【感想・ネタバレ】ふたつの日本 「移民国家」の建前と現実のレビュー

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Posted by ブクログ 2021年06月13日

技能実習生の低賃金・劣悪な労働環境の問題については従来からニュース等でみていたが、単に受け入れ側の問題ではなく、構造的にこのような結果を生まれてしまう状態にあるということが、この本を読むとよくわかる。

かなりデータに基づいて事実が整理されており、批判目的ではなく事実を目の当たりにして読者自身が考え...続きを読む始めることを目的とした本だと思った。

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Posted by ブクログ 2021年03月10日

日本は年々外国人受け入れ数が増えているが、その環境は整っているとは言いがたい。特に労働目的の移民、迫害から逃れた難民への対応は改善しなければならないと著者は述べている。難民認定率や劣悪な労働環境、日本社会への適応など課題はたくさん。

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Posted by ブクログ 2020年02月05日

発売当初から読みたいと思いつついつの間にか時間が経ってしまった本。やっと読めた。そして読んで良かった。

「移民」この言葉にはさまざまな定義があり得るがどんな定義をとるにしてもすでに日本には「移民」は多数存在する。

そのこと自体は知っていた。それこそ色々な意味合いで。私の育った地元は工業地帯がある...続きを読むためかそこで日系のブラジル・ペルー人が多く、小学校の同級生の5〜10%はにそうした日系移民の子どもたちだった。そして、都市部で居住する多くの人と同じように私も日々多くの外国人留学生バイトの方が支える店のサービスを受けて生活してもいる。

そして直接触れ合うことはないけれど「技能実習生」という制度が過酷なものになり得ることもニュースレベルでは知っていた。

とはいえ、そうしていくつも知っていても全体として「日本における移民とは?」と聞かれてもなんとも答えようがないというか、何をどう捉えて議論すれば良いのか分からなかった。

それが本書を読んでイシュー全体の構造を大まかに掴むことができた。

・移民や外国にルーツを持つ人たちには様々なレベルがあり、労働や生活面で様々な制約の違いもあること

・移民政策は採らないという自民党の保守政党としての建前と経済界からの労働力確保ニーズの狭間で本音と建前が分かれ、不合理や不条理が罷り通っていること

今後どうしていくか、という議論をする際にすでにある現状に向き合った上で考えていくべき問題であることを知れたことがとても良かった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年12月04日

国は移民という言葉が使いたがらないようだが、今日本に住む多くの外国人は移民と言っていいものだとわかった。
コンビニで見かける外国人、週28時間までのバイトでは生活できずに苦しんでる人がたくさんいるのを知っている。
技能実習でパスポートも奪われて最低賃金以下で働かされているベトナム人がいるとテレビで見...続きを読むた。見えなければなにをしてもいいと思っているのか?簡単に無法地帯を生み出す制度だとわかるのに、更に特定技能という都合の良い制度を推し進める。
国の建前は綺麗で、彼らが苦しむのは本人の見通しが甘かったからとでも言っているように感じる。馬鹿にしている。
どこの国でも外国人は苦労するだろうが、弱者と侮ってしっぺ返しを喰らうのも、今の日本ではそう遠くないように感じる。
自分が外国で働くかもなんて想像もしないんだろうなー

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Posted by ブクログ 2019年11月02日

タイトルは分かりにくい(それが本書の唯一の欠点)。サブタイトルこそが本書の内容を的確に表している。『「移民国家」の建前と現実』。
日本は「移民国家ではない」と言いつつ(建前)、大量の移民を受け入れている(現実)。それを本書は「フロントドアを閉ざしつつ、サイドドアとバックドアから移民を入国させている」...続きを読むと表現する。上手い例えだと思う。
そして、いないことになっている外国人労働者がいることによって生じる問題やリスクは(いない人に対する支援はできないから)、すべて外国人労働者に押し付けられている、という。

