あらすじ
「自分で考えなさい」──誰もが一度は言われたことがある言葉だろう。でも、何をどう考えたらいいのか? そこで、様々な分野で突出している達人、9人のもとをたずねて聞いてみた。「どんなことを考えてますか?」時代、社会、文化、アート、性、経済、人間とAI……、問い続け、考える達人たちとの縦横無尽の対話は深く、広く、「Think Different」のヒントにあふれている。
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Posted by ブクログ
読み応え抜群。巷に溢れるライフハック本が束になっても敵わない深く根底のところから生き方と考え方を学べる本だった。これ一冊あれば、他の本はいらないのではないか?と思えるほどに。内容が濃すぎて、問いが立てられるたびに立ち止まり考えたこともあり、読むのに1年かかりました。面白いからこそ、読むのに時間がかかったのは初めてです。
以下、自分的に感銘を受けたキーワードのメモ
・×答えを求める「では派」◯自問し続ける「とは派」成果を出すのは後者
・正しく問うことの重要性
・例外と例外として切り捨てることなく、そこには本質が隠されているかも?という姿勢が社会変革を多数生んできた(いい意味での例外)
→予防医学の事例「非常に貧しいにも関わらず栄養状態がいい子供の共通点の調査が革新的な解決策となった」
・イノベーションとなる適切な問いは「大きな視点」と「小さなディティール」
・信じることの大切さ
×カルト宗教などを極端に信じるとかいうことではない
◯世の中には自分が想像すらできないような真実があり、自分はまだそれを知らない と信じる
・直接的アプローチより間接的アプローチ
・ロイヤルの3つの問い
・内的動機→外的動機→内的動機
以下略…
Posted by ブクログ
では派:〇〇では、と誇りたがる
とは派:〇〇とは何か?と自問する
イノベーションの種となる適切な問いとは「大きな視点」と「小さなディテール」を高速で行ったりきたりすることでしか生まれない。
基本原理に立ち返るという発想はもともと科学からヒントを得ている。科学は演繹か帰納のどちらかに従って問いを組み立てるのは演繹の発想。帰納発想は困難を乗り越える問いを生み出してくれる。
思考が止まってしまうのは、問いが抽象的で難しいから。思考力のせいではなく、問いの設定が間違っている。考えろ!という指示は試合に勝てというくらい抽象的なもの。
考えるとはなにか?
1)いかにして考え始めるか
2)いかにして考えを進めるか
3)いかにして考えをまとめるか
〇〇とはなにか?(WHAT?)→どうするか?(HOW)
考えろと命令する人は制約を与えるべき。こういう制約の下でこういう問題を考えるにはどうすればいいのか?そのためには自分が何を目的としてものを考えるべきかを顧みること。
<2021.4再読>?
継続力って、小さな問い→小さな挑戦→小さな報酬→小さな振り返り
間接的アプローチと直接的アプローチの戦略の違い
論文を読む前に考える、そして人と違う事は何かを考察する
問いが抽象的すぎると考えることができない
ハウではなくてワットを考える
○○とは何か?
問いはどうやって、ということろから考えてしまいがち。
その理由はおそらく、「Why」という問いかけは宗教に特有な形式で、科学はそれに反 発することで生まれたという歴史的背景があるからだろう。たとえば、「なぜ宇宙が誕生 したのか?」という問いを突き詰めていくと「神様がつくった」というところにしかいき つかない。しかし「いかにして宇宙が誕生したのか?」と問うと、これは途端に科学的な問題になっていく。 さらに言うと、「How」を考え始める前に、「What(○○とは何か?)」がある。たとえ ば、「考えるとは何か?」という大きな問いがあるからこそ、そのあと 「How」 の形に落とし込むことができるのだ。 ここで一度整理をすると、「Why」という問いかけを突き詰めると「Who (神様)」に行きつきやすい。それゆえ科学は 「What」から問いはじめ、それを「How」という形式に変えて考えを進めまとめていく。どうもそのような構造があるらしいと最近思っている。 ここまで整理できた時に、「あーやっぱりすごい人はそういう型に従って研究しているな」 と再確認できた。
Posted by ブクログ
<目次>
はじめに 答えを求める「では派」、問を求める「とは派」
第1部 「問い」を問う
第2部 問い続ける達人たち
<内容>
最初は気づかなかったのだが、『どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた』の著者だった。あの本は胡散臭そうな雰囲気を醸し出しながら意外と面白かった記憶がある。著者は予防医学の研究者。前回の本もそうだが、この人は頭がいい上に聞き上手。第2部の錚々たる対談者からちゃんと話を聞き出している。それこそ「問い続ける」力なのだ。平和とは多様性とか、面白いことを見つけたら今日やろう、とか示唆に富む言葉がてんこ盛りである。