あらすじ
以仁王の挙兵に加担し、平氏打倒の端緒を開いた源頼政。以仁王の遺児を奉じて、平氏を追い落とし、入京に成功した木曽義仲。それぞれ悲劇的な最期を遂げる彼らは、時代の転換点となる源平合戦を準備した人物と言えよう。保元・平治の乱、宇治合戦、倶利伽羅峠の戦い、そして都落ちと敗死……。二人の源氏を軸として、皇位継承をめぐる複雑な政治的背景も織り交ぜつつ、動乱の時代を描きだす。
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Posted by ブクログ
以仁王は挙兵も令旨も出してない?
源頼政は中立の人?
折角覚えた常識がこの新書では否定されます
全ては清盛の疑心暗鬼だった
後白河院の3男で親王宣下こそされていないが八条院の寵臣えある三位局との間の子を、八条院が後継者として育ててくれて、以仁王は自分が皇位を継ぐ事よりもリスクなく荒れた政局と距離を置いて自儘にのんきに生活していたが、後白河院を幽閉した(クーデター)うしろめたさから生まれた清盛の邪推は、皇位を望む敵が以仁王になった
熊野本宮と熊野新宮による平治の乱の罪人源行家をめぐる争いは、平家の警戒する以仁王に向けられる
さて、以仁王は園城寺最大のカード「嗷訴=ごうそ」で事故の潔白・身の安全を得ようとしていたのだが、追い落としを狙う平家は之を挙兵と見做す
そのあと少しでも仲間を増やすべく考えた令旨(先にこれ=檄文があった訳ではない)は、藪蛇で王の挙兵の証憑となった
ああ、頼政の事書くのが面倒になった(義仲は書く気無い)
Posted by ブクログ
摂津源氏の傍系ながら和歌に堪能で辟邪の技能もあって朝廷に重用されていた源頼政、父の戦死で木曾で育ち平氏の侵攻に立ち向かううちに連勝したが中央政権を差配する展望も能力も無かった源義仲、以仁王の挙兵が彼らに敗北の運命をもたらしたが、その鍵は双方ともかかわり深く以仁王を猶子としていた八条院が握っていたことがよくわかった。
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以仁王とともに挙兵し、真っ先に死んでしまったため影の薄い印象のある源頼政と、悪役のイメージの強い木曽義仲にスポットを当てた本書。
義仲の生涯や、治承・寿永の乱(源平合戦)に至るまでの、源氏の棟梁としての頼政、そして2人の血を継いだそれぞれの子孫たちのその後が分かりやすくまとめられ、読みやすい歴史書でした。
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やはり歴史は細部を知ることが必要。この本を読むことでかなりいろいろ分かった。たとえば、伊豆に流された頼朝がわりと自由に暮らせたのは知行国主が源頼政で国守がその息子の仲綱だったからなどということは大河ドラマを見ていても全く分からないこと(ま、ドラマと歴史は別だが)。美濃とか近江の源氏の動きなども結構重要。等々、その辺が大変わかりやすく書かれている好著である。
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源平合戦前の朝廷、武家の関係性が良く分かり勉強になった。頼朝以前の動きが分かりやすく記述している。
ほぼ名前聞いたことがあるといった程度であった両名のことが少し分かった。関連の書籍も読んでみたくなった。
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以仁王の平氏追討の挙兵に加わり、内乱の端緒を 開いた摂津源氏の源頼政。以仁王の遺児を奉じ て、平氏を西へ追い落とし、入京に成功した木曽 義仲。悲劇的な最期を遂げる二人は、時代の転換 点となる治承・寿永の乱(源平合戦)の幕開きを象 徴する人物である。保元・平治の乱、宇治合戦、 倶利伽羅峠の戦い、そして都落ちと敗死…。皇位 継承をめぐる政治的背景も織り交ぜつつ、二人の 実像と動乱の時代を描きだす。
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前半の源頼政に関する部分が面白い。保元、平治の乱での源氏と平氏の組織の違いとか源頼政の立場など今までのイメージとはだいぶ変わった。そして以仁王の挙兵に関する話も意外な展開ですね。源頼政個人の動きと言うより平治の乱以後の平氏による政権内部の話が多かった。木曽義仲に関しても今まで知らない部分も多くあって良かった。
Posted by ブクログ
いわゆる源平合戦の前半にて敗死した二人の実像を探ると共に、当時の複雑な政治情勢を読み解こうとする内容。特に頼政について、京都政界での位置付けや八条院との関係・以仁王の挙兵への関わりなどが分かりやすい。