【感想・ネタバレ】invert II 覗き窓の死角のレビュー

あらすじ

5冠獲得ミステリ『medium 霊媒探偵城塚翡翠』、発売即重版10万部突破『invert 城塚翡翠倒叙集』に続く、シリーズ3作目!

反転、再び。

あなたは探偵の推理を推理することができますか?

嵐の山荘に潜む若き犯罪者。そして翡翠をアリバイ証人に仕立て上げる写真家。犯人たちが仕掛けた巧妙なトリックに対するのは、すべてを見通す城塚翡翠。だが、挑むような表情の翡翠の目には涙が浮かぶ。その理由とはーー。ミステリランキング5冠『medium 霊媒探偵城塚翡翠』、発売即重版10万部『invert 城塚翡翠倒叙集』に続く待望の第3作目。犯人視点で描かれる倒叙ミステリの金字塔!


invert
in・vert
【他】…を逆さにする,ひっくり返す,…を裏返しにする;
〈位置・順序・関係を〉反対にする;〈性質・効果などを〉逆転させる;
inverted detective story:
倒叙推理小説

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Posted by ブクログ

シリーズ第3弾

この設定結構好き!

自身が美人である事を自覚して、あざと可愛く見せたり、脳足りんに見せたりも計算のうち。
霊媒師に化けたり、直感で解決した風に見せたりするけど、結局は、論理の塊。

色んな見せ方するのも、自身の論理の確認の為。人を信用せず、自身すらも信じずに…
まっ!可愛くない娘ですわ!
でも、美人なんで…(^◇^;) 許してしまうという…

コロンボ形式ですな。(倒叙ミステリーね)
まずは、犯人が犯行してから、話が始まる。

話は、2つ
1つは、思春期の男の子を色気でたぶらかす感じで、徐々に明らかにしていく。
まぁ、男なら、別に思春期やなくても、即崩れそうではある…(^◇^;)

もう1つは、結構、重いか…
動機がな…キツい…
もう、イジメとか止めて!
負の連鎖がハンパない!
一つの罪が、更に、次へと繋がって…
いつ止めんねん!
大どんでん返しなんやけど、そうなんやろうけど、
翡翠を勘違いさせた理由が…
やり過ぎや!犯人!
そんな前提やめて〜!作家さん!

面白かった!!!


「城塚は、きっと、誰かが誰かを殺めたり、それで人が不幸になったりする世の中が、赦せないんだろう。放せなくて、ああいう生き方を選んだんだ。あいつのやり方はひどく馬鹿げてるが、その志を馬鹿にするつもりはない」

めっちゃ美人やけど、性格に難あり!
でも、真っ直ぐなとこあるし、許せる!

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2025年09月10日

Posted by ブクログ

城塚翡翠シリーズ第三弾。

こちらも「倒叙もの」であり、俗にいう古畑任三郎形式。
ただ、これまでのミステリと異なるのは「犯人視点」と「城塚視点」を細かく変えることで、城塚翡翠がどのようにトリックを見抜くのか、そのホットリーディングとコールドリーディングを明かすシナリオになっているところ。
特に、序章にあたるストーリーでは、まるで悪いラノベのような雑多な話が進む一方で、所々で城塚翡翠が「違和感」を感じ始め、そこから今し方起こった事件の全容を把握してしまうという、名探偵コナンもびっくりのシナリオになっている。
その後、副題になっているストーリーでは、城塚翡翠がどのような視点でトリックを読み解くかについては明かされているため、半ば駆け足で展開していきます。
城塚翡翠の情緒がどこまで真実かについては、詮索してはいけない。mediumの女子高生編での裏切りが未だに許せないので、私は彼女の言動はすべて伏線ととらえています。
ミスリードさせられる気持ちよさの連続で「もういいよ」と言いたくなりますが、それがこのシリーズのいいところです。

このinvertⅡを読みたくてmediumから読み直しましたが、なるほど倒叙ものにした方が面白さは増します。さすが相沢沙呼さんです。

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2025年07月20日

Posted by ブクログ

表紙は千葉にあるオーデンセ自然公園でのワンショットでしょうか?ミモザと翡翠。写真集出してくんねえかな?
そして亡くなった弟も気になるし。てへぺろこっつんこさん、なんて言ってる翡翠と真の解決後のエピソード。次回も期待してます。

