あらすじ
殺した人から血を集め“狩人”を追う!
紅森市で、凄惨な連続殺人事件が発生。被害者は皆、木の枝に吊されて頸動脈を切られ、鶏の“血抜き”のような方法で殺害されていた。奇妙なことに、被害者の血を回収している犯人を紅森署では“狩人”と呼び、捜査を進めていく。
銃で撃たれた後、睡眠薬で眠らされて無抵抗だった被害者たち。さらに、“経済的に困窮していた”という彼らの共通点が浮かび上がる。
一方、犯行現場で黒いコートを着た長身の男が、地面に棒を突き刺していたという目撃情報が。同時に、行方不明になっていた静也の父を見かけたという証言があり、静也は父が事件に関与しているのではないかと直感する。
再び、静也の力を借りながら事件を追う遊馬。
“狩人”の正体は何者なのか? その目的は何なのか?
刑事と血液研究者のコンビが“血”を手がかりに難事件に挑む科学ミステリー、第二弾となる長編!
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Posted by ブクログ
二作目は長編ということで、連続殺人の真相を追いかける話となっているが、一つ仮説を立てては外れ、また立てては外れを繰り返すので、なかなか真相が見えてこないというもどかしさを味わう羽目に。
しかも長らく行方不明になっていた静也の父親も絡んできて(しかも父もヴァンパイア因子持ち)話がよりややこしい状態に。
果たして父親は殺人事件に関与しているのかどうか。
この点でも随分やきもきした。
最終的には「ええ!?」となりましたが。
カエルの子はカエル。
いい意味で静也は父親似だったのだろう。
二人とも自分の研究に対して真摯な研究者だった……
父と決定的に違うのは、静也には運命の相手ながら彼のことを理解してくれている相手がいたことだろう。
父はその相手と死別している点が非常に大きいと思う。
この先、この辺りで親子の道が分かれるような気がしないでもない。
殺人事件の方は、もどかしさややきもきな気持ちを抱えつつも「多分犯人この人だろう」という直観は働いて、果たしてその通りではあったのだが、真相はやや予想を外してきた感じだった。
犯人、そういうパターンかと。
過度なネタバレ回避のために詳細は伏せるけれど、個人的には予想のど真ん中から少し外してくれたお蔭で意外性を感じられてよかったと思う。
結局みんな研究者だなあ。
ただ手段なり倫理感なりが異なっているだけで。
ヴァンパイアなんて非科学的なものを扱いつつも、しっかり理系ミステリだなと改めて感じられた二作目だった。