あらすじ
アルバイトを掛け持ちしながら独り暮らしを続けてきた井川幹太27歳。気楽なアパート暮らしのはずが、引っ越してきた「戸田さん」と望まぬ付き合いがはじまる。夫婦喧嘩から育児まで、あけっぴろげな隣人から頼りにされていく幹太。やがて幹太は自分のなかで押し殺してきたひとつの「願い」に気づいていく――。誰にも頼らず、ひとりで生きられればいいと思っていた青年が、新たな一歩を踏み出すまでを描いた胸熱くなる青春小説。
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Posted by ブクログ
会話ってこうやってするのか…という勉強になるな
仕事以外の雑談が苦手なので…
かわいいな〜〜
こんなのあり得ることじゃないって分かってるけどでも可愛くていいな〜こんなのあったらいいな〜
「レトルトでもさ、ママが温めれば、おいしくない?」
分かる〜〜〜
「人は他人には一般論を言う。」
だよねえ?やっぱりそう思ってたよ
自分が他人になんか言うたびいいこと言おうとするたび恥ずかしさがあっていいこと言おうとしてる感を隠そうとしてたけど、やっぱ他人には一般論を言えるって定説だよね?
なんだろなんだろ、この本すごーく好き
なんだあ?この人
どこにでもあるようで、ありふれているようで、この人にしか書けない雰囲気だ
真っ向から普通の話書ける人なんて見たことない
ずっと読んでいたいようなー。
ていうかこのコミュ力、幹太になりたい
この人とのコミュニケーションに100%集中できる力、思ったことそのまま言える素直な性格、それだけの雑念がない目の前にある事柄への集中力、いろいろなものが羨ましい…
「中条さんの下のお名前を、聞いておいてもいいですか?」
「中条延興さん」
のところで横道世之介を思い出した
とてもいいお話だった
自分の生活のそばにずっと置いておきたい、通勤バスの中でちょこちょこ入っていきたい、穏やかな他人の生活
ずっとこんなの読んでいたい
これは読み終わるのがいやで、ゆっくり読んでた
Posted by ブクログ
2024/2/28
良さを言語化できないからなんとなく間隔が空くけど読んだら飛び切り面白い小野寺史宜。
フルネーム初めて変換したかも。
そして今回もやっぱり何と言っていいかわからんけどおもしろかった。
そして今改めてタイトルを見る。
「ライフ」
そうライフなんよ。この小説はライフ。その通り。
終わりからもまた素晴らしい。
このくらいの温度で沸いている感覚が私にも馴染む。
ライフだよ。
そして玄関のチャイムはウィンウォーン。その通り。
缶ビールの乾杯は「ノン」なんだって。
安らぐ。
Posted by ブクログ
■読んだ動機
この作者さんの他の本を読んで大変良かったので、別の評判良い本を手に取ってみた。
■あらすじ
主人公、井川 幹太が住む筧ハイツ102号室。
新卒で入った会社は合わずに2年で辞めて。次の会社も半年で辞めた。今はコンビニでバイトしている。
上の階202号室のドタドタがうるさいと思うが、文句が言えない。
そうこうしていると、上の回の住人、戸田さんと出会う。
戸田さんは性格は悪くないが、ややガサツな人。
そんな戸田家との交流や、同級生との出会いの中での日々が描かれている。
■感想
今まで「ひと」「まち」「いえ」のシリーズを読んできましたが、この作品でも江戸川区、筧ハイツ、あの河川敷が出てきます。そしてやっぱり主人公はいい人で。
この作者が描く主人公はいつも好きになります。
昨今の「好きを仕事に」という風潮もある中。
パンが好きだから、1社目のパン屋さんの会社を入るも営業が合わず2年で辞めて。
2社目には、好きなものじゃない方がいいと考え家電量販店に入社するも半年で辞めて。焦ってもいいことないと、今はコンビニでバイト。
隣の部屋の住人は、夢を追って役者をやっていたり。書評家をやっていたり。
主人公はやりたいことを探しているわけではないが、そんな出会いからも就きたい仕事のヒントに触れていたのかもしれない。
最後はパン屋さんで、パンを作りたいと思い、パン屋さんへ応募。
「受かりたい。そう思った。でも落ちても大丈夫。そう思えた。」という文、なんだか感動した。
■以下よかった箇所のまとめ
下の階の住人が、何も言ってこないからいいや、などと考えてはいけない。何も言ってこないからうるさくはないのだろう、となどと都合よく考えては絶対にいけない。
何も言わないお客さんも、何も感じてないわけではない。何も言わない一階の住人が2階の足音をうるさいと感じてないわけではないのと同じだ。
やりたいことが特別である必要はないんだよなぁ、そうなるわけもないよなぁって。
やりたいことがないのはダメなの思ってた。
やりたいことが何もない自分はダメだって思っちゃう
それは要するに、人から見て特別なことをやりたいと思ってなきゃダメだってことなの。でも、そうじゃなくていいかもって思った。
受かりたい。そう思った。でも落ちても大丈夫。そう思えた。
Posted by ブクログ
起承転結とかなく1人の男の人の話が続くお話だと思った。最初は代理出席として誰かの名前を名乗っていた主人公が、後に自分の名前で結婚式に出た。代理出席もしなくなって、自分を名乗る主人公の姿をみて「自分」というもとを持てるようになってきた気がした。段々近所の人との付き合いが増えていくけど最後にはほとんどの人が引っ越してしまって虚しさが残るけど、関わりを通して変わってきた考えとか人間性とか、そういうのを糧にしてここからまたライフ人生を頑張るんだろうなって思った。
Posted by ブクログ
【あらすじ】
井川幹太は平井駅から徒歩15分、築30年の荒川沿いに立つアパート「筧ハイツ」に8年半住んでいる。上の階に住むがさつくん=戸田愛斗とその家族(妻=藍奈、子供=朱奈と風斗)、大家さん夫婦、ライターの中条延興、劇団員の坪内幾乃、高校生で棋道部の郡唯樹、喫茶店「羽鳥」、母親と再婚相手の家族、コンビニバイト仲間の大下七子、結婚式の代理出席者のバイトで再会した元同級生の萩森澄穂。日常で出会う隣人達との暖かい交流の中で、幹太は自分のやりたいこと(=パン作り)を見つけ出していく。
【感想】
中条さんの死の詳細は分からないけれど、実際にありそうな日常の一部、のような平穏?な日々を描いた作品。大きな事件はなにも起きないけれど、家族や夫婦間で色々あったり、隣人と言葉を交わしたり、会社に馴染めなくて、やりたいことが見つけられなくて、…こういうのがリアルで現実なんだと思う。