あらすじ
「国家=野蛮なるもの」はいかに誕生したか? 熊をカミとする狩猟民たちの「対称性の思考」とは? 「哲学」と「権力」が共存する冬の祭りの秘密とは? 王を戴く国家が「無法の野蛮」と結びつく根源へと遡行する。
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Posted by ブクログ
熊が人間にとって神であり、友人であったこと、北半球における最強動物の圧倒的な力を前に思考を巡らすことで哲学が発展していったということには驚きました。考えてみると、凶暴な熊は人を襲ったり食べたりもするので、まだ道具がそろっていない時代には、そういう力の前に哲学的に考えることもあるように思えます。今で言うと自然災害とか宇宙とか?
また、国ができ、王が生まれるという過程についても驚かされました。
知的興奮を感じさせてくれる本でした。
Posted by ブクログ
引き続き面白いです。
…スサノオは「人食い」であった大蛇を倒すことができました。すると大蛇の持ち物であった「人食い」の特性は、スサノオの所有に移ることになり…古代人の思考では、食べることとセックスすることは一つです。スサノオは土地の首長の娘を性的に食べることによって、二重の意味で「人食い」としての王の特質をあらわしてみせています。…このとき剣は、社会の内部に自然の権力が組み込まれるプロセスをあらわすものとして、王権の象徴となります。(p.197-198)
原初、神は熊であった
というのも面白かった。し、アイヌに「熊送り(イオマンテ)」という儀式があるんだなあ…テディベアが大好きな私もそういうことなの…?って思ってしまいました笑