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2025年07月09日

Posted by ブクログ

『medium』でミステリの傑作として立ち上がったシリーズがキャラものとして確立してくと読む楽しみが増えて良き。
それにしてもホームズもワトソンも女性なミステリって珍しい? 翡翠も真ちゃんも大好きなので、長くシリーズになってくれると嬉しいな。

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2025年05月05日

Posted by ブクログ

「まさかの展開の」連続。

「medium」「invert」に続き、どんどんでんでん返返し(((
とにかく予想を裏切ってきます。
倒叙ミステリ×どんでん返し=最強 だと思いました…。
めちゃめちゃおすすめです。
気になる方は「medium 霊媒探偵城塚翡翠」からぜひ。

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2025年04月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

城塚翡翠シリーズの3作目。
2作目と同様、倒叙ミステリーの形式で展開はある程度わかっているのですが、面白かったです。そのためこのシリーズはミステリーとして楽しむのではなく、人間ドラマとして楽しむのが良いかなと思いました。
今作では、翡翠と真ちゃんの信頼関係の深さが感じられるシーンが多くて大満足でした。お互いが尊敬しているからこそ敢えて口にはしないけど、最後のシーンで真ちゃんに弱みを見せる翡翠にグッと来ました。
翡翠の一貫した「殺人に正当性や正義はない」という正義感が、せっかくできた友達の正義感とは相容れない。被害者というのは何があっても報われないし、復讐するものでもないし、そもそも暴力による正当性の主張はあってはならないと再認識しました。
終盤ではなぜ翡翠が警察に利用されているのか、翡翠もなぜ協力しているのか、諏訪間さんと翡翠の関係、翡翠の弟などまだまだ謎が残されていて、続きそうなのが嬉しいです。

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2025年03月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いやー相変わらず面白い。
倒叙ミステリってこのシリーズぐらいしか読んだことないけど独特の緊張感がたまらない。

「生者の言伝」
いやいや倒叙って犯人は決まってるものだと思ってたよ。
まさか真犯人がいるとは驚き桃の木山椒の木。
蒼汰の反応が分かりやすすぎてドギマギしたけど、真相聞いてびっくらぽんでした

「覗き窓の死角」
今回はちょっと毛色が違って翡翠から事件に飛び込んだわけじゃなく事件に巻き込まれる形になったけどそれがまた良い。
トリックも斜め上で驚かされました。

作中で話題には上がったけど詳細は語られてない事件が複数あると思うからそのあたりの書籍化待ってます!

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2025年01月19日

Posted by ブクログ

やっぱこのシリーズ好きやわ~。
だんだんと翡翠ちゃんと真ちゃんの解像度が上がっていく。そして2人の内面、それもめちゃくちゃ大事にしてる価値観が浮き彫りになっていく。特に、今回は翡翠ちゃんの揺るがない思いが炸裂してグッときてしまった。

そうなんだよ、
どんな理由があったとしても人を殺していい理由なんかないんだよ。。。

男運のなさ、なり得たかもしれない友人。
あの事件の傷は深い。
翡翠ちゃんの涙の理由がなんとなく伝わった。

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2025年01月15日

Posted by ブクログ

 霊媒探偵として警視庁と連携して捜査にあたる権限を持つ城塚翡翠の活躍を描く連作中編サスペンスミステリー。
 『城塚翡翠』シリーズ3作目だが、翡翠の連作倒叙集『invert』シリーズとしては2作目となる。

 なお物語は主に、翡翠と対峙することになる犯人側の視点で描かれる。
           ◇
 夏木蒼汰は呆然としていた。
 目の前には悠斗の母親らしい女性が倒れている。彼女の腹部のあたりには血溜まりができていて、もう息絶えているのがわかる状態だ。そして、自分の手は血まみれの包丁を握りしめていた。
 外は嵐のような豪雨で、まさに風雲急を告げるかのようだ。

