あらすじ
平等は破壊の後にやってくる
[戦争]第二次大戦後の日本 250万人戦死 トップ1%の富が9割下落
[革命]毛沢東「大躍進」 4000万人以上死亡 ジニ係数の劇的改善
[崩壊]西ローマ帝国の崩壊 あらゆる支配層の消滅 搾取の終焉・生活向上
[疫病]欧州のペスト 2000万人死亡 実質賃金が2倍以上に
……他多数
核戦争なき平等化はありえるか?
平等化に有効だった戦争と革命は、20世紀の現象だった。
21世紀の私たちはいかにして平等化を実現するのか?
スタンフォード大学古代史教授が
石器時代から現代まで、壮大なスケールで
世界各国の不平等の歴史を描き出す。
現代世界の不穏な空気を読み解く衝撃の書
世界11カ国で続々刊行!
FT&マッキンゼー ビジネス・ブック・オブ・ザ・イヤー話題作
【推薦の言葉】
「所得の不平等の歴史に関する最高の書物」
――タイラー・コーエン(ジョージ・メイソン大学教授、『大格差』著者)
「新石器革命から現代までの強力な長期分析。その点で本書を超える本はない。際立って斬新だ」
――フィリップ・T・ホフマン(カリフォルニア工科大学教授)
「挑発的な分析。理性、証拠、緻密なスタイルによって書かれている」
――スティーブン・ピンカー(ハーバード大学教授、『暴力の人類史』著者)
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Posted by ブクログ
・注釈なども入れたら800Pほどの大作.事例紹介が多くてかなり読み飛ばせるが.
・不平等の発生は資本が蓄積可能になっていることが前提(狩猟採取から農耕牧畜型の生活にシフト)
・それは経済発展と権力者による搾取的行為により拡大した.
・その解消には「暴力的衝動」が必要不可欠だったと歴史が語っている.歴史を見ると戦争・革命・崩壊・疫病.
・しかし暴力的衝動は相対的な格差を縮めたというだけで当然,人々の死や社会の混乱を引き起こしておりこれを迎合することも難しい.
・人為的な,平和的な施策では不平等の解消の効果は「暴力的衝動」のそれには到底及ばない.
政治家などの不平等解消を説得する演説も大抵が抜本的なものになり得ないだろう.
不平等の解消には「貧者が持つもの(労働力)の高騰」「富者の持つ資本の価値低下」「富者の持つ資本の分配」のどれかが強く働かないとダメで,人為的/平和的にそれを執り行うのは困難.ブラックスワン的「暴力的衝動」でしかそれができないんだろう.
・テクノロジーの発展などにより近代以前とは世界の様相は変わったが,不平等の拡大は止まらないだろう.
次なる不平等の緩和をもたらすものは核戦争?シンギュラリティ?少子高齢化による社会の崩壊?何だろうね.