あらすじ
日本文学を代表する天才作家の名作11篇!
没落貴族の家庭を背景に、滅びゆく高貴な美を描く「斜陽」。太宰文学の総決算ともいうべき、小説化された自画像「人間失格」。ふたりの若者の信頼と友情を力強く表現した「走れメロス」。家族の幸福を願いながら自らの手で崩壊させる苦悩を描き、命日の呼び名となった「桜桃」など、11篇を収める。
奥野健男氏のくわしい年譜、臼井吉見氏のこまやかな作品案内と作家評伝付き。
<収録作品>
斜陽
人間失格
ダス・ゲマイネ
満願
富嶽百景
葉桜と魔笛
駈込み訴え
走れメロス
トカトントン
ヴィヨンの妻
桜桃
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
これを読んで初めて『駆け込み訴え』を読んだ。
江戸っ子版ユダの裏切りってな感じで最高に面白い。
太宰はキリスト教のワードをよく使うところから教養深い人だったのだなぁと感じた。(彼自信は信徒ではない)
それこそ、斜陽を読んだ時には、この蛇って原罪とかの話の蛇なのかなぁとか想像を膨らませた。
Posted by ブクログ
高校生のとき刺さらなかったから人間失格は避けてたけれど気になる短編や坂口安吾の不良少年とキリストなどを大体読んだので人間失格も読んだ。そしたらすごく面白い。
人間失格は太宰治の自伝的な小説てのは有名だけど、それを踏まえると斜陽、葉桜と魔笛、ヴィヨンの妻など…キャラクターの味が変わってくる。お道化をしなきゃ生きられない臆病さ。坂口安吾が言及してた彼のm.cってそういうことかい、と。嫌いになる人居るみたいだけど、太宰治がむしろ好きになった。
最後の一文が本当に美しいね。神様みたいに優しい子。