【感想・ネタバレ】母性のディストピア II 発動篇のレビュー

あらすじ

「母性のディストピア」という戦後アニメーションの想像力の袋小路に対し、押井守は情報論的転回で突破しようとした。しかし映像の20世紀からネットワークの21世紀へと時代が移行し、「母性のディストピア」の重力が増すなか、押井の挑戦もまた挫折した。戦後日本とアニメーションが見た夢の痕跡から、新時代を開く鍵は見つかるのか――富野由悠季との最新対談、語り下ろしの「2010年代の想像力」を追加収録した決定版

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Posted by ブクログ

大部分が押井守論。映像の世紀とネットワークの世紀。ところどころ文章には引っかかるけど,イメージは共有できるものだった。

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2020年09月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

下巻となる本書は最後のインタビューを読むことで全体の理解と新たな問題意識が明確となるように構成されている。
兄弟的、BL的関係性による父になる以外の成熟の形やオールドなオタク的な成熟が希望として示されているが、本書が最初に刊行されてから5年が経過し、新型コロナを踏まえたこの国の状況は当時よりもさらに村社会化の息苦しさが進んでいる。
物語無しで、情報の束として社会を捉えることはあまりにも困難であると感じる。

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2022年11月13日

Posted by ブクログ

押井守から特撮や2016年産アニメーションについて、下巻では論じられる。

日本のアニメーションが極めてネオテニー的性質を持つこと、映像からネットワークへと時代が変遷する中で物語の構造が批評性を持ちえなくなったことが宇野常寛氏のディスコースにより暴かれてゆく。

押井守の作品についてはあまり触れてこなかったので上巻ほど解釈に対する感慨を持ち合わせることはなかったが、一見独立した(作られた年代も離散している)作品群に対して連綿と続く思想の噴出を読み取り接続している点に宇野常寛氏の凄みを感じた。

文庫で追加収録された富野由悠季氏との対談が生々しく、また富野氏がまだまだ仕掛けていく気概を読み取ることができ、富野ファンとしては嬉しいおまけだった。

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2019年08月03日

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