あらすじ
一介の「兵」に過ぎなかった男はなぜ権力に背き、いかに坂東を制し「新皇」として君臨したか。皇室の永続を運命づけた日本史の転換点。
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Posted by ブクログ
* 通説による振り返り&著者による考察。
* 乱の推移、当時の社会構造や動向がわかる。年表付き。
* 将門の年齢、将門に刺さる矢の解釈、将門の乱の唯一無二の重要史料「将門記」の作者とは?なかなか説得力があった。犯人は平○○。
* 将門は兵(つわもの)、もののふ。強い。しかし侍にあらず。むしろ朝廷側に立って簡易官職を得て将門を倒した藤原秀郷、平貞盛、源経基こそ侍の起源。
* 天皇に逆らった将門は滅亡。天皇側に立ったつわもの、もののふこそが侍である。天皇あっての侍。藤原秀郷は群盗だったが強いので朝廷に取り込まれて官位官職を貰って将門を倒して大出世へ。これが後の日本史の大前提ともなって天皇が現代にまで保持されたと。
* 貞盛、経基、、、平氏と源氏の主流血統の創始者二人ともなかなか狡猾。貞盛の行動はわからないではないが、経基はこの時点では武者というより天皇の皇子の息子って感じで京の公家。狼狽して逃げ帰って讒言して、、と何やってんだという感じだが、うまいこと立ち回って子孫隆盛の礎になった。
* 将門のイメージはドラマなどと同様で朴訥、直情、純朴、親分肌みたいなところ。貞盛はインテリ風なのはそうなんだが狡猾さがある。本書の流れでは貞盛は将門を敵にしたくないのだが、行き違いなどもあって将門がブチ切れて貞盛を憎悪、追い詰められていく貞盛は京でロビー活動をしまくって、将門の暴発もあって最終的に勝利を得る。
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* 別本の見方にあるが、当時は戦術も何もほぼない。突撃か囲むか、それくらいだとも。将門とか配下の人間が単純に属人的に強い。そして軍勢が膨れ上がると制御しきれない。甲冑なんかない。分け前目当てや憂さ晴らしか?集まってくる。負け始めるとさっさと逃げる。放火、虐殺、国の転覆、将門がどこまで意図していたか?軍勢の暴走からなし崩しに?というとこ。
* 藤原秀郷は地方に流れた藤原氏と現地の豪族が婚姻を重ねたハイブリッド種。軍勢を自前で持っていtげ、朝廷が取り込まないと群盗になってしまう存在。犯罪者でお尋ね者だったが将門の乱勃発で朝廷に取り込まれた。秀郷は大出世、息子は京で軍事系貴族として出世を目指すが親分・源高明が失脚して地方豪族の血統としては残るが中央からは放逐されてしまった。このきっかけとなる密告を行ったのが 源経基の息子で、源高明のライバル・藤原摂関家の子分だった。親分同士がライバルであると同時に源氏と秀郷流藤原氏は軍事系貴族としてライバルだった。
* 大河ドラマ「光る君へ」のラストシーンでは「道長様、嵐が来るわ」で武家社会の到来、乱世の到来が暗示される。この時に平忠常の乱が起こっている。将門のおじの孫。
* 大河ドラマ「炎立つ」に出てくる藤原経清(渡辺謙)は奥州藤原氏の初代・藤原清衡の父親、秀郷流藤原氏。将門の乱から100年ちょっと後。現地の豪族・安倍氏と婚姻で結ばれて、中央からやってきた源頼義(経基のひ孫)らに反抗することになる=前九年の役。この100年で源氏は武家の棟梁的な立ち位置になっていた。
* 後三年の役を経て東北地方は奥州藤原氏が実質的に支配する王国になる。将門みたいに公に反旗は翻さず、実質的な統治を担う。中央の貴族をカネで取り込んで。