蒼汰はわずか15歳にして人生に絶望してしまった。学校ではいじめの対象にされ、家では母親から虐待される日々。
 どこにも安らぎの場所を見出だせない蒼汰は、ある決心をして家出を決行。悠斗という友だちの親が所有する別荘に忍び込んだのである。

 蒼汰の計画を実行する場所を探すには、山奥にあるこの別荘は最適だ。別荘への行き方や合鍵の置き場所は悠斗から聞いて知っている。そして何より、今の時期は別荘を使う予定がないことも聞いていた。
 だから無事に忍び込めたあとは安心したのか、蒼汰は2階のゲストルームで少し眠ってしまっていたらしい。

 目覚めたのは階下の物音に気づいたからだった。蒼汰は慌てて隠れようとして派手に転倒。その音を聞いて駆けつけた悠斗の母親と揉み合いになったところまでは覚えている。
 そして我に返った蒼汰の前には、その悠斗の母親の死体が横たわっていた。

 とにかくどうするかは手についた血を洗ってから考えようと蒼汰が階下に降りたとき、玄関のインターフォンが鳴った。続いてモニターから窮状を訴える若い女性の声が、甘くて可愛らしい響きをもって聞こえてきたのだった。 (第1話「生者の言伝」) ※全2話。

      * * * * *

 倒叙形式ですが、謎が最後まで明かされない作りになっていて、なかなか読み応えがありました。
 収録2話の概要を紹介しておきます。


第1話「生者の言伝」

舞台は山中の別荘。人生に絶望した15歳の少年がひとり向き合うのは女性の刺殺死体。外では日が落ち吹き荒れる嵐。

 と、結構ハードなサスペンスミステリーの雰囲気たっぷりの出だしです。
 しかも、主人公の蒼汰の置かれた状況は同情に耐えないほど悲惨です。

 学校でも家庭でも虐げられ、一大決心をして逃げ出せば友だちの母親を死なせてしまったという悔恨に苛まれる。

 うわー、これはつらい話になりそうだなあと覚悟しましたが、翡翠の登場で物語の風向きが変わってきます。

 いつものブリブリ全開で純情な少年を惑わし籠絡する翡翠。そのやりとりはコメディそのもので笑えます。
 キレイなお姉さんに翻弄されながら真っ赤になって照れ、鼻の下を伸ばしてデレと忙しい蒼汰。そしてウブな少年をもて遊びつつ蒼汰のプロファイリングをする翡翠。
 最終的には、蒼汰が懸命になって隠そうとしていた事件ばかりか彼の計画まで見抜いた翡翠が、驚きの真相を解明します。

 胸がすっきりの第1話でした。


第2話「覗き窓ファインダーの死角」

 ある日の午後。カフェでティータイムを楽しんでいた翡翠は、1人の女性に声をかけられます。その女性の名は江刺詢子といい、プロのフォトグラファーです。

 詢子は翡翠の自然な佇まいから放たれる美しさに惹かれ、さらに翡翠が読んでいたミステリーのファンでもあったことで、つい話しかけてしまったのでした。
 意気投合した2人は名前や職業、連絡先等の情報を交換するまでになります。
 翡翠にとって仕事絡みでない、生まれて初めての友人でした。

 ところが、詢子はかねて練っていた殺人計画に翡翠を利用しようとします。具体的には翡翠にアリバイの証人になってもらおうとするのですが……。

 本作は翡翠ファンにとって、かなり読む価値があると思います。

 理由の1つ目は、翡翠の素顔がかなり明かされるということです。

 超然とした感じがする翡翠ですが、同性に嫌われることや、そのため友だちができないことを気に病んでいることがわかります。詢子を信頼し心のうちを見せてしまう場面は、これまでの翡翠像とは明らかに異なります。
 そして初めてできた友だちを追い詰めねばならないことに動揺し、葛藤する翡翠の様子は痛々しいほどでした。

