あらすじ
――八時三〇分。俺の炎でお前を焼き尽くす時刻だ……サーカス団の少年は恋人の胸に電極を繋いだ。高慢な太陽神に喩えられた美少年に何が起きたのか。青春の残酷なまでの輝きを映した表題作他、書籍未収録のミステリ中短篇全16篇をセレクトした傑作短篇集。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
初期作品群が中心の未単行本化の短編を集めた第二弾。こちらはより「こういうのも書いておられたんだ」というまっすぐなミステリや官能色強めなものもあり、やはり作者の懐の広さを感じるものばかりでした。
表題作や「致死量の夢」、「魔笛」あたりが艶めいていて個人的にはとても好きです。幻想混じりというより、人間の業の深さをえぐった話が多いように思います。「死化粧」は謎解きとしての物語の面白さのほかに、飄々とした語り口が良い意味で「らしくなく」、凄く新鮮でした。
近作の技巧と知識と幻惑さが極まった長編作品はもちろん大好きですが、こういった過去作品があってそれらがあるのだと思うと、大袈裟のようですが確かな「歴史」を感じられたような気持ちにもなれました。