などのトピックから「ヤホー漫才」誕生秘話まで、“絶対漫才感”の持ち主が存分に吠える。どうしてウケるのかだけを40年以上考え続けてきた、「笑い脳」に侵された男がたどりついた現代漫才論とは? 漫才師の聖典とも呼ばれるDVD『紳竜の研究』に続く令和時代の漫才バイブル、ここに誕生!
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Posted by ブクログ
中村計が「笑い神」を書く前に刊行していた…というかこれを書いたからこそ「笑い神」を書くべきだと考えたんだと思う…1冊。
ナイツの塙(ヤホーで調べたっていう方)へのQ&Aインタビュー形式、全90問でM-1を分析し徹底解剖する。ナイツはM-1優勝を逃しているのでタイトルが「言い訳」となっているが、なんのなんの、これは言い訳ではなく、負けた要因を徹底分析し捲土重来を期すための作戦ノートである。
お笑いはある意味アスリートである、という立ち位置は本作でも「笑い神」と同様で、4分という時間でいかに観客を温め爆笑という「うねり」に持っていくか。歴代優勝者や惜しくも敗れ去ったコンビたち、そしてナイツ自身の傾向と対策が惜しげもなく語られている。
我々観客はそういう分析を知らずとも、漫才師の仕掛けに乗っかってゲラゲラ笑えればそれで充分なのだが、それでも、そのお笑いの下に潜む仕組みの妙を知ることもまた、観客であり読者の醍醐味なんだなと思う。
しゃべくり漫才に最適な言語、関西弁しかしゃべれない俺は、漫才師ではないけど、言葉のリズムとテンポ、間合いをしっかく意識して、いい会話を日常でも行っていきたいなぁとか、そんなことも考えたりした。
Posted by ブクログ
この本のここがお気に入り
「ツッコミというのは、相手を貶めることではありません。どんな方法でもいいから、笑いに転化させればいいのです。それは優しい言葉でもいいし、動きでもいい、スリムクラブのように「間」でもいいのです」
Posted by ブクログ
そもそもM-1は吉本がお金を出し、吉本が立ち上げたイベント。吉本が所属芸人のために設けた発表会なのです。そうかもね。
年々、新しい形の漫才を追い求めている結果、初出場コンビの方が有利というのはあるかも。
漫才コンビによって、合う舞台と合わない舞台、合うネタと合わないネタがあるということについては、競馬の短距離が得意な馬と長距離が得意な馬に例えられてわかりやすい。どの場面でも対応できるかどうかが、腕のみせどころになるのかな。