あらすじ
ヴァンスに会いにいくと、高齢と疾病のため、老い先短いことを悟った老人から、大学生の頃知り合い、妊娠させながらも、親に仲を裂かれたメキシコ人の恋人を、あるいはもしその子どもがいれば、探してほしいと頼まれる。ヴァンスは未婚で、ほかに子孫はおらず、彼が亡くなれば莫大な財産の行方が気になるところで、もし血縁者がいれば、会社の将来を左右する事態になるかもしれず、そのため、会社側の利益(ひいては自分たちの利益)を優先させる行動に出る重役たちがいることが予想されるため、調査はくれぐれも極秘でおこなってほしい、と念を押される。また、この調査に関する報告は、かならずヴァンス自身にのみおこない、ヴァンス以外の人間から調査への問い合わせは一切しない旨、告げられる。 一方、同僚刑事と連続婦女暴行事件捜査を進めるなか、同一犯によると思しき暴行未遂事件が起こり、事態が急展開する。
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Posted by ブクログ
(上巻より)
ミッキー・ハラ―の助けを得ながら、
人探しと暴行事件を追うハリー。
大金がかかっているせいか、
どうしても大富豪の子供探しの方に関心がむいてしまう。
大金がかかっている以上、
受け継ぐ者たちが危険にさらされるのでは無いのかと、
はらはらした。
ハリーの活躍は相変わらずで面白いが、
相続がらみの事件はあっさり片づくし、
往年に比べると全体的に落ち着いた感じ。
娘との関係もそれほどひりひりしないし。
そういえば、娘は警察官になりたいって言って気がするけど?
とにもかくにも、久しぶりにハリーの活躍を読めて良かった。
Posted by ブクログ
連続強姦犯人の生体情報を得られるかもしれない覆面と手袋を入手して、更に盗難車情報から車のキーを現場に落としたのでは?との推理をしたボッシュ。
しかし大富豪の末裔探しが佳境になっており手が離せない。
相棒女性刑事に任せたところ連続強姦犯に拉致された模様。
署内総出で探し、そこで気づいた犯人像。
そいつの家で色々あって、さすが修羅場を潜り抜けたボッシュ、サイコパスなクソ野郎に銃弾を浴びせる。
躊躇いなく撃てるっていうのもボッシュならでは。
こっちが一段落したと思ったら大富豪の死因が殺人だということで二人の刑事の訪問を受ける。
この刑事達との駆け引きもボッシュならでは。
彼等を手玉に取りながら与えた以上の情報を得るボッシュ。
狡知に長けた66歳。
最後は忠実だった秘書が犯人として逮捕され、アーチストの孫に莫大な金が行くことに。
そのアーチストだった女性も大金を手に入れたことで自分の望みは達成できたが、これから幸せなんだろうか?みたいな終わり方。
大富豪も秘書に少しは遺してやれば良いのに、ケチなんだなあ。
しかしボッシュが使ったレンタカー等の様々な経費はどうなったんだろう?
Posted by ブクログ
女性連続レイプ事件と、巨額遺産相続人の調査。
2つのストーリーをボッシュが前者は警官、後者は探偵として追う。
ただ、この2つのストーリーは交わらない。
推理小説にありがちな交差して、複雑な展開となって、
一挙に2つとも解決する、という展開にはならない。
マディとの関係、ベトナム戦争での記憶、元警官としての矜持。
様々なことが2つのストーリーのあいだに微妙に交差し、過ぎていく。
ボッシュの日常を描いた作品と言えるだろう。
シリーズも30作目。
ファンとしてはこのような作品もあっていい。
等身大のボッシュが日々どのように考え、悩み、事件に立ち向かっていくのか。
一つ確実に言えるのは、ボッシュは筋金入りのワーカホリックということだろう。
事件に携わっていることが自身の人生への大きな励みになっているように思えてならない。
最後に、ボッシュは刑事復帰への足がかりを掴んで終了する。
やはり筆者もボッシュを探偵ではなく、刑事として描きたい気持ちの方がが強そうだ。