知っているつもりになっていたけど全然知ってなどいなかった。望月さんの文章はニッポン複雑紀行などで読んでいるけれど、その聡明さは本書でも健在だった。政府の政策や送り出し側の国や日本そして世界の経済状況といったマクロと、AさんBさんという一人一人のマクロの両方。数字(統計情報)と文章(エピソード)の両方がしっかりと説得力と彩りを携えていて読みやすく心にしみる。


以下、いくつか印象的な箇所の引用。

 トルコ出身の政治学者であるセイラ・ベンハビブは外国人への政治的な成員資格の付与について「永遠によそ者であることは、自由民主主義的な人間共同体の理解と両立しない」と書いた。この言葉は、成員資格の付与だけでなく、むしろそれ以上に社会統合のテーマにこそ関わる。(p.30)

 人によって賛否はあるだろうが、外国人労働者を受け入れる業種やスキルの水準について何らかの形で限定するというスタンス自体は存在しうる(中略)しかし、ここに根本的な欺瞞が存在することは明らかだ。表向きは「いわゆる単純労働者」の受け入れに伴う様々な懸念を表明しておきながら、裏側では「いわゆる単純労働者」をサイドドアから積極的に受け入れてきたのだから。自分自身で並べ立てたもっともらしい懸念は一体どこに行ってしまったのだろうか。(p.92)

 実習生や留学生が陥る構造的な問題は、これまで真正面から外国人労働者を受け入れてこなかった日本のサイドドア政策自体から帰結した矛盾の現れだと言える。忘れてならないのは、その矛盾から生じるリスクを一手に引き受けてきたのが、彼らを受け入れる日本社会の側ではなく、外国人労働者たちの側であるということだ。実習先から「失踪」した実習生や、上限を超えて働いてしまった留学生の報道に触れるとき、このことを覚えていてほしいと思う。(p.140)

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Posted by ブクログ 2019年06月24日

前々から尊敬する望月さんの本をようやく一読。

多様性で溢れた世の中にしたい、とほざいてた自分を殴りたいほどに、自分自身の勉強不足さを目の当たりにし、我が国における外国人の方の現実を構造的に知ることが出来た。

特に第5章の強制送還者が収容される収容所の話などは、アウシュヴィッツの繰り返しではないか...続きを読むと疑うほどだった。

また国籍を持たない者に対する対応には政府や裁判所はあまり関与せず、法務省や入管という行政機関が大きな裁量を持ち意思決定を行っている所にも国家の役割や国民と市民の関係性などを考え直す必要があると感じた。

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Posted by ブクログ 2019年05月01日

日本に住む外国人の方の急増や2018年のいわゆる「特定技能」という在留資格の創設などもあり、興味があったのでこの本を手に取りました。
在留資格のことなど、これまであまり理解できていなかったのですが、簡潔に整理されていてとても分かりやすかったです。とくにそれぞれの在留資格間の関係性や、そこに「特定技能...続きを読む」がどのように埋め込まれるものなのか、といった点です。
個人的には日本政府がいつまでも「外国の方を便利に使いたい、制度さえ作ればいくらでも来てくれる」というスタンスを今でも取り続けている(いろいろな方面へのポーズの部分があるにしても)のがちょっと信じられないです。いろいろな国で蓄積された取り組み(成功も失敗も含めて)も大いに参考にできるはずなので、今からでも遅くないですし、継続して考え続けてほしいです。

日本に住む誰しも関係があり、考えていかないといけないテーマであるので、新書という媒体にとても適した内容だったように感じました。

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Posted by ブクログ 2019年04月01日

移民国家としての日本を統計や制度面からしっかり理解できる本。
ナショナルとグローバルの間にあるレイヤーで使い捨てられる外国人労働者たち。彼らへの視点もこの本を読めばきっと変わってくるはず。

特に「特定技能」についての章は、ニュースに触れていてもわかりづらい点を丁寧に説明してくれているので役立つ。
...続きを読む
終章はこれから何度でも読み直したいほど示唆に富む。
「大いなる撤退」の時代というバウマンの問題提起が、今の日本にはピッタリ当てはまる。

