【感想・ネタバレ】罪の声のレビュー

あらすじ

「週刊文春ミステリーベスト10」第1位、本屋大賞第3位。圧倒的な取材と着想で、昭和最大の未解決事件を描いた傑作長編小説。「これは、自分の声だ」――京都でテーラーを営む曽根俊也は、ある日父の遺品からカセットテープとノートを見つける。テープを再生すると、自分の幼いころの声が聞こえてくる。それは、31年前に発生して未解決のままの「ギン萬事件」で恐喝に使われた録音テープの音声とまったく同じものだった――。

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「きょうとへむかって、いちごうせんを……にきろ、ばーすーてーい、じょーなんぐーの、べんちの、こしかけの、うら」

かつて日本を震撼させたある脅迫事件。
被害企業との接触に使われた録音テープの声は、幼いころの自分の声だった……。
知らないところで犯罪に関わっていたことを知り、真相を明らかにするため動き出した曽根(そね)。一方、新聞記者の阿久津(あくつ)もこの未解決事件を追い始め……。

衝撃の事件の「真実」を生々しいまでのリアルさで書き切った本作。
「週刊文春ミステリーベスト10」では第1位、第14回本屋大賞にもノミネートされています。
話が進むにつれ徐々に明らかになっていく真相に、ページをめくる手が止まりません。
自分のあずかり知らないところで犯罪に関わっていたかもしれない、と自らも追われる立場になることへの恐怖を抱く曽根。反対に、不明瞭な事件の真相に近づき、得も言われぬ興奮を覚える阿久津。異なる立場の2人の、細やかな心理描写にも注目です。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

【環境】がいかに人生に影響を与えるかという面で心に残った。
大人のエゴに振り回されて、その先には富と貧で二極化。自分の日常がいかに幸せかを認識せざるを得なくなってしまった。
ソフィーの【fossil】が訳されて居なかったことで考えを深めることができた

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2026年01月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画を観てからこの本を読みました。
映画がとても面白かったので期待して読み始めたのですが、想像を遥かに越える面白さでした。

映画での台詞が原作そのまま使われている部分が多く、役者さんたちの表情や行動が事細かに書かれているため、あぁ…だからあの時こんな表情やしぐさをしていたんだとより深く読み進めることができました。内容が濃く登場人物一人ひとりの琴線に触れ感銘を受けました。

読み終わった後、もし観る機会があれば映画も一度ご覧になっていただきたいです。

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2025年12月27日

ネタバレ 購入済み

罪の声

感動した。2020年の秋に映画があると言う事なので、必ず観に行きます。楽しみにしています。

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2020年09月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

日本を震撼させた未解決の脅迫事件に、主人公の親族が関わっているかもしれないーその疑念から物語は始まる。時効が成立した事件を追う記者の視点と、加害者の親族という立場にある主人公の視点が交錯しながら、事件の真相が少しずつ明らかになっていく展開に強く引き込まれた。

特に印象に残ったのは、大人の都合によって事件に巻き込まれてしまった子供たちの存在である。彼らには何の責任もないにもかかわらず、事件に利用され、その後の人生までも大きく狂わされてしまう描写は非常にリアルで重く感じられた。一度背負わされた「過去」は簡単には消えず、大人になっても背負い続けなければならない。私自身は体験していないが、その残酷さをリアルに感じられる物語になっている。

何が何でも真実を突き止めようとする記者と、事件とは無関係でありながら「加害者の親族」という立場に置かれた主人公。真相に近づくにつれて、二人の心情は真実を追うこと「正義感」と、それによる被害者の存在への「やるせなさ」へと対照的に変化していく。

確かに事件の加害者には責任がある。しかし、望まれずに事件に巻き込まれた親族にまで、その責任は及ぶのだろうか。現代社会では、SNSやメディアによる断片的な情報や偏見報道によって、裏事情を知らないまま一方的に「制裁」の対象とされてしまうことがある。本作に描かれる加害者の親族の立場は、まさにその象徴のように感じられた。

この物語はフィクションではあるが、主人公と同じような立場に置かれている人は、現実にも少なからず存在するはず。
『罪の声』は、事件の真相だけでなく、その影で犠牲になる人生や、正義の名の下で行われる行為の危うさについて深く考えさせられる作品だった。

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2026年02月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

途中までは登場人物の関係性を整理しきれず、やや混乱しながら読み進めていたが、新聞記者が「し乃」の板前にたどり着いたあたりから、一気に物語に引き込まれた。

ただ、その板前の語りはあまりにも饒舌で、思わず「喋りすぎでは……」と感じてしまうほど。
テーラーの俊也の事を考え、その場面では鼓動が早くなった。

後半、次々と謎が明らかになっていく展開は圧巻で、ページをめくる手が止まらなかった。
重く苦しい物語ではあるが、最後に親子が再会できたことで、わずかながら救いを感じることができた。

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2026年01月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

小栗旬さんと星野源さんが演じる映画を観て、原作も読みたいと思い購入しました。
映画より分かりにくかった部分が細かく描写されており楽しめました。結構映画では削られてたんですね…。映画同様に好きなシーンは、やはり生島家族で亡くなった姉の声を聞くシーンでした。"声"により波乱の生活を送る様になった一家。罪の象徴でもある様に扱われていた声ではありますが、最後にはその声で失われた家族の時間を補う存在となった事に深い感動を感じました。
阿久津と俊也がバディとなる部分は映画と違い最終盤。そして曽根達雄との対峙もまた中盤という展開。この部分に関しては映画も原作もどちらも良いですね。
面白かったです。

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2025年11月05日

ネタバレ 購入済み

社会批判する者の極端な論理が

主犯格の一人は、動機を「自分が社会に希望が持てなくても、誰か社会に希望を持つ者(今いる社会が、絶対的の基盤だと信じる人々)に空疎な社会を見せることができる。」と語る。インタビューをした記者は、強い憤りを感じた。「金が欲しいわけでもなく、権力や資本主義に一矢を報いるためでもなく。ただ、砂上の楼閣を建てるため青酸菓子をばらまく」。砂上の楼閣は、脅迫文の録音の主である幼い子供のその後の人生であり、その家族や犯人と関係者のその後でもある。戦後20年が過ぎたころから戦争を知らない世代が、中心的に、幸福の理想を求めた反帝国主義、反資本主義、社会民主主義、新自由主義など運動を起こした。しかし、活発になるほど世間は急進的な改革を受入れない。運動家は、不満を募らせていく。

#泣ける #切ない #怖い

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2021年09月16日

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