感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
なんだか心にぐっさりと突き刺さるような読後感だった。
タイトルの雰囲気から、てっきり、ばけものの話だと思って読んでいたけど、途中からどうやらばけものはあんまり重要なことじゃないぞ、とわかってきた。
矢野さんが、いい味を出しすぎていて、最初から何だか知らないけど好きになっていたし、読めば読むほど、やっぱりどんどんと好きになっていった。
大人になってそれなりの時間がたったいま、学生時代のいじめってどんな感じだっけ、って思い出すのも苦労するくらい自分はいじめに縁はなかったのだけれど、いや、でも、もしかしたら、本当はあったのかもしれない。
それは、矢野さんを取り巻くクラスメイトの誰かのような関係を持って関わっていた可能性は十分ある。自分が気が付いていないのか、気が付いていないふりをしているのか、それとも気が付かないようになっていたのか。
とにかく、ラストの1シーンはなんだか心にぐさっと刺さった音がした。すっきりとも、もやもやとも違う、不思議な読後感でした。
矢野さん、元気にしてるかな。
Posted by ブクログ
所々、言い回しに親しみやすさがあるのは中学生である主人公に即したものだろうか。
そんな中でも中学生ならではの厨二チックな言葉の表現や、感受性豊かな表現は読んでいて綺麗だと思わされた。
生々しさのある話、読んでいる自分自身も傍観者の1人と錯覚する。最後のページは何を意味するのか。昼と夜の自分、どちらも自身であることを認められた開放感によるものか。それとも、永遠の眠りを表しているのか。前者であると感じたが、それは私の意見であり、必ずしも誰かと同じ訳では無いとこの物語が教えてくれたのだと思う。
Posted by ブクログ
面白かった。
夜は「矢野さん」と読んで、学校にいる間は「矢野」と呼ぶ。自分では気づいていないけれど無意識のうちに、自分の中にいる二つの存在を使い分けていたのかな、と思った。
あっちーの一人称も「僕」と「俺」デスネ‼️
なぜ教室の鍵が空いていたのか、元田たちがそれを前から知っていた様子だったのか、気になった。
最後、僕が「おはよう」と返したことで矢野さつきへのいじめがおさまって行くのかと思ったが、僕もその標的となってしまうような終わり方に、リアルだなぁ、、と思った。
Posted by ブクログ
◾️record memo
誰も気がついていなかった。
ここに化け物が座っているのに。
ここに、ずるい僕が座っているのに。
本当の姿なんて、見ただけではわからない。
自分自身ですら、分かっていないのだから。