 他には、真に対する甘えや依存心は素から出たものであり、ともすれば無防備に思えるようなところも素の翡翠であって、微笑ましく感じました。
 

 理由の2つ目は、翡翠の生い立ちの一端が明かされるということです。

 幼い頃に両親を亡くしていること。
 その後は、弟とともにロンドンで育ったこと。
 弟はロンドンで亡くなり天涯孤独になったこと。
 さらにこれらプライベートの事情は真でさえ知らないこと。
 きっと続編以降で、翡翠と警察官僚との関係や、翡翠が殺人に対して見せる厳しい拒絶姿勢、さらには真との出会いのいきさつなども、徐々に明かされていくのでしょうね。
( 早く読みたいです。)


 翡翠の背景が見え始めたことで、1人の人間としての存在感を感じるようになってきました。その意味では、謎解き以上に楽しめる作品だったと思います。

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2024年03月23日

Posted by ブクログ

冒頭の少年っ あれ、何目的で侵入?

今回は、女性1人で成し遂げるにはパワフル過ぎる手口。そんな訳で、読み終わる頃には登場した時の印象が超マッチョに変わってしまったわ。
まだまだ翡翠さんとお別れせずに済みそうなのも嬉しい終わり方!
てか、証拠捏造疑惑が取れない偶然が多すぎてw今回もやられた!!!おもしろかった。

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2025年12月02日

ネタバレ 購入済み

面白い

なぜ復讐で人を殺してはいけないのか、これほど納得のできる話は初めて見ました。
推理と同時にこう言ったもやもやを取っ払ってくれるのも、このシリーズの面白いところですね。
主人公周りの謎もこれから解明されていくのかと思うと続編も楽しみです!

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2022年09月27日

Posted by ブクログ

生者の言伝は翡翠の冷静で温かく、妖艶な仕草が見られた。覗き窓の死角では、苦悩する翡翠。倒叙ものは犯人がわかる性質上、捻りを入れないと読者をアッと言わせられない。城塚翡翠シリーズは一歩先を見せてくれる。

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2025年09月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ



読んでいるときは城塚翡翠に嫉妬をして、少し嫌な気持ちになるのに続きが気になって一気読みしてしまう不思議なシリーズです。

作者の相沢さんの文章力なのでしょうか...

人が人を殺す理由難しいですね。
毎度毎度、推理をせずに解決編まで読んでいますが毎回楽しませてくれる作品です。

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2025年08月17日

Posted by ブクログ

2篇の倒叙ミステリ。じわりじりと追い詰めていく感じがなんとも言えない。
読み返して答え合わせがしたくなる。

「覗き窓の死角」
辛いなぁ。何もなければ姉妹のような親友になれたであろう2人。翡翠の孤独と強い信念が感じられる話でした。
翡翠に弟がいたことが明かされたけれど謎だらけ、まだこのシリーズ続きそうです。

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2025年08月11日

Posted by ブクログ

軽やかに謎を解いてきた城塚翡翠の苦悩と隠された秘密が次第に明らかになってきた。さらに、続編があるのか、あるはずと、期待する。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

久々に翡翠ちゃんシリーズ3作目。「生者の言伝」では翡翠ちゃんが登場人物を救うラストだったのに対して、「覗き窓の死角」は翡翠ちゃんの孤独が際立つような哀しいラストだった。翡翠ちゃんの過去が少し垣間見えたりもして、まだお話は続くんだろうなぁ。せめて真ちゃんにはずっと隣にいてほしい。それにしても久々に読んだら警察との関係など忘れてることもちょこちょこあったので前作を再読したくなった。

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2025年06月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「invert 城塚翡翠倒叙集」の続編。
mediumは絶対先に読んでおいた方が良いけど、invert読んでなくて、こっち先読んでも平気かも。

最初の話は少年が犯人前提でちょっと可哀想になりながら読んでたけど怒涛の展開にびっくりした。でも確かに少年に殺意が無いのに揉み合っただけで複数の刺し傷があったり、返り血を浴びてないのは変だった。先入観って良くない!って思った。
最後の話は解明まで私には死斑の謎が全然わからなかったから、あの時の描写がここで生きてくるのか!と驚いた。伏線を自然に混ぜ込んでくるのがすごいなと思った。前作も今作も推理として読み応えがあってスイスイ読めた。面白かった!!

