あらすじ
ひとりの女性の静かな叫びが、多くの心を貫いた――衝撃の感動作。同じアパートに暮らす先輩と交際を始めた"私"。だが初めて交わろうとした夜、衝撃が走る。彼の性器が全く入らないのだ。その後も「入らない」一方で、二人は精神的な結びつきを強め、夫婦に。いつか入るという切なる願いの行方は――。「普通」という呪いに苦しんだ女性の、いじらしいほど正直な愛と性の物語。
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Posted by ブクログ
衝撃的なタイトルで手に取った一冊だけど、中身はとても深く考えさせられるものだった
多様性と言う言葉は、現代社会においてよく耳にするけれど、実際は普通ではない「少数派」の人たちは排除と言うのか、受け入れられるのは難しい。
お互いを思いやる優しい心を持って、他人と比べず自分のペースで歩みを進めていることが大切なのだと改めて思った。
また、他人と話す時も「普通はこうだよね」といったような自分の価値観が絶対に正しいと言う話し方はしてはいけないのだと感じた。
Posted by ブクログ
泣きそうになってしまうほどよかった。買って良かった。読んで良かった。
主人公が不器用で自責感が強くて読んでいて辛かった。それでいて文章がすごく素直だから自分ごとのように物語に入っていけた。194ページの「行為に及ぼうとする空気を敏感に感じ取り、身構えることもない。もう必要以上に自分を責める必要もない」という素直な文章に泣きそうになってしまった。
Posted by ブクログ
タイトルを見て物理的に?非物理的に?と興味をそそられ読んでみましたが、内容はなかなかハードでした。ただ、著者の心情がストレートに書かれていて、笑える場面、胸が熱くなる場面があって引き込まれました。
Posted by ブクログ
有名な本なので何を言うこともないと思いますが
まぁ凄い内容でした
でもそれでいいと思います、ウケを狙っていないリアルさ、迫力、そして男性にはなかなか理解が難しい女性特有のデリケートな事柄…
読み応え満点の本でした。
Posted by ブクログ
作者のように「入らない」わけではないけど、夫とのセックスは少々手こずる。結婚してまだ4年程だが、交わるのは年に片手で数えるほどしかない。作者ほど深刻ではないが私もそういう事情を抱えているので、タイトルが気になって読んでみた。
すると自分のことを書かれてるのかと思うくらい共感しっぱなし。自分の胸の内を言語化してくれてるような錯覚に陥った。
子供を欲しくないと思ってる理由が一緒。でも子供が欲しい旦那のことを思うと切なくなるのも一緒。普通じゃないことを罪深いことだと思って苦しくなるのも一緒。そもそも「普通」ってなんだろう。何で「普通であること」に囚われてしまうのだろう。
子供を持たず、2人だけで生きていくという選択をとる夫婦は今の時代そう珍しくない。
その結論に至るまでの過程が特殊で。特殊なのに、泣けるほど共感できてしまう。
「こうあるべきだ」という固定観念は無視して、お互いが楽な関係性で人生を共に歩めたら素敵だなと思う。
ふざけたタイトルからは想像できないほどの内容。「創作だろ」という声もちらほら見かけたけど、私はそうは思わない。
読んだら落ち込んじゃうかもな、と思ってたけど、今読めてよかったと思う。
Posted by ブクログ
面白いし読みやすくて一気に読んだ。
普通って何?と常々思うときがあって、普通の振りをしているけれど普通ではない作者にとても共感した。
