あらすじ
「企業再生こそ日本の再生だ」
鞄には、再建途上で亡くなった社長の遺書と、病で亡くした娘の作文。
“命の鞄”を支えに、誰もが見放した会社を100以上復活させ、人生を、命を救い続ける男。
彼が修羅場で見たものとは?
30年以上にわたり、“絶望の中の希望”を伝え続けてきた弁護士の物語。
会社と家族を生き返らせる男、村松謙一。
倒産の危機に見舞われた会社を、法律を駆使した経営改革を行い、蘇らせる企業再建弁護士だ。
30年以上の活動のなかで、ゼネコンや宅配会社、個人商店まで100以上の会社を蘇えらせてきた。
その圧倒的多数が、助かる見込みはどこにもないとすべての人に見放され、息も絶え絶えに飛び込んできたケースである。
ダメな会社はどんどん潰した方がいい、という見方は未だに根強く存在する。
だが、「それは100%間違いだ。企業再生は日本の再生だ」と村松は言う。
依頼者に生きる勇気を与え、会社の復興と共に多くの人々が幸せになる道筋をつくり続けた男が、修羅場で見たすべてをまとめた。
※本書は2012年3月に弊社より刊行された単行本『いのちの再建弁護士』を文庫化したものです。
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Posted by ブクログ
「ドラマ化の元になったらしいよ」と友人から言われ手に取った一冊。企業再生(特に中小企業)を手掛けてきた弁護士産の経験談と想いがつまっていた。
・中小企業の再建で、経営者に責任を取らせて交代させるのはナンセンス。中小企業は、経営者の頑張りと色で成り立っている部分が非常に大きい。だから経営者を変えてしまうと、そもそも成り立たなくなってしまう。
・中小企業の数は、企業の中で99%以上。中小企業に勤める従業員の数は、就労人口の70%程度。それだけのウェイトを占める中小企業一つ一つに、取引先、銀行、利用者・ファン、従業員(とその家族)など、たくさんの方々が有機的につながっている。だから、一つの会社を助けることは、100~10000という人を助けることにつながる。潰れかけの会社を潰すより、再生してもらったほうが全体としてずっとメリットがある
・再建のために必要なもの
ー約定資金繰り表(特に重要)
ー変更資金繰り表(特に重要)
ー事業計画書(特に重要)
ー返済計画書
ー担保設定状況表
ー清算貸借対照表ならびに清算時配当率試算表
ー合理化予定・実績表
→これで金融機関に将来の見込みを説明
さらに
ー元金・利息の返済先送り
ー買掛金の支払い先送り
ー経営者含む給与の一時削減
→これらを伝えて、再建の許可をもらう。