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2025年05月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

覗き窓の死角のトリックは面白かった。
途中、待て待て待てと思ったところもあったけど、翡翠が浮かれてたというならそういうことなのだろう。
「ひどいペテンに引っかかったみたいな気分」には同意するわ…

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2025年04月25日

Posted by ブクログ

城塚翡翠シリーズ第3作。前作に続きの倒叙ミステリ形式。
やっぱ翡翠ちゃんのあざとカワユさが強烈で個性ある犯人と対峙するこのスタイルと相性がよい。

表題作の「覗き窓の死角」。
前作、前々作より騙し要素少なめな分、翡翠のキャラを掘り下げた事でより一層彼女のミステリアスさが深まりシリーズ物として次回作への期待も高まった印象。
メインとなるアリバイ崩しも論理の積み上げで犯人を徐々に追い詰めていく様が心地よい。決め手となる物証の意外性、伏線の貼り方、回収の手際良さもお見事。
結局、復讐心というフィルター越しにしか被写体を見れなかった犯人が悲しかったが最後まで翡翠の魔性にデレなかったその捨て台詞に「よく頑張ったで賞」を送りたい。

「生者からの伝言」。
偶然現れた名探偵に翻弄される犯人の哀れさが滑稽極まりない古畑任三郎「風間杜夫回」を彷彿させるコメディ寄りの中編。
犯人にとって翡翠との出会いは不運か幸運か。
思春期男子に翡翠ちゃんアザとかわゆさ全開ハニートラップを回避するのは無理ゲー過ぎるwww
解決編での一捻りでギョッとさせてくる当たりが流石の一言。

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2025年04月17日

購入済み

相変わらずの反転とどんでん返しで、今作も面白くて一気に読んでしまいました!
だんだんと掘り下げられる翡翠と真のキャラと関係性にもニヤリ。

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2025年04月25日

Posted by ブクログ

前作と比べて翡翠の人間らしさや想いが垣間見えて、さらに重みのある内容だったと思う。
厚みはそこそこあるけど、一瞬で読み終わってしまうぐらいハマった!

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2025年02月27日

Posted by ブクログ

 倒叙ものも好きだし何だかんだで楽しめるのだが、自分でシリーズ買い揃えたいとは思えない。一応今後に期待できそうな終わり方だった。今作は中編が2編。表題作は金田一少年にもあったアリバイトリックだったので、気付けたはずだった。不覚。『生者の言伝』は男子中学生の視点がラノベ感MAXでしんどい。シリーズ自体がライトなのでそこに文句を言うのも筋違いだろうけれど。各話で小さな謎が残されたままなのは、頑張って自分で考えろという著者からのメッセージか。文句を言いながらも翡翠の人間臭い部分が垣間見えたので、次作も読もう。

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2025年01月02日

Posted by ブクログ

倒叙ミステリーをあまり読んでこなかった私だが、前作『invert 城塚翡翠倒叙集』に引き続きとても楽しませてもらった。母数が少ないため、私がこのジャンルを好んでいるのか、相沢沙呼氏の作品が特別なのかは分からない。もしくはその両方なのかもしれない。

倒叙ミステリーというのは難しい。犯人と犯行に使われたものが一部明らかになっているからこそ、読者はすでに事件を理解している気に陥り、全体を構成している足りない部分のピースを見逃しがちになる。それが顕著に描かれたのは、第一編『生者の言伝』だ。
シリーズ全体で見てもかなり抜けている犯人である夏木蒼汰。しかも、尋ねてきたのは警察と繋がる独自のパイプを持つ名探偵。不幸というものは重なるものだ。
そんな蒼汰の唯一の幸福といえば、翡翠に引導を渡されたことだろうか。一時とはいえ翡翠や真と過ごした時間は本当に幸せだったはず。彼のこれからの人生に幸あれと、願うばかりである……と思っていたら、まさかの展開へ。
倒叙ミステリーならではの、くるりと反転するような仕組み。ミステリーにおいては「信頼できない語り手」というものが存在するが、今回は蒼汰が語り手を務めたからこそ、難しい事件になったのだと言えるだろう。