『今、目の前にふたつの道がある。ー撤退ではなく関与の方へ、周縁化ではなく包摂の方へ、そして排除ではなく連帯の方へ。これは「彼ら」の話ではない。これは「私たち」の問題である。』

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Posted by ブクログ 2022年01月07日

「移民」を「周縁化」し、不可視化、排除する社会は、いずれ日本人の弱者も同じように扱うようになる、と洞察はなかなか本質をついていると思う。
「今、目の前にふたつの道があるーー撤退でなく関与の方へ、周縁化ではなく包摂の方へ、そして排除ではなく連帯の方へ。これは「彼ら」の話ではない。これは「私たち」の問題...続きを読むである。」

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年06月19日

近所のコンビニで、日本語が良くできてとても愛想が良いベトナム人の若い男性従業員を見かけるようになった。対応はいつも笑顔でテキパキとしていて、日本人流(?)の丁寧さもある方だ。彼のレジに当たると、(片側にいる別の日本人店員と違って)対応が細やかで気が利くから、仕事帰りでボロボロに疲れている時にはすごく...続きを読む有り難いし、頑張る気力をもらえる。
コンビニから出る度、彼はなぜこんなところで働いてるのか?どういう経歴を持っているのか?今後何がしたいのか?などとぼんやりと考えるようになってたのだが、ちょうどその時に、著者と仕事をしている知人から本書を薦められた。
そこまで馴染みのない分野だったからか、何故か読みづらく(文章は簡潔なのだが…)、なかなか集中して読み通せなかったが、諸相や問題を構造的に提示してくれたように思える。課題図書としては読まなかったので文章内容の要約等はしなかったが、再読した際には「移民」の行政区分を整理しながら読むと良さそうだ。

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Posted by ブクログ 2020年10月14日

2019年からの「外国人材の受入れ/総合的対応策」にかかわる解説としては、これを読めばばっちりな1冊。ただ、日本の外国人政策の根っこにある在日コリアンの歴史にほとんど触れていないのが、竜頭蛇尾というか画竜点睛を欠くというか…というのが私のちょっと不満なところです。ゆえに☆4つ。

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Posted by ブクログ 2020年08月21日

入管制度の建前と実態の乖離、そのことがもたらす人権問題の現状をコンパクトにまとめている良書。過度に感情によらず、数字に基づきつつリアルタイム感のある報告。良い本。

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Posted by ブクログ 2020年06月11日

 政治の足下を見つめるための本。現在の内閣だけでなく、ずっと問題を解決せずに、矛盾だけが大きくなって、最早。
 不可視という視点を持つと、「移民」だけでなく、本当にいろいなものが隠れていることに気付かされる。

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Posted by ブクログ 2020年04月29日

総人口が減少する中で、外国人の労働に依存する社会になることは確実だが、実際に働く外国人に対する政府の施策はもどかしい感じだ.差別はどんな社会にも存在するが、お互いが支援しあう形での共存はできないのだろうか.日本人だけが住んでいるのではない.この日本には.複雑な読後感が残った著作だ.

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Posted by ブクログ 2020年02月18日

日本の「移民政策」について、基本的なことから組み立てて論点を明らかにしている。
とにかくエビデンスベースを徹底しており、この一冊だけでかなりの情報量(図表50点以上らしい)がある一方、さすがにデータを見せられ続ける疲れもある。
移民政策は、日本が安価でフレキシブルな外国人の労働力をどのように取り入れ...続きを読むるかという制度設計であり、もともとが行政の裁量が広く、外国人に不安定を強いるものである。外国人労働者の増加は非正規雇用の増加と重なるという指摘はその通りだと思う。
日本は外国人の単純労働は受け付けないとしてフロントドアを狭くしつつ、事実上、技能実習生や留学の資格者に単純労働をさせている。しかし、外国の方も経済成長をするため、中国よりもベトナムからの移民が多くなるなど、移り変わりがあり、そのスピードも早くなっている。日本もいつまでも選ばれる国ではなくなる。
外国人労働者が増加し続ける中、いつまで「移民政策ではない」と言い続けるのか。

