あらすじ
天涯孤独の葉が不幸な人生を終わらせる前、最後の晩餐にと選んだ場所は、近所の小さなビストロだった。けれど僅かな全財産では食事の代金に足りず、思わぬ無銭飲食をしてしまった葉は、店主の瑠可になかば脅されて住み込みのバイトをすることに。そうして始まった新生活は夢みたいに幸せで、瑠可や店に集う人もみんな優しく、いつしか葉は瑠可に惹かれるようになるが……? きらきらイケメンシェフ×天涯孤独のフリーター、切なくてあたたかい年の差ロマンス!!
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愛しさ溢れるお話
ひとりぼっちの仔猫はいつもの通り道にある、綺麗なレストランを覗き込んでいました。ピカピカに磨きあげられたドアガラスの向こうに憧れていました。ひとりぼっちの仔猫は、怪我をしてご飯を食べられなくなってしまい、最期にと、そのお店に入ります。
お店の主人は仔猫が通りかかるたびに可愛いな、うちに来てくれないかな?と思っていました。遂にやって来てくれた仔猫は怪我をして疲れ切っていました。主人は仔猫をこの世に繋ぎ止めるために、自分のそばで一生懸命お世話をします。仔猫はびっくりしました。こんなに優しくして貰っていいのだろうか?なぜこのお店の主人も、従業員も、お客様も暖かいのだろう?そして、世界には優しい人達もいるのだと理解します。そ元気になった仔猫はお店のお手伝いをするようになります。あの憧れのドアの内側に自分がいるのです。自分はここにはふさわしくないけれど、少しでも恩返しをしたくて。店の主人は、元気になってゆく仔猫を優しい愛情でお世話をしています。仔猫の食事は全て主人の手作りです。仔猫の身体の細胞は、主人の食事で栄養が行き渡り生き生きと活動しています。仔猫はいつしか主人に対して愛情を抱くようになります。この愛が実を結ぶ過程を、どうか読んでください。
Posted by ブクログ
雑誌で読んだ時、涙腺崩壊したお話!
天涯孤独で全てを無くしてしまった青年が、最後の晩餐を憧れのビストロでと願うところから始まる、切なくてあったかいラブストーリーです。
葉くんのこれまでの人生が、都会の一角で置き去りにされた孤独と貧困に喘ぐ若者の姿そのもので、ブラックなバイトや空腹感、絶望感がリアルに迫ってきて、悲しみがこみあげてきました。
そんな葉くんを救ったのは、「最後の晩餐」にと選んだ憧れの小さなビストロの店主、瑠可です。
全てに絶望した薄幸の葉くんは、自分が世界で一番不幸で生きる意味もないと思い込んでいて、なにもかも信じられない精神状態なので、瑠可からの厚意を素直に受け取ることができません。
そんな葉への瑠可の接し方が素晴らしかったです。
葉が遠慮したり負担に思わないように、わざと「無銭飲食」を理由にして手元に置いて面倒を見てあげるとか…!美味しいごはんで生きる気力を養いつつ、生きる自信がわくようにちゃんと仕事も頼んだりとか、心遣いがハンパない男前です。
葉はなかなかポジティブに物事をとらえることができなくて、悲観的で、瑠可に対する想いがどんどん大きくなってるのにそれもいけないことだと思い込んでいて、どうなることかと心配させられました。今幸せなことも分不相応で、いつかガツンと不運がやってくると思ってる…
だから瑠可の一挙一動に一喜一憂なんですよ。瑠可の優しさが裏目に出てしまうような事態も勃発して心配させられましたが、誤解がとけたシーンでは本当にほっとして涙、涙でしたよ…
エロ的には愛がものすごく感じられて甘い展開で、じんわりと萌え。
楽しみにしていた書き下ろし「いつまでも、いつまでも」は、両想いになって周囲にもラブラブが漏れてる二人が沖縄へハネムーン?旅行。
こんなに幸福の絶頂なのに、愛想をつかされないようにと気を使う葉くんの健気さが好きです!この献身的な姿に、瑠可への強い愛を感じずにはいられないのです。
そして、瑠可の元カレの登場がきっかけとなって、やっと葉の遠慮がちな態度が修正されて、よかったです。瑠可も本音がいっぱい出てた!ラブラブでキュンキュンなこころあたたまるエンディングでした。
木下けい子センセのイラストがぴったりすぎです。月村=木下のドはまりぐあいが最高~!
かわいいお話
読んでて、心がじんわり温かくなるお話でした。今まで幸せを感じる事が無かった葉に、いつまでも、いつまでも瑠可の愛情が注がれて、2人幸せになって欲しいです。