シリーズ屈指の切ない物語となった第二編『覗き窓の死角』も素晴らしかった。
友がいない翡翠にとって、久方ぶりにできた友人である江剌詢子の調査をするのは、非常に心苦しかっただろう。前作の雲野すらひと捻りにしてしまった翡翠にも、明確な弱点があることを突きつけた印象的なエピソードだ。
プロの写真家である詢子は、カメラのファインダーを通して被写体と心を通わせることができる。翡翠のような超能力じみたものではないにせよ、それは明確に描写されている。それだけでも強敵な上に、翡翠は詢子と猫を被っていないニュートラルな状態で出会っている。平常心を波立たせる常套手段が使えないのは相当厄介な状況と言わざるを得ない。追い討ちをかけるように、詢子は本格ミステリの愛読家。安易な揺さぶりも通じないときた。まったく難敵極まりない。

ファインダー越しに心を見る写真家と、微細な人の仕草から心を見る奇術師。奇しくも似た性質を持つ彼女たちがお互いに隠していることを探り合う姿は、探偵と犯人が心理戦を繰り広げている場面とは思えないほどに美しい。そして、彼女たちが互いを疑い合い、傷つけあう姿は見ていてとても痛々しい。
この表題作『覗き窓の死角』はたびたび表紙を見返しながら読んでいたのだが、涙を浮かべる翡翠の胸の内を思うとたまらず切なさで息が詰まる。遠田志帆氏の手掛けた美麗なイラストはどうしてこんなにも心打つのだろうか。
さらにラスト1ページの結末を読み、表紙を見てまだ涙腺が緩む。探偵とはかくも残酷だ。そして、正義のために己が身すら犠牲にする様は痛々しくもこんなにも美しいのだと、また彼女に教えてもらえた。

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2024年12月10日

Posted by ブクログ

城塚翡翠シリーズ第三弾。前作は翡翠のキャラにうっ…となってしまったのだが、今作の一本目はそれがうまい具合に作用して、面白い。犯人が稚拙すぎて応援したくなる、ラストも好み。二本目の方が重厚感があってシリアスな感じ。

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2024年10月22日

購入済み

面白い

犯人目線の推理小説
読者への挑戦状パートもあり、推理が好きな人におすすめ

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2022年11月17日

ネタバレ 購入済み

前二巻にくらべると

ちょっとオチが強引というか・・・。

特に『覗き・・・』の方は、たまたまが連続しすぎかな。
たまたま知り合った犯人の犯行現場をたまたま助手が・・・って。

次回作に期待。

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2022年11月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

古畑任三郎オマージュなところは良かった。
1章の犯人が少年と思わせておいて違うオチなのが流石だなと思った。
2章目はちょっと長くなりすぎたなぁという印象。トリックも、もうちょっと分かりやすくシンプルな方が良かったなぁと思った。

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2025年11月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

シリーズ3作目。

2章で展開。

1章は別荘で友達の母親を殺してしまい、そこに車の故障により立ち往生している翡翠と真がの別荘を訪ねる。真相を解明する。中学生が殺したというのは思い込みであった。

2章は翡翠はカフェで出会ったミステリー好きの女性カメラマンと意気投合し友達となった。

その女性は妹を自殺に追いやった女性を殺し、アリバイづくりのために翡翠を使う。

推理論理合戦になってるところは見どころなんだけど、自分としてはちょっと読み疲れる感じでした

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2025年10月31日

Posted by ブクログ

このシリーズの3作目であり、2部作を楽しめた。
いつものテンポで謎解きが進んでいく、飽きない小説である。
余談だが、表紙が少女っぽいので人前で開くのにちょっと抵抗はある。
その内映画にでもなれば観て観てみたい。

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2025年08月14日

Posted by ブクログ

城塚翡翠シリーズ第3作。
偶然立ち寄ることとなった別荘で、または知り合った女性との出会いで、またも翡翠は事件へと巻き込まれる。
探偵としての彼女は、自分の思う正義のためにその解決へと突き進んでいく。