あとがきで末井昭さんが「いつ家族にバレるのか」「バレても全然問題ないと思うのですが」と書いてあるけれど私がこだまさんだったらバレたくないし墓場まで持っていきたい。そのくらい赤裸々に書いていて、中盤はとても苦しくなった。それだけ臨場感のある文章を書けるこだまさんがすごい。
勝手に「コンビニ人間」を読んだときと同じ感覚になりました。
Posted by ブクログ
ユーモラスなタイトルからは、かけ離れたかなり重たい内容。半ばモラハラの母に育てられた自己肯定感の低い女性が、初めて愛した男性と愛の営みができず、子供も授かることができない。が、それは本当に必要な行為なのか、自分の望みなのかを心に問い、精神的に解放されていく話。教師時代の鬱の話も盛り込まれかなり読むのは苦しいが、著者の夫への愛や優しさが行間からにじみでる傑作。
が、しかしあえて著者に聞きたいことはある。いくら寂しさや正気を保つための代替行為だといっても、全く気持ちよくなくて他人のちんぽが入ることはないのでは…と。もちろんそれをわざわざ書く必要はないのだが、いつか旦那さんが読んでしまうことも頭の片隅にあって、性行為に対してまったく淡泊であるようにふるまっているようにも思えた。
Posted by ブクログ
本当に辛くて苦しくて呪った話だと思うんだけど、苦しみの果てに自分で救いを掴んだ人の話だと思った。後書きまでが本編というか。
体の相性はあると思っている方だけど、ここまでってこともあるのかよと。
Posted by ブクログ
エッセイだと思い込んで手に取った本だったので私小説で驚いた。性の話は赤裸々に語るにはなかなか難しい話題だがそれがどれほど女性の生きにくさに繋がっているのかを感じたし、それ以外の事も含め著者の苦しさが語る事によって少しずつ消化されていく様にほろりと涙が出た。
Posted by ブクログ
こだまさんは二作品目。
読んでて身を切られるようで泣いてしまうところもあった…
私はからっぽになってしまった心を、相手は制欲を満たす。私はその人でなくてよくて、その人も私なんかじゃなくていい。…私のしていることは痛みから目をそらすために、新たな傷をこしらえるようなものだった。痛みを忘れていられるのは、ほんの少しの間だけ。何もいいことなんてないのに、ただ心と身体が無闇に汚れるだけなのに、自分と同じように荒んでいる人に会うと妙に安心した。その人を通して、自分を見ているような気がした。(p.128)
でも、私は目の前の人がさんざん考え、悩み抜いた末に出した決断を、そう生きようとした決意を、それは違うなんて軽々しく言いたくはないのです。人に見せていない部分の、育ちや背景全部ひっくるめて、その人の現在があるのだから。それが分かっただけでも、私は生きてきた意味があったと思うのです。(p.216)
Posted by ブクログ
下ネタは嫌いだけど、そういう下品な話しではない。
前もってそんな情報があったから手にとれた。逆にその情報がなければ絶対手には取らなかった。
深刻だけど、笑ってしまう部分も多く一気読み。
Posted by ブクログ
ええ、勿論 下心全開で読みましたよ。
ってな事で、こだまの『夫のちんぽが入らない』
結論は衝撃的。小説と思ったら実話みたい。
儚さも有るけど、身体の繋がりより心の繋がりが強いんかなっと。
色んな過去から無意識に身体が拒否してるのか、責任の無い他人には無意識に身体が許すのか…。
大切に想う人ほど無意識に意識してバリアを張るのか。
色んな人が居て色んな想いが有るんじゃなぁと。
わしは責任の無い他人には優しく出来るのに、家族には優しくしてるつもりがそんなの事無くて。
まあ、自分の事しか考えてないなって、よく思うんでそれが伝わってるのかなっと。
自分の悩み(あんまり無いけど)は人には話したり相談する事をしてこなくて、自分で自己処理してたんで、こだまさんの感じは共感出来ると言うか似てる様な気がするなぁ。