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Posted by ブクログ 2019年12月23日

日本国家による移民政策とその排除を中心に描いている。個人的に日本の難民政策に関心がありその参考資料として選んだがあまり難民政策については語られていなかった。しかし、日本国家によるいわゆる単純労働者の受け入れは非常に都合の良いもので外国人の権利保証の観点が明らかに欠落している。入管の問題もさることなが...続きを読むら外国人労働者への抑圧もしっかりと直視するべきだと改めて感じさせられた。

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Posted by ブクログ 2019年07月31日

日本が「移民を受け入れない」という体裁を保ちながらも、外国人労働者をいかに受け入れてきたかが分かる。日本の移民政策の矛盾は、2019年4月の特定技能制度導入に伴い、解消の方向に向かっているといえる。しかし、「外国人の権利を見直そう」という人道的な見地から見直したというよりは、深刻な労働力人口の減少を...続きを読む背景に、単純労働を正面から受け入れざるをえなかくなったように感じる。ブローカーの監視体制など、課題も多い。また、制度導入後、外国人労働者に関する議論が非活発化したようにも感じる。この本が指摘する移民政策の問題・課題をより多くの人が認識し、建設的な議論がなされるべきだ。

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Posted by ブクログ 2019年03月26日

在留外国人が300万人を超える日はすぐそこまで迫っている(p178)
「移民」を否認する国は、「人間」を否認する国である。人間を否認する国とは、社会の中でしか生きられない私たちから社会的な支えを剥奪する国である(p216)

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Posted by ブクログ 2022年04月12日

日本における移民対策をわかりやすく記している。島国の民族主義はグローバル社会においても外国人を偏見・差別して労働力として搾取しようとする。この浅ましさが行革や制度によって外国人を虐げている。どこが多様性なのか、無関心ではいけない、無力を痛感する個人として声をあげ続ける。移民問題しかり難民・避難民とト...続きを読むリッキーな区分けをせずに堂々と外国人を受け入れる度量を見せなければ、この国は蚊帳の外に追いやられる後退国となるであろう。助けることを無下にして助けられるなんておこがましい。

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Posted by ブクログ 2021年06月02日

☑︎日本は「遅れてきた移民国家」
☑︎移民を否認する国は、人間を否認する国
☑︎これは「私たち」の問題

日本に暮らす外国人の方々の現実について、詳しく知ることができました!

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Posted by ブクログ 2021年03月04日

コンビニや飲食店の店員さんだけじゃなく、農業とか弁当工場とか、見えないところで技能実習生や留学生が日本を支えている/支えさせている。

「店員さん外国人やな」から、彼ら彼女らの生活にも思いを馳せたい。

技能実習生、留学生を都合のいい労働力として一時的に使っている現状を豊富なデータで分かりやすく示し...続きを読むた入門書。

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Posted by ブクログ 2020年08月19日

外国人労働者に関して全然知らなかった、知ろうともしなかったことを思い知った。反省。毎日目にする彼らを移民とすら認識していなかった。建前も苦しくなってきた昨今、どのような道を選ぶのか、きちんと考えないといけないなと思った。