相変わらず憎たらしいほどの可愛さと頭脳で事件を解決へと導く翡翠。
こういう探偵ものって、そんな都合よく事件に巻き込まれるなんてフィクションならではと思う一方で、日々事件は悲しいほどあちこちで起きているから、もしかしてわたしの隣にいる人がなんらかの事件の関係者である可能性って否定できないよなあと思う。
少しずつ明らかになる翡翠の人間らしい1面もあり、推理が楽しい1冊てした。

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2025年04月06日

Posted by ブクログ

このシリーズは全て読んでいますが、お決まりの展開で少し飽きてしまいました。
古畑任三郎シリーズが好きなので面白いかなと思ったのですが、やはり城塚の人柄がどうも好きになれず。
作中自分でも言っていますが、女性の読者はあまり好感が持てないかもしれません。
ただフィクションの人間にここまでの感情を持つのはある意味作者の描写が優れているとも言えるかもしれません。
個人的にはこのシリーズは1が1番面白かったです。

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2025年02月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ギャップ萌え、というやつがある。
ツンだけどデレる、とか、いい人と見せかけて実は…とか。その落差にキュンとなる、人がいるのだそうだ。
実は私はこの"ギャップ"が少し苦手だ。
愛想のない人は愛想のないままでよく、親切っぽい人は親切なほうがわかりやすくて好ましい。

******

本作は「城塚翡翠」シリーズ3作目。倒叙ものとしては前作の「Invert」に続き2作目となる。
1作目には「えええそう来るかいいのかそれΣ(゚Д゚ )」となったシリーズだが、それ以降は正統派?な倒叙ものとして展開されている(同じ手はさすがに使えないものねぇ)。

二作品が収録されているが、メインは二つ目の中長編と考えてよいだろう。
なんと翡翠が殺人犯のアリバイ証人になってしまうという驚きの展開。初めに彼女が感じた違和感はゆえなきことではなかった、というのも後でわかる二重の伏線となっている。細かいなあ。

あと、そうそう都合よく殺人犯のいるところに居合わせるってコナン君じゃあるまいし、と突っ込みたくなるがこれも最後に種明かしされている。そういうことか。

物語の中では、翡翠が警察に協力している…というより警察が翡翠に協力を依頼しているのは何故なのか?という実はシリーズ最大の疑問に関するキーパーソン的な人物も出てきたりするのでこれからどんな展開になるのか気になる。

ただまあ、翡翠のキャラというのがどうにも私と個人的に相性がいいとはいえなくて困る。半分は演技なのだろうが、苦手なのだ。
犯罪や殺人が許せない、気持ちが揺らいでも正義を貫くことを犠牲にはできない、まっすぐな人格と信念の人、という設定と、あのえげつなく犯人を追い詰めていく執拗さがしっくり来なさすぎて。

真ちゃんはいいキャラだと思うけど、どうして翡翠と一緒にいるのかはよくわからない。今後明らかになっていくのかなあ。

******

ツンデレキャラにはあまり萌えない私。
徹頭徹尾変人、みたいなのが好きなのは無いものねだりなのかそれとも同類を求める欲求なのか。
ギャップは深みかもしれないけど、甘いお菓子だと思って食べたらハバネロ入りでした!みたいな罰ゲームみたいなの、やっぱりいやだなあ。

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2024年11月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

結末の衝撃は1作目や2作目に比べると少ないけど、安定して面白かった。
刑事コロンボや古畑任三郎が大好きなので、要所要所オマージュしてるところも個人的には良かった。

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2024年05月20日

匿名

購入済み

収録作は2篇と少なめだが、どちらも城塚翡翠の内面が伺える内容になっている。
そして、今作まであまり深く触れられなかった彼女のイデオロギーに強くフォーカスが当てられている。
キャラの掘り下げが主軸となっていて、シリーズ三作で一番好みの作風。
城塚翡翠というキャラが好きな人は読んで損はない作品。

#笑える #切ない

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2023年02月08日

Posted by ブクログ

古畑方式は犯人応援しちゃうから苦手

最初の話しは結局、何のために別荘にいて犯人の動機ってなんだったのか説明ありました???
ちゃんと読んでなかったのかな

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2025年06月22日

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