何だか生きてくのも楽しくもあり、しんどい事も有るけど明るく生きて死んでいきたいね
しかし、今年はほとんど本読めなかった~
2024年32冊目
Posted by ブクログ
著者初読。最近重めの読書が続いたので軽めのものを読みたいなぁと思い積読の中から本書をピックアップ。読んでみると全然軽くなかったw。私小説ということでタイトルの問題以外にも様々な問題を抱えている著者。かなり重めの内容ながら著者の軽快な筆致であまり深刻な雰囲気にはならず。身体の繋がりはなくても心がしっかり繋がった伴侶がいてとても羨ましい限り。他者から自分がどのように見られているかってとっても気になるところだけど、結局は自分が納得できればいいんだよね。思いがけずいいものを読んだなぁという感想。
Posted by ブクログ
夫とだけ出来ないというのは不可解なものの、ありのままのを切実に書いた文章に好感を持ったし、普通じゃなくても大丈夫だよと希望を持てるところも良かった。
Posted by ブクログ
勇敢な小説でした。
読んでいて、いくつも付箋を貼りました。
世間体、偏見、思い込みそういうものが襲いかかろうとも弱々しく立ち向かう姿は、意図せず、見知らぬ人の解放者になっている。
虚勢を微塵も配さず、素のままの文章が立ち上がってくる。
持ち前のワードセンスとそのひねり方は、作者の普段の目線がよく反映されている。
これは、生きている文章だ。
Posted by ブクログ
私も「ふつう」に取り憑かれているうちの1人だ。
自分が思う普通という枠にハマりたくて
もう何年ももがいていた気がする。
タイトルは物凄くドぎついもので
はじめはギョッとしたけれど
自分自身を知り、認めるというプロセスが
丁寧に書かれている良い本だった。
Posted by ブクログ
タイトルがとにかくすごいので読まない人も多いだろうし、読んでみると内容もなかなかに凄まじい。受け入れられない人もいるんだろうな。でもわたしはこの本に出会えてよかったと思ってる。今まで男女の恋愛においてセックスのない関係性って考えられなかったけど、こういうこともあるんだって思えて、その概念が良い意味で覆された。レスではあるけど、そこにはちゃんと愛があって、仲良しで、お互いを尊重しあっていて、それでも関係は続いていく。それでいいんだなってなんか荷が解けたというか。世の中いろいろあるし、べつになんでもいいし、いわゆる普通にあてはまらなくてもいいって思えた。男女のことだけじゃなく、人間としての幅が広がる本。読むと生きやすくなる。ここから余談。これを読んだ数年後に付き合ってた人とセックスだけがうまくいかなくて、思い悩んだとき、この本のことふと思い出した。こういう愛の形もあったよねとか思って結婚したけど、結局はレスがつらくて別れちゃった。そういえばこの本でも夫は風俗いってましたね、って、笑うところ。
Posted by ブクログ
タイトルにやられた!
何それ、こっちの買う側も勇気いるぞってw
タイトルどおり「入らない」ってなぜ?どーして?何があった?って感情で読み始め、文章が面白くてスラスラ呼んですぐ読み終えた。
ご本人はいたって真面目な「入らない」。こっちはなぜ「入らない」??他の方は大丈夫なのに、旦那さんだけ?とんでもない巨根とか?、、、、それともメンタル??
面白いけど結局はっきりなぜ?の答えが出ないまま自分の中で「あーそーゆうことかな」って答えは出たけど当たってるかは分からないww
ふざけた気持ちで読み始めたけど、最後は自分も泣いてたww
中々この題材で泣かすとは....
ありきたりなストーリーに飽きてた方にはオススメ!
