あらすじ
●組織変革に必要なのは「犯人探し」でなく、「組織メカニズムを正す」こと
組織変革の大前提は、「誰も悪くない」であり、組織課題に戦犯はいないのである。
組織課題の原因は「人」や「集団」ではなく、その組織メカニズムによる認知の歪みである。
見方を変えると、被害者だと思っていた人が実は加害者だったり、
加害者だと思っていた人が実は被害者だったりする。
実際は社内に敵は居ないのだが、意識の中で「組織」という名のモンスターは勝手に自己増殖されていく。
モンスター化した組織を正常化する唯一の方法は、組織のメカニズムを正していくことである。
本書は「組織変革の成功率は、理論でなく症例数に比例する」という考え方に基づいて、
モンスター組織化してしまった8社のリアルケースを通じて、
日本企業が陥りがちな組織課題について疑似体験をできるようにまとめている。
前半の4ケースは成長企業、後半4ケースは成熟企業が経験する組織変革の落とし穴について、具体的に紹介されている。
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Posted by ブクログ
読みやすく良書だと思います。
すこし前に「EQリーダーシップ」を読んだこともあって、さらに深く理解できました。
「理想リーダー像とはこうあるべきだ」という命題がもはや意味を持たなくなったと同様に、
「理想の組織はこうあるべきだ」という命題も意味を持たなくなってきたのかと思います。
企業が抱える課題は、外部環境と内部環境が混在した形で現れてきます。言い換えれば、企業の数だけ課題が存在しているとも言えます。
ただし、矛盾しているようでもありますが、無数に課題があるようでいてもある程度パターン化もしています。このパターンを体系化したものが「セオリー(理論)」であると思うのです。
本書はこの「パターン」を「サンプル・ケーススタディ」としてまとめて、しかも軽くセオリー(理論)づけもしてくてれいます。
組織は戦略に依存しており、戦略は経営環境に依存している。また、改善・改革は組織文化の上に行っていく。
そんな実例が載っています。
Posted by ブクログ
組織の抱える課題を誰かのせいにし続けていたら、何も変わらない。制度だけ変えても会社は変わらない。
組織は個が集まり、それゆえ、1つとして同じ組織は存在しない。常に変化している。入社もあれば退社もあり、人が変われば組織は変わる。新しいビジネスが始まれば組織は変わる。常に形のないもの、それが組織。
(家族も同じやん!「嫁は変わってしまった…」なんてよく聞く話やし、子供が成長したら家族のあり方も変わる。。。だから、夫婦に、家族に、悩みは尽きない。でも、家族の悩みを同僚のパパ友に相談しても、解決した試しがないはず。)
そんな1つとして同じものがなく常に変化し続ける組織、という対象に向き合うのは、永遠に答えのない答えを探しているようなものに感じるかもしれない。しかし、裏を返すと、あなたが向き合っているものは究極に「オリジナル」であるのだ。人生一度きり、と考えると、自分の人生かけてオリジナルを常に更新していく、こんな素晴らしいことはない。
アグリーの方は是非、この本を手にとってほしい。そして、わたしと組織について語りあってください。