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Posted by ブクログ 2020年04月08日

望月優大(1985年~)氏は、東大大学院総合文化研究科修士課程修了後、経済産業省、Google、スマートニュースなどを経て、現在(株)コモンセンス代表取締役。日本の移民文化や移民事情を伝えるウェブマガジン「ニッポン複雑紀行」編集長。
本書は、2019年に出版され、現在の日本における「移民」の状況につ...続きを読むいて、これまでの統計上の数値、法律的な扱い・位置付けの変遷等を踏まえて、考察したものである。
著者は、本書を著した理由を次のように語っている。「日本では長らく「移民」という言葉自体がタブー視されてきた。日本は同じ言葉と文化、歴史を共有する「日本人」だけの国であることが当然とされてきた。今でもなお政府は「移民」という言葉を意図的に避け、まるで日本が一つの巨大な人材会社でもあるかのように、労働者たちを「外国人材」と呼んでいる。日本にはいまだに移民や外国人の支援や社会統合を専門とする省庁も存在しない。・・・この国にも「移民」が存在し、取り組むべき「移民問題」が存在する。日本は「遅れてきた移民国家」である。建前と現実の乖離を、そろそろ終わりにするべきではないだろうか。」
政府がどう定義するかは別としても、日本には2018年6月末時点で、永住許可取得者(永住者と特別永住者)109万人、短期滞在許可取得者(日本人及び永住者の配偶者等、就労資格保有者、留学生、技能実習生など)155万人の、計約260万人の移民が存在し、これはなんと大阪市(270万人)とほぼ同じ規模である。それでも、私が1990年代に駐在していたドイツや英国と比べると、はるかに少なく感じるのは、人口比で見た場合に、ドイツが10.1%、英国が8.6%であるのに対し、日本は2.1%とかなり低く、また、外見上明らかに外国人と分かる白人、黒人の数が少ないからに過ぎないと思われる。
しかし、今や外国人労働者なしに日本の経済活動が回っていかないことは自明であるし、その外国人労働者に関して(様々な背景・要因はあるにしても)、技能実習生の失踪、留学生による(法令で認められた)週28時間の超過労働、非正規滞在者の入管施設への長期収容等、数多くの問題が存在しているのは、本書で詳細に書かれている通りである。そして、忘れてはいけないのが、そうした外国人一人ひとり(及び家族)に、日本人と変わらない日々の生活があるということである。(彼らの生活については、室橋裕和氏が在日外国人の日常をルポルタージュした近著『日本の異国』に詳しい)
「社会が関与せず、関心を持たず、足場を与えずに放置し、その生から撤退する対象としての人間をどんどん輸入していく-こうした移民政策から、移民を同じ人間として受け入れ、それぞれに必要な支えを提供し、誰もができるだけ「安定した生」を生きられるように努める移民政策へと転換することができるか。安価でフレキシブルな労働力という幻想を捨て、一人ひとりが経験する当たり前の現実へと目を向けることができるか。」 著者が最後に提起するこの問題を、「彼らの」話ではなく、「私たちの」問題として取り組めるか、それが今問われているのだと思う。
(2020年4月了)

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Posted by ブクログ 2019年12月07日

移民社会日本の現状がよく分かる。とくに技能実習から特定技能への制度の変遷は分かりやすかった。在留資格についても勉強になった。

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Posted by ブクログ 2019年10月01日

冒頭に引用されている文章は30年以上前に書かれたもの、しかし現代の日本でも違和感の無いような内容だ。その当時から確かに存在する「移民」を、いまだに日本政府は認めようとしない。その裏で労働力は受け入れようとする矛盾。日本の移民政策・取り巻く環境への理解が深まった。

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Posted by ブクログ 2019年07月29日

冒頭の文章から左派リベラルな匂いが漂っていて心配したが、本文ではイデオロギーは抑制されており、無難な良書だった。

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Posted by ブクログ 2019年06月26日

移民・外国人労働者をめぐる問題について、最も最近書かれた入門書、とでも言ったらよいだろうか。在留資格「特定技能」の新設も含めて、これまでの政策の流れ・政府の意図がまとめられているので、問題の概要を把握するには悪くない。ただ、机上でデータをまとめ、わかりやすく分析しただけ、という感じもする。内容的に新...続きを読むしいものがあるわけでもない。最新の入門書としての意味はあるが、現場の様々な取り組みに軸足を置いたものではなく、討論会の論点整理には役立つが、この問題に苦闘している現場への共感を引き起こすものではない。もちろん一冊の新書に多くを求めるのは不適であるが。

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Posted by ブクログ 2019年04月30日

日本で暮らす外国人の実情がきちんと整理されていた。
この3年で3倍というのはすごいスピード。

これだけ劣悪だと、日本で暮らす=ブラック企業に入るようなもので、優秀な人が来ない。優秀な人が日本で暮らしたいと思うような制度にすべき。

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