Posted by ブクログ
タイトルからはもっと笑える話かと思っていたが、何とも切ないお話しだった。
でも、この作品を批判する人がいるらしい。何で?こんなに素敵な作品を貶すって、人の心がないのか?って思うよ。
ただ、医学的にどうなのかについては作者のこだまさんも言及してないので、原因が分からないままでその辺はスッキリしないかな。
Posted by ブクログ
2017.1.23
「夫婦」というものが未完成ながらも互いの欠けた部分を補い合って生きていくための箱であると痛感した。
片方がダメな時はもう片方、またその逆と面倒を見合って太く長く生きていく安全装置にすぎず、そこに「幸せ」だとか何かを求めすぎることは幻想であり、理想的な夫婦とは言えないのかな…。「0(ゼロ)にならないこと」のための制度に過ぎない。
ちんぽ
学生の頃に出会ってから20年間夫のちんぽが入らない女性が葛藤するお話。でもこの人たちは性で繋がることはなくてもそれ以外のもので繋がっていてとても羨ましく思ったりもする。
昨日は好きな女の子にちんぽこが立たないホモの話を読んで今日はちんぽが入らない話か〜どちらも面白かったので時間があれば読み返したいですね。
整形できます
今現在ちんぽが入らず悩んでいる人へ
既にご存知のことかもしれないですが
整形手術で鼻の形が変えられるように
アソコの形も穴の大きさも変えられます。病院へ行きましょう。
あぁ、昔の作者に教えてあげたい・・・
Posted by ブクログ
タイトルだけで読む読まないを判断するのは宜しくないなと実感させられた典型的作品。
話題になったインパクトあるタイトルが手に取る機会を損わせていましたが、個人的に好きな内容だった。⭐︎3.5
Posted by ブクログ
血の滴る傷口を剥き出しにしたかのような私小説。
タイトルからは想像出来ないほどに壮絶な内容で、心のあちこちが斬りつけられたように痛い。
病院に行った方がいいとか別れた方がいいとか思ってしまうけど、きっとそれでは何の救いにもならないのだろうなぁ。
Posted by ブクログ
タイトルにインパクトがあるし、内容も一見特殊環境にいる人の話のようだけど、主人公の感覚が理解できる人は多いのではないかと思った。誰にも説明ができない孤独感や、性を介さない男女間の愛についてなど、現代を生きる上で共通のテーマが語られているように感じた。
主人公が救われる話も良いけど、救われなくても生きていくと決めた主人公に、切ないけど勇気づけられた方は多いのではないかと思う。
ちなみに孤独な男女二人の物語という点で、なんとなくよしもとばななさんの小説を彷彿とさせられた。著者もきっとばななさんが好きなのではないかな?と勝手に憶測した。
Posted by ブクログ
題名が気になり買った一冊。
題名そのままの話
こうゆう事が実際にあるのは知らなかった。
本当は出来るのに何か事情があって出来ない様な話だと思っていたが全く違った。
人に言えない、相談出来ない、調べてもわからない。
苦しいなと思う。
人に言えなくても今はネットでいろんな事を調べる事ができるから時には安心できる
初めての作家さんの小説だったが、読みやすく、その時の気持ちもわかりやすく一気読みしてしまった。
結局出来ない原因はなんなのかね?
精神的な事なのか?
そこがちょっと気になった小説でした。
Posted by ブクログ
入らない事ってあるの?という疑問が生活していて出てきて、この本のことを教えてもらい、読んだ。実体験を書かれているそうだ。けれどもなんとなく作り話のような感じがしてしまう。あまり登場人物に感情輸入できないような書かれ方をしているからなのかもしれない。フィクションでも、本当にあったことのように書く作家はいる。それは書き慣れていて、書き方も上手いからだろう。こんなことも、あるんだなぁと読んだ。
Posted by ブクログ
インパクトの強いタイトルだったし、読んでみると比喩でもなんでもなくタイトル通りの実体験を語った本だった。コミカルな文体だがないようは割と真面目。なぜだが夫とだけはセックスができない妻が描いた日常の物語。すごい夫婦だなと思いながら、こんな愛というのもあるんだな、と思いながら読んだ。
Posted by ブクログ
大学時代に付き合い始めその後結婚するも1度もまともにセックスできない夫婦。
入らない、裂ける、大出血する...などの描写からして女性側になにか先天的な病気、不具合があると思い込んで読んでいたが、終盤になり夫以外の男性と試したら誰とでも普通にできてしまうというオチ?
結局なぜ夫とだけ出来なかったのかという説明が